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September 8, 2018

『ビッグ・リーガー』ロバート・アルドリッチ
千浦僚

 アメリカ人とはなによりもまずベースボールプレーヤーなのか、と思わされたのはロバート・アルドリッチ監督作『ワイルド・アパッチ』(1972)を観たとき。  この映画では開巻にまず、十九世紀末頃の合衆国のインディアン居留区から不穏な気配のアパッチ族数人が夜陰に乗じて脱走する様が描かれ、続いてそれが明けた日中、アリゾナの騎兵隊砦の騎兵隊員たちが野球に興じている様が描かれた。ベテランらしい風格を漂わせつつ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:56 AM

September 7, 2018

PFF総合ディレクター 荒木啓子インタヴュー
三浦翔

映画監督のイメージを持つこと  ぴあフィルムフェスティバル(以下:PFF)は、"映画の新しい才能の発見と育成"をテーマにした映画祭である。今年40回目を迎えるPFFは、いわゆる自主映画と呼ばれる、商業映画の枠組みではなく自分たちの手で映画を作る監督たちの映画を上映する「PFFアワード」をメインプログラムとしており、合わせて様々な招待作品の上映とトークを企画し、映画祭全体が新たな映画作りを志す人の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:04 PM

August 30, 2018

『あみこ』山中瑶子
結城秀勇

 昨年のPFFの一次審査でこの作品を初めて見たときの感想をものすごくありていに言うなら、こんだけおもしろい映画なら、どうせもうどっかの映画祭で賞とってるとか、どっかのコミュニティ界隈ですげえ評判になってたりすんだろうな、だった。でも「あみこ 山中瑶子」でググってみて、わずかに出演者のツイッターとかが引っかかるくらいで、監督自身のSNSすら見つからなかったときにはマジか、と思った。こんなすげえおもし...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:29 PM

August 16, 2018

『ヒッチコック博士の恐ろしい秘密』リカルド・フレーダ
千浦僚

 一般的にはあまり品がないとされながらも、そのオペラ的とも言える過剰さで娯楽映画の歴史を豊かにしたのは、お尋ね者のようにふたつ名を持つイタリア人監督たちではなかったか。ボブ・ロバートソンであったセルジオ・レオーネ、偏在するアンソニー・M・ドーソンとしてのアントニオ・マルゲリティ、そしてロバート・ハンプトンことリカルド・フレーダ......。彼らはアメリカ人監督のふりをすることで自作を"立派な"?ア...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:33 AM

August 12, 2018

『ゾンからのメッセージ』鈴木卓爾(監督) 古澤健(脚本/プロデューサー)インタヴュー

境界線で映画を撮ること いまからおよそ20年前、謎の現象である「ゾン」によってあたり一面を囲まれてしまった夢問町。「ゾン」とは何か。単なる壁というわけではなさそうだ。「ゾン」の向こう側に行ってしまった人は帰って来ない。「ゾン」には近づくことさえ危険である。と、声高に語る者こそ限られているが、およそそこに住むあらゆる人にそのような考えは共有されていて、ここからの脱出(あるいは外への侵入)を試みよう...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:54 PM

August 3, 2018

『ものかたりのまえとあと』展 青柳菜摘/清原惟/三野新/村社祐太朗
三浦翔

 「ものかたりのまえとあと」というそのままコンセプトを言い表すタイトルからどうしても考えてしまうのは物語(story)ないし歴史(history)以後、つまり「歴史の終焉」という冷戦以後の世界について話題になった議論のことである。何故そんなことを思うのかというと、そこで議論された政治的な問題だけに焦点があるのではなく、むしろ冷戦体制以後にインターネットの民間利用が進み、並行してデジタルテクノロジー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:34 AM

July 29, 2018

『グレイ・ガーデンズ』アルバート&デヴィッド・メイズルス、エレン・ホド、マフィー・メイヤー
『グレイ・ガーデンズ ふたりのイディ』アルバート&デヴィッド・メイズルス、イアン・マーキウィッツ
隈元博樹

 青々と緑の生い茂る一軒家の居間をカメラが捉えると、ほどなくして2階の椅子にもたれた老母の姿がフレームに収まる。今にも爛れそうなセルライトを両腕に蓄えた肌身の彼女は、「ウィスカーズは穴の中だよ」と粗雑に空けられた壁穴を見やり、姿の見えない娘に猫のウィスカーズは穴の中に逃げ込んだのだと語りかける。母曰く、この穴は野生のアライグマによる仕業であるらしく、また娘曰く、不当な理由でこの古びた屋敷から追い出...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:00 AM

July 13, 2018

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』フアン・アントニオ・バヨナ
千浦僚

 スピルバーグの影から脱したほうが豊かになる映画文化圏も存在する。『ジュラシック・ワールド』(2015)を観たときに、もうこれはかなり「ジュラシック・パーク」シリーズ(93年の1作目、97年の二作目『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、01年の『ジュラシック・パークⅢ』)から離れた小気味よさだと感じた。まあ、そもそもジョー・ジョンストンが監督した『ジュラシック・パークⅢ』が、バックパック型...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:08 AM

July 3, 2018

『レット・ザ・サンシャイン・イン』クレール・ドゥニ
結城秀勇

 イザベル(ジュリエット・ビノシュ)は画家である。彼女の作品は恋人のひとりによって「世界最高の美を作り出している」とまでに評されるのだが、そうまで言われる彼女の仕事を、観客は十分に目にする機会に恵まれない。たった一度、彼女が巨大なキャンバスの上でなにかをおもむろに描き出すのを目にするだけ、またその前後でアトリエの片隅に置かれたおそらく彼女の作品なのであろう絵が画面の端に映り込むだけである。またイザ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:06 PM

May 29, 2018

『モリーズ・ゲーム』アーロン・ソーキン
結城秀勇

 FBIに踏み込まれる直前の、モリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)のホテルの部屋。カメラは入り口からモリーが横たわるベッドへと進むが、その途中に置かれた彼女の著書「モリーズ・ゲーム」の在庫のダンボールの山と、著者サイン会のパネルがやけに気にかかる。単に彼女の本があまり売れてない、というかむしろ売上はかなり残念な感じだ、ということを示すだけのトラベリングなのだろうが、これでいいのかと思ってしま...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:55 PM

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