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March 26, 2004

チャンピオンズリーグ 1st leg (2) レアル・マドリー対モナコ

[ architecture , sports ]

アーセナルがチェルシーのプレッシングに苦労しているころ、モナコはレアルと対応に勝負していた。中盤とバックラインが見事な2ラインを形成し、その間隔を短くして、中盤でプレスをかけ、ロナウドは孤立し、スペースを欠いたジダンもフィーゴもむなしくボールをキープしていた。ベッカムとグティからのディアゴナルなロングパスが唯一のチャンス・メイクになるが、ロベルト・カルロスを欠いたレアルはボールをつなぐことができない。ゴール前の混戦からスキラッチがボールをレアル・ゴールに流し込んで 1-0で前半終了。ディディエ・デシャンは自らの思い描いた戦術が具体化したのを目の当たりにしたはずだ。
そして、アーセナル唯一の弱点であるGKのレーマンのミスからグジョンセンに決められ、やっとエンジンのかかったアーセナルがピレスのヘッドで同点に追いつく頃から、レアルの猛攻が開始される。まず混戦からエルゲラが決める。モナコのディフェンス・ラインが下がり始める。スペースが生まれる。フィーゴとジダンが水を得た魚のように動き始める。中盤とディフェンス・ラインの間のスペースを埋められないモナコは、もうギヴ・アップ状態。ジダンが、フィーゴが、ロナウドがゴールネットを揺らす。ロタン、ジュリが両サイドに大きく展開するモナコのフットボールが影を潜める。唯一の救いは、ロナウドが4点目をたたき出した直後に、モリエンテスが維持のヘッドを決め、2-4になったことか。
ロンドン・ダービーになったアーセナル対チェルシーは、1-1の引き分けに終わったが、スタンフォード・ブリッジであるだけに、アーセナルの準決勝進出が濃厚になった。ハイベリーでアーセナルは負けない。
昨日のデポルといい、今日のモナコといい、前半は優勢にゲームを進め、事実スコアでも勝っているのだが、結局、後半に力負けする。戦術よりも個人だという単純な事実を再確認すればよいだろうか。ベッカムとグティを徹底して消すことで、レアルの中盤は混乱し、ジダンとフィーゴを「宝の持ち腐れ」状態に持っていくのが、デシャンの作戦だったろうが、それには、絶対に下がらないディフェンス・ラインと中盤の厳しいチェックを90分間続ける以外にない。今日のモナコは、それが70分しか続かなかったということだ。だが来週はホーム。2-0で勝つチャンスはまだあるはずだ。

梅本洋一