チャンピオンズリーグ 準々決勝1st leg ACミラン対デポルティヴォ・ラコルーニャ
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まだ1st legでアウェイだとは言え1-4の敗北は、デポルにとって今年のチャンピオンズリーグが終わったに等しい。ベスト16での対ユヴェントス戦での快勝を見た者にとって、この敗北は悲しい。デポルのようなチームがミランに勝利を収めて溜飲を下げることは単に判官びいきではないと思う。ベルルスコーニ帝国は、セリエAを独走中だし、このチームのメンバーはおそらくレアルにも匹敵するだろう。シェフチェンコとピッポの2トップ、その下にセードルフ、ガットルーゾ、ピルロ、カカを並べるこのチームの攻撃力の大きさと創造性は疑う余地はない。だが、それでも、何とかこのアウェイ戦を引き分け、ホームでの勝負に持ち込んでほしいと願うのが、デポルの素晴らしいフットボールを見た者の感想なのだろう。
中盤でプレスをかけ、両サイドに展開し、バレロンのイマジネーション溢れるパスワークから点を奪うデポルのスタイルは美しい。だがミランの攻撃力を警戒するあまり、この夜のゲームでは4バックが下がりすぎていた。もちろんシェフチェンコとピッポというふたりのスピードスターで形成される2トップからゴールを守るには、ある程度のラインの深さが必要かもしれないが、ラインが下がれば、デポルのスピードのないバックラインは墓穴を掘ることになる。オフサイドをとれない。ボランチとの間があいて、セカンドボールがとれない。バックラインとボランチとの間があくと、中盤でのプレスも緩くなる。つまりボールが奪えず、バレロンによいボールが入らず、したがって両サイドへの展開も遅延する。ましてこの夜、右サイドのビクトルは出場停止だ。
それでも左サイドのルケからの折り返しをパンディアーニが決め先制する。だが、すでに前半からポゼッションでは圧倒的にミラン、2トップのシュートが決まらず、かろうじてリードを守っていたにすぎない。だがロスタイムにカカのシュートが決まり、同点で前半終了。デポルはここで力尽きた。後半開始から8分間に3点を決められてしまう。
ミランにこれといった戦術があったわけではない。右のカフー、左のパンカロからのクロス、ピルロ、セードルフのパス回し、ガットゥーゾのディフェンス。そしてなんといってもカカの個人技。ルイ・コスタをベンチに置いても、ネスタをけがで欠いても、まったく困らない人材がミランにはいる。結局、金持ちが勝つのか? 僕はルケ、ビクトル、バレロンの3人で構成する展開をもう一度見たい。ホームでの2nd legでモティヴェーションを切らさないことを祈るだけだ。そして、今晩行われるモナコ対レアルで奇跡が起こらないものか?