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October 30, 2013

『華麗なるギャツビー』バズ・ラーマン
結城秀勇

「アメリカでは身元不明の死体を「ジョン・ドー」と呼ぶが、身元不明の生者を「ジェイ」と呼ぶのかもしれない」。そう樋口泰人は爆音収穫祭で上映の『マーヴェリックス』について書いたが、未見だったもうひとつの「ジェイ」の物語を見る。しかも音楽と製作にはJay-Zが名を連ねている! それにしても、ジェイ・ギャツビーほど、「身元不明の生者」と呼ぶにふさわしい者はあるまい。ドイツの皇帝のいとことも暗殺者だとも噂さ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:29 PM

September 24, 2013

『映像の歴史哲学』多木浩二 /今福龍太編
長島明夫

 多木浩二が2011年4月に82歳で亡くなった後、多木に関連する本がいくつか出版された。1991年刊行の磯崎新との対談集『世紀末の思想と建築』の復刊(岩波人文書セレクション、2011.11)もそのひとつに数えられるかもしれないが、新刊の著作としては、2007年の講演をまとめた『トリノ──夢とカタストロフィーの彼方へ』(多木陽介監修、BEARLIN、2012.9)と、主に1970年代の建築やデザイン...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:32 PM

April 21, 2013

『コーヒーと恋愛』獅子文六
渡辺進也

 ある日、欲しい文庫の新刊があって、本屋に立ち寄ったら、その本のちょうど横に、獅子文六の本が平積みされているのを見つけてしまう。  獅子文六の名前は、『特急にっぽん』、『自由学校』、『大番』など映画の原作者として親しみはあるが、これまで、ついぞ読もうなどとは思ったことなどなかったのに、そのタイトルに惹かれて読み始めてしまうと、もうそのシャレた軽さに、イチコロになってしまったのである。   『可否...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:01 AM

March 6, 2013

「建築映画 マテリアル・サスペンス」鈴木了二
隈元博樹

以前のことだったと思う。冨永昌敬の『シャーリーの転落人生』上映後に行われたアフタートークでのことだ。画面上のシャーリー(福津屋兼蔵)と妻の波子(笠木泉)が抱擁を交わす本編のラストシーンを、ゲストの鈴木了二はカメラが切り返されるごとにワンカットずつ再生して見せた。シークエンスはシャーリーの相棒である中内(杉山彦々)がふたりに絡まるようにしてその輪の中へと割りこみ、中内は切り返される画面に応じてカメラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:55 AM

February 27, 2013

「週刊金曜日」2013年2/22号
結城秀勇

人間は悲しいものだ。希望の少ない人ほど善人だ。正確な引用ではないが、先日見たフレデリック・ワイズマンの『最後の手紙』にそんな言葉があった。ワシリー・グロスマンの『人生と運命』中の一章を戯曲化したものを、主演女優のカトリーヌ・サミーのためにワイズマン自身が脚色した一人舞台。サミー演じるアナ・セミノワはユダヤ人収容所の中で、希望を抱く人間ほど利己的になり、生存本能の奴隷となっていくさまを見る。医者で...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:24 PM

May 14, 2012

『灰と血』ファニー・アルダン
田中竜輔

 パウロ・ブランコ製作によるファニー・アルダンの果敢な監督第1作、『灰と血』にはふたりの母がいる。ひとりは一族の歴史を支える白髪の女であり、もうひとりは夫の死を契機にその呪縛から一度は身を引いた女だ。三つの家族をめぐる複雑なシナリオの中で、彼女たちはつねに特異点としての役割を担っている。多くの場面で椅子に腰掛けながらも、そこに映る誰よりも強大な力を占有し、誰彼構わず檄を飛ばし、一族の法を強要する白...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:16 PM

March 12, 2012

『ロング・グッドバイ パパ・タラフマラとその時代』パパ・タラフマラ、小池博史
増田景子

 2012年パパ・タラフマラが解散する、ということは知っていた。観劇するともらう分厚い折り込みチラシの束にたしか最終公演のフライヤーを目にしたからだ。でも、「パパ・タラフマラが解散する」ということが何を意味するかは知らなかった。さらに、パパ・タラフマラがどんな劇団で、どんな歴史を築いてきたかってことも知らなかった。そう、何も知らなかったのだ。 「パパ・タラフマラは1982年に小池博史を中心に結成さ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:33 AM

September 24, 2011

ラグビーW杯2011──(4) オールブラックス対フランス 37-17
梅本洋一

 プール戦最高の注目。このプールで2位になった方が上に行くと楽などと言われていたが、キックオフからフランスが攻め込む。だが、オールブラックスの整備されたディフェンスとフランスの「ここ一番」の球出しが遅れ得点できない。直後にオールブラックスのカウンターが決まる。20分で19-0。「2位になった方が楽」という気分がフランスに広がり、大差になるかも知れないと思われた。こういうゲームをイーヴンに持って行く...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:55 PM

September 22, 2011

『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』アンドリュー・ラウ
隈元 博樹

このフィルムの主人公チェン・ジェンはかつてブルース・リーが『ドラゴン 怒りの鉄拳』で演じた架空の武道家である。その名前は、ブルース・リーという伝説的なスターがかつて演じたひとつのキャラクターであることを越えて、その後のカンフー映画に繰り返しその影を落とす。後にこのチェン・ジェンは、彼の死後を物語にしたり、リメイクをしたりしてジャッキー・チェンやジェット・リーによって演じられてきた。今回の『レジェン...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:35 PM

September 3, 2011

『ゴーストライター』ロマン・ポランスキー
梅本洋一

 すでにこのフィルムについてはいろいろなことが語られている。ヒッチコック的な作品、堂々とした古典的な作品、流浪を余儀なくされたポランスキーの似姿……どれも当たっている。冒頭の豪雨の中、フェリーが港に着くシーンから、無駄なショットなどひとつもないし、見事な編集で見る者の関心を惹き付けて放さない。ヒッチコック的な分類に従えば、「巻き込まれ型」の物語。前任者の死によってイギリス前首相の二人目のゴーストラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:52 PM

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