journal

« January 2011 | メイン | March 2011 »

February 23, 2011

『苦悩』マルグリット・デュラス原作 パトリス・シェロー演出
梅本洋一

[ theater ]

 シアター・カイでのわずか2夜に限った上演。デュラスの『苦悩』と『戦争ノート』から、シェローと女優ドミニク・ブランが選択したテクストが、ブランの声によって発語される舞台。シェローによると、当初は朗読会として企画されたが、会を重ねていくうちに。ドミニク・ブランから、もう台本を持って舞台に上がる必要がないので、演出して欲しいと頼まれた、ということだ。だが、もちろん、登場人物を増やしたり、音響効果を入れ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:55 PM

February 20, 2011

『ヒアアフター』クリント・イーストウッド
梅本洋一

[ cinema ]

 正直に告白しよう。イーストウッド・ファンを自認するぼくだが『グラントリノ』も『インビクタス』もなぜか絶賛することができなかった。『グラントリノ』は俳優イーストウッドの喪の儀式には相応しかったし、それなりに感動したけれども、すべてが「想定の範囲内に収まっていた」気がしたし、肝腎のクルマがあまり好きになれなかった。たとえば『センチメンタル・アドベンチャー』のクルマの方が良かった。そして『インビクタス...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:35 PM

February 17, 2011

2010-11チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 アーセナル対バルセロナ 2-1
梅本洋一

[ sports ]

 ロンドンでホームだとはいえ、アーセナルが初めてバルサを下した。だが、実際にゲームを見た人なら誰でも分かるとおり、内容では圧倒的にバルサが押していた。スタッツもそれを物語る。ポゼッションで61% :39%。61%という数字はプレミア中位クラスならアーセナルが相手チームに記録する数字だ。セスクを中心に中盤を支配し、両サイドをサイドバックが駆け上がり、ヴァイタルエリアの中でも細かいパスが繋がれる。その...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:24 PM

February 15, 2011

『SOMEWHERE』ソフィア・コッポラ
田中竜輔

[ cinema ]

 ほとんど風景と呼べるランドマークのない、サーキットのような道路をグルグルと抑揚なく走る一台の真っ黒なフェラーリ。運転しているのは無気力な映画スターのジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)。車に乗るか、酒を呑むか、適当な女とセックスするか、はたまたポールダンサーをデリバリーするか、一応映画の仕事は続けているようだけれども、記者会見では質問に満足な受け答えもできないほどの熱のなさ、ルーティンと惰性...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:30 AM

2011シックスネイションズ第2週 アイルランド対フランス 22-25
梅本洋一

[ sports ]

 久しぶりに面白いゲームを見た。最近のラグビーは、どこもスタイルが一緒になって、スキルの巧拙と身体の大きさのみの勝負になってきている。ディフェンスが進化してきて、一列に並んだディフェンスラインへのクラッシュとリサイクル(あるいは、その変形)ばかりで、ライン・ブレイクは、ミスからしか生まれない。  そんな昨今、このゲームは、後半にフランスが見せた25フェイズをノーペナルティで重ねたディフェンスと、セ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:25 AM