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February 28, 2024

『作家主義以後 映画批評を再定義する』須藤健太郎
鈴木史

   本書ほど、書き手の揺らぎを隠そうとしない映画批評の書籍も珍しい。 『作家主義以後――映画批評を再定義する』には、2017年から2023年の半ばにかけて著者・須藤健太郎により多様な媒体へ寄稿された映画評のほか、講演録や対談が収録されている。本書での須藤は映画を語るにあたって自身の戸惑いや不安を隠すことがない。しかしそれらの戸惑いや不安は須藤の判断によってそこに残され、読者の前に示されてもいる...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:13 PM

August 5, 2021

雑誌『日常』一般社団法人 日本まちやど協会
隈元博樹

 本誌を発行した「一般社団法人 日本まちやど協会」のWEBサイトによると、『「まちやど」とは、まちを一つの宿と見立て宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上していく事業である』と書かれてある。ひとつの宿という完結した空間を通じて、飲食や入浴などを提供する場が従来型の宿泊施設であるならば、まちやどとは「まち」全体が大きな宿であり、ゲストに向けたさまざま...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:56 PM

July 5, 2020

『女帝 小池百合子』石井妙子
千浦僚

 遅ればせながらこの書を読み終えた。  キモである現東京都知事のカイロ大学首席卒業やアラビア語ペラペラに関しては、ちょっと前の週刊文春やネットで出ているニュースと変わらない情報量だが、ネットにはこれに関する火消し記事もあり、そっちを見ていると古い話、大したことじゃない、という印象も受ける。だが本書を読むと、まず小池百合子氏がカイロ大学留学時代まともに勉強していないことと、実質なく卒業資格をとり、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:45 PM

July 2, 2020

『小さな泊まれる出版社』真鶴出版
隈元博樹

 神奈川県足柄郡下真鶴町。2018年に県で唯一の過疎地域に指定された、人口約7300弱の小さな港町。この町にある真鶴出版を知ったのは、横浜国立大学大学院都市イノベーション学府の広報誌「YNU YEARBOOK2019-2020」に掲載された「人と地域をつなぐこと」という座談会だった。そこでは真鶴出版の川口瞬と來住友美、同出版2号店のリノベーションを担当した「トミトアーキテクチャ」(以下、トミト)の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:18 PM

October 11, 2018

『眼がスクリーンになるとき』福尾匠インタヴュー
三浦翔

「メディアよりイメージを優先する」態度  福尾匠の『 眼がスクリーンになるときーーゼロから読むドゥルーズ『シネマ』 』(フィルムアート社)は、映画をイメージの分類学として論じた『シネマ』から無数に並ぶ映画作品や作家の固有名をほとんど排し、哲学的なシステムとして再構築する野心的な挑戦である。それはある意味で映画史に対して挑発をかけるかのようでもあるが、運動イメージ=物語的な古典映画、時間イメージ=反...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:08 AM

May 26, 2018

『ルポ川崎』磯部涼
隈元博樹

 東京と神奈川のあいだには、県都境を分かつように多摩川が流れている。秩父山地の笠取山に源を発したこの一級河川は、上流の奥多摩や西東京、下流の川崎を抜けたのち、東京湾の待つ海へと流れ出ていく。全長138kmの川から海へと及ぶ変遷のなか、川崎区港町の多摩川沿いで「中1男子生徒殺害事件」が起きたのが、2015年2月20日のこと。『ルポ川崎』は、今から約3年前に起きた同事件と、その後立て続けに発生した近隣...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:06 PM

September 8, 2017

『善き門外漢』中里仁美
長島明夫

 『善き門外漢』という風変わりなタイトルの雑誌を初めて手にしたのは今年の4月、知り合いに連れられて行った目黒区鷹番のSUNNY BOY BOOKSでのことだった。自分自身そういう雑誌を作っているにもかかわらず(2009年創刊の個人雑誌『建築と日常』)、ふだんリトルプレスの類の冊子を開いてみることはあまりないのだが、この『善き門外漢』(刊行まもなかったvol.3)のたたずまいには妙に気になるものがあ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:51 AM

November 15, 2014

『映画とは何か--フランス映画思想史』三浦哲哉
田中竜輔

 映画について考えようとこの書籍を手にしたのなら、それはたんに幸福なことであるよりは、ある切実さを伴った経験となる。なぜならこの書物は映画をめぐる思考/思想の実践的な歴史を問うものではあるが、同時にある種の恋愛をめぐって紡がれた書物でもあるように思われるからだ。その恋愛とは、スクリーンの上に繰り広げられる俳優と女優の織り成す幻想の光景ではないし、スクリーンの外側での映画関係者たちのスキャンダラスな...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:37 AM

May 21, 2014

『吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館』@LAST BAUS
渡辺進也

 この本の後ろの方に「バウスシアター年間上映年表1984〜2014」という80頁の資料があって、バウシアターのオープンしてからのすべての上映作品が掲載されている。ぼんやりとこの資料を見ていると、僕が最初にバウスに行ったのは2001年5月の〈「降霊」劇場初公開記念・黒沢清監督特集〉が最初らしい。『地獄の警備員』とか『ワタナベ』とか見たなあと思う。  吉祥寺の近くに住んだことなどないから、僕がバウスシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:44 PM

January 28, 2014

『Dressing Up』安川有果
松井宏

 そのプリンセスは自分の血に呪いがかけられていることに気づく。いまはもういない母がかつて患っていたなにかを、自分もまた受け継いでいるのだと。母は自分のなかにあるそれに耐えられず自殺したのだろうか? わからない。だがとにかくそのなにかが、呪いが、自分の身体のなかを流れていることは確かだ。いや、その少女は自らのそんな血に気づいた瞬間から、プリンセスとなるのだった。おぞましさと気高さが彼女のなかでひとつ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:27 PM

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