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November 27, 2004

チャンピオンズ・リーグ
PSVアイントホーヘン対アーセナル

[ music , sports ]

アーセナルの不調はこれがどん底なのだろうか。アウェイのこのゲーム、開始早々にコーナーからドンピシャのヘッドを決められ後手に回る。ようやく前半にアンリーリュングベリーアンリとヒールパスが繋がりアーセナルらしい得点で同点に追いついたが、後半になるとまずローレン、そしてヴィーラと2名目のイエローで次々に退場。やっと引き分けた。
多くの論者が言うように対マンU戦を0-2で失ってからまったく元気がない。トッテナムに5-4で勝っただけで後はすべて引き分け。勝ちを奪うことなどできず、やっと負けないだけのゲームに終始している。このゲームでも、ポゼッションはするが、ボールが前に運ばれるのがとても遅い。トゥーレ、キャンベル(ようやく復帰)でボールがキープされ、セスク、ヴィーラに供給されてからがひどく遅いのだ。調子の良いときなら、ここはワンタッチかトゥータッチで両サイドにボールが動くが、セスクにはかならずルックアップが入る。なぜか。セスクが正確さを心がけていることもあるだろうが、両サイドとアンリ、レジェスの動き出しが、ほんの少しだけ遅いことが原因だろう。その遅さで相手ディフェンスがマークを確認できる。パスが出ても、そこではスペースがなく1対1の勝負になり、つまり、ヴァイタル・エリアに入るのにもっと時間がかかることになる。これでは、アーセナルの長所は生かせない。並のチームになってしまう。
どうすればいいのか。アーセナルを取り上げると毎回「どうしたらいいのか」と書いてしまうのは本意ではないが、仕方がない。「どうしたらよいのか」。いくつか方法はあるだろうが、僕がベンゲルなら、我慢だ、というしかないだろう。ほぼ同じ面子で戦うこのチームのことだ。何らかの変化を導入してチームにカンフル剤を打つよりは、我慢した方がいいのではないか。ヴァイオリズムが悪いのだ、とあきらめ、いつもの練習をし、いつものフォーメーションでゲームをする。調子が出てくるのを待つしかない。ショートパスが数本つながり、アンリ、レジェスでシュートする。こぼれ球をピレス、リュングベリの両サイドが狙う。たとえば疲れの見えるレジェスをファン・ペルシに代えても、レジェスの今シーズン当初の絶好調ぶりを思い出せば、調子も戻ってくるだろうと楽観するしかない。ただし問題は次節だ。ローレンとヴィーラが出場停止。エドゥーの怪我はどうか? ジウベルトはどうか? とりあえず出られるメンバーで戦うしかない。フォーメーションはいつも通り。戦術もいつも通り。そして勝つ、綺麗に勝つ。それが何よりのカンフル剤だろう。

梅本洋一