journal

« January 15, 2004 | メイン | January 17, 2004 »

January 16, 2004

「1st Cut 2003」

[ cinema , cinema ]

今年も「1st Cut」の季節がやってきた。1月にはいって、すっかり寒くなった東京の冬のただ中で「1st Cut」が公開される。去年も確かそうだった。部屋を出るのが億劫になる季節に、渋谷駅を降りて白い息を吐きながらユーロスペースまでの坂道をのぼる。「1st Cut」はそんな記憶と結びついている。 「1st Cut」が冬の記憶をともなうのは、それが季節との関係抜きには見られないからだろう。画面には初...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:15 PM

『コール』ルイス・マンドーキ

[ cinema , cinema ]

父と母とその娘はまずそれぞれの場所で個室に監禁される。閉められた窓にはカーテンが掛けられその外を深い夜の闇が横たわり、二重のヴェールが個室空間を包み込む。その個室に偶然誰かが訪れても誘拐犯はしたり顔で追い返す準備ができている。その密閉されたかのような個室空間を打ち破ることになるのが、娘の咳である。彼女は喘息症なのである。 父と母が誘拐犯と携帯電話で交渉し、叫び声と怒声をどれだけ響かせて犯罪の完成と...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:13 PM

『ミスティック・リバー』クリント・イーストウッド

[ cinema , cinema ]

クリント・イーストウッドは旅をする。サン・フランシスコ市警でハリー・キャラハン刑事を演じたり、西部の開拓地で名もないプリーチャーを演じたり、スペインの地で早撃ちのガンマンを演じたり、アフリカで像撃ちを躊躇する映画監督を演じたりするために旅をする。だが、彼自身の聖なる身体をフィルムの表層に晒すことを選ばないとき、彼は、それほど大きくない場所に留まることを常にしている。ニューヨークの小さなジャズクラブ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:11 PM