A代表とU−23
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アジアカップを戦うA代表とアテネへの準備に忙しいU-23。最近は代表のでるゲームばかりだ。ユーロからずっといろいろな国の代表ばかり見ている。とりあえずA代表とU-23もこれだけのマッチメイクが行われれば、それぞれクラブチームの様相を呈してくる。A代表も、ずっと俊輔をトップ下にする3-5-2で戦い続けているし、U-23は、もっと準備期間が長く、18名のオリンピックメンバーも決定したから、どういうフットボールをするのかは、もうずっと以前に見えているので、今は、応用問題とバックアップ・メンバーを試す時間になっているようだ。
A代表は、俊輔のフリーキックを主なる得点源にし、久保の怪我の後、鈴木隆行に当てて、両サイドに散らすのが基本的なやり方だ。安心するとジーコは4バックを思い出したように試すが、ひとり人数の減ったセンターバックはいつもおたおたしている。アレックスや加地が両サイドを疾走する姿はほとんどお目にかかれない。ポゼッションを基本にしている限り、スピード溢れるアタックは期待できないし、俊輔のプレイスタイルでは、速攻はない。どこまでいっても個人技を基本に据えている。幸いアジアカップでは勝ち続けている。ポゼッションと個人技を基本にすれば、リスキーなアタックは避けたいに決まっている。ここにも、アタックの遅延される原因がある。バックラインがある程度自信を持っているようなので、大崩れしないが、個人能力にそう差がない場合、拮抗したゲームが増えるのも当然だ。戦術や選手交代によって勝ちを拾っていくチームではない。
それに対して、U-23には戦術も交代のタイミングも不可欠だ。どの親善マッチを見ても1対1で勝てていない。中盤での骨惜しみをしないプレッシングがなければたちまち3流チームに逆戻りだ。山本昌邦がおそらく理想にしている3-4-3がなかなか功を奏することがない。A 代表よりはシステマティックなU-23だが、3-4-3をこれからも追求するのなら、もっとフィジカルの強いセンターFW(つまり平山君では弱い)と、臨機応変にリズムを変えられる中盤の選手が一枚欲しい(つまり伸二のことだ)。点が取れないのは、アタックのリズムがいつも一定で、ディフェンスが併せやすくなっているからだ。ここでもまた伸二の必要性がクロースアップされるが、もしも山本昌邦が「伸二待望論」を周囲から培うために、こうしたゲームメイクをしているのだとすれば、山本昌邦はすごいと思う(たぶん、そのつもりはないだろうな)。誰の目で見ても、このチームに決定的にかけている一枚は、伸二だ。