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August 29, 2004
『Baby Blue』メアリー・ルー・ロード
1日8時間の路上演奏を日課とするらしいメアリー・ルー・ロードは、その活動の形態やカレッジ・ラジオでのDJ経験があるという経歴からか、他人の曲をカヴァーを非常に積極的に行なう。彼女のファンサイトには100曲以上のカヴァーのレパートリーがずらっと載っている。メジャー・デビュー・アルバムである『got no shadow』から6年ぶりとなるこのセカンド・フルアルバムの表題曲もバッドフィンガーのカヴァーだ...
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投稿者 nobodymag : 6:41 AM
『丹下左膳餘話 百萬両の壷』山中貞雄
江戸は広いから、という言葉が何度も呟かれるが、実際に映される江戸の街はあまりにも狭く、百萬両の壷を探して人々は同じ場所をぐるぐると回ってばかりいる。そしてその狭さゆえに、人々は部屋の中にへばりつき簡単には動き出さない。床にどさりと寝転んだ丹下左膳が腰を挙げると、その動きは売って変わって俊敏で美しい。映画は彼の俊敏さと不動の姿勢とを繰り返すことで成り立っている。それは彼の引きつったような口元が開かれ...
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投稿者 nobodymag : 6:37 AM
August 28, 2004
『ラスト・ダイビング』ジョアン・セザール・モンテイロ
海を覗き込みながら2時間以上も佇んでいたらしい青年に、それをずっと見ていたらしい中年の男が話し掛ける所からこの映画は始まる。それからの2日間男たちはひたすら飯を食い、酒を飲み、踊り、女と寝る。 中年の男の娘であるエスペランサ(ファビアンヌ・バーブ)は口がきけない。彼女と青年が初めて共に過ごす夜、彼らは何かを見てふざけあうが何を見ているのかは定かではない。彼らのやり取りは無音の空間に留められていて、...
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投稿者 nobodymag : 6:35 AM
August 26, 2004
オリンピック サッカー準決勝 アルゼンチン対イタリア
見事なフットボールでアルゼンチンの完勝。3-0という点差は、単にイタリア・オリンピック代表とアルゼンチン・オリンピック代表のチーム力の差ばかりではなく、それぞれのチームが実践するフットボールの質の差でもある。 4-4-1-1というイタリアの布陣に対し、3-4-3あるいは3-5-2のアルゼンチン。ユーロの失敗に懲りず、この期に及んでまでカテナチオの伝統を凡庸に実行するイタリア。フラットの4人のバック...
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投稿者 nobodymag : 6:33 AM
August 23, 2004
『夢の船旅 父中上健次と熊野』中上紀
暇があれば旅をする。彼女はとにかく旅が好きだ。そんなに好きなら、旅の出来事を小説のネタにすればいいのに、と思う。旅の数だけ小説が書ければどんなに楽か。けれど、6月に出版された『いつか物語になるまで』(晶文社)を見ると、簡単にできそうでこれが実に難しいのだという。旅の出来事は“私”の目の前で勝手に展開されるだけで、“私”が介入しなくてもいいようなことばかりだからだ。“私”が参加しない物語はない、と彼...
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投稿者 nobodymag : 6:29 AM
August 22, 2004
『誰も知らない』是枝裕和
団地の一室。扉からではなく、ベランダに出る窓からでもなく、トランクという第3の入り口を使って兄妹が勢ぞろいする。引越しで始まる『誰も知らない』は、引越しの準備をし続けるフィルムだ。冒頭2カット目から、執拗にカメラは手を追いかける。兄妹たちはその手で対象の質感と大きさとを感じ、それに従って仕分けする。台所のテーブルの一角には小銭が集められ、流しには洗い物が、寝室には子供たちがもののように横たわってい...
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投稿者 nobodymag : 6:24 AM
August 21, 2004
日本代表対アルゼンチン代表
プレミアリーグの04−05シーズンが始まり、チャンピオンズリーグの予備予選がすでに展開されているというのに、ベストメンバーからほど遠いアルゼンチンと日本の親善試合をわざわざ見るのは、他でもないリケルメの今を確認したいがためである。ただもちろん、アジアカップを手にした日本が、「二軍」とはいえ南米の強豪といかにわたり合えるかに注目していたのも事実だ。それは九月にワールドカップ一次予選対インドを控えてい...
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投稿者 nobodymag : 6:23 AM
August 18, 2004
フットボール オリンピック日本代表の敗北
4-3、3-2──対パラグアイ、対イタリア戦のスコアだ。初戦のパラグアイ戦の2得点はPKでそのうち1点は、{もらった}PK。つまり、パラグアイからは2点、イタリアからも2点とったことになる。セットプレーからの得点がほとんど。だが、とりあえず強い2チームから2点ずつとっている。つまり勝つなら、2-1で勝つしかない。失点を1点以内で抑えなければ勝機はなかった。 パラグアイ戦では、那須のクリアミスと左サ...
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投稿者 nobodymag : 6:21 AM
August 16, 2004
アテネオリンピック バレーボール 女子1次リーグ ブラジル対日本
強豪ブラジルに日本はストレートで負けた。ブラジルは金メダル候補でもあり、誰もがしょうがない敗北だと思うかもしれない。しかし、20年ぶりのメダルを狙う日本にとって、この敗北を次に生かさなくてはいけない。 日本はブラジルに対しまったく自分たちのプレーをさせてもらえなかったが、それは基本的なプレーができていなかったということだ。チームのほとんどの選手がはじめてのオリンピックで浮き足立っていたのは事実だと...
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投稿者 nobodymag : 6:19 AM
『68年の女を探して−−私説・日本映画の60年代』阿部嘉昭
阿部嘉昭は何かに囚われている。彼の文章を読んでいると、そう思う。おそらく彼自身もそのことに自覚的だろう。彼はそれから必死に逃げようともがいているように見える。本書は、『精解サブカルチャー講義』『実践サブカルチャー講義』と同じように、立教大学で行われた彼の講義の草稿である。60年代から70年代の日本映画を扱ったこの講義において、彼自身の言葉を借りれば、阿部嘉昭はすが秀美の『革命的な、あまりに革命的...
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投稿者 nobodymag : 6:16 AM
『堕天使のパスポート』スティーブン・フリアーズ
亡命者や不法入国者、違法者たちが集まるロンドンの街で、事件は起こる。ロンドンと言われてもいまいちピンとこないのは、彼らがいる場所がいつも室内だからだ。ホテルの中やアパートの中にしか違法者たちの居場所はないし、車を走らせても外の景色は何も見えない。彼らが働くホテルの一室では、不法滞在者たちを相手にした臓器売買ビジネスが行われている。腎臓を摘出された人々は、その報酬として偽のパスポートを手に入れどこに...
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投稿者 nobodymag : 6:09 AM
August 12, 2004
2004トライネイションズ ワラビーズ対オールブラックス
3カ国がひとあたりし、ホームとアウェイが入れ替わる2周目の第一戦。初戦を7-16で敗れたワラビーズがどう立て直すか? オールブラックスのグラアム・ヘンリーの戦術は、その成熟度が上がっているのか? このゲームへの興味は尽きないものがあった。 結果は、23-18でワラビーズのリヴェンジ。興味深いのはその内容だ。グラアム・ヘンリーの戦術の主なるものはふたつ。ひとつは徹底したFW勝負。スペンサーのフレアに...
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投稿者 nobodymag : 6:08 AM
August 11, 2004
アジアカップ決勝 日本対中国
3-1というスコアはそのまま両チームの差だと考えていいと思う。中国のフットボールを見ていると、監督が誰であろうと、かなりシステマティックでパワープレー中心に落ち着いてしまうようだ。フラットな4人のディフェンス、ボランチを挟んで3人の攻撃的MF、そして2トップ。応用力のあるチームではない。言われたことは忠実に実行できるかもしれないが、展開によって臨機応変に対応する力はまだ備わっていないようだ。フラッ...
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投稿者 nobodymag : 6:06 AM
August 9, 2004
『スパイダ−マン2』サム・ライミ
その男は才能だけで勝負をする男だ。ずば抜けた頭脳によってピーター・パーカーは認められ、身体的な能力によってスパイダーマンは認められる。その才能を活用する方法を、彼はまだ極めていない。手首から生える蜘蛛の糸や人間離れした跳躍力だって、もっと多様な使い道のありそうなのに、とにかく素早く街を疾走することだけが彼の得意技となっている。いつの時代も、天才は努力家よりも受けがいい。才能ゆえに彼は周りの大人たち...
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投稿者 nobodymag : 6:04 AM
August 8, 2004
『グラスホッパー』伊坂幸太郎
幻想と現実との境目が消えていく。小説でも、映画でもよくある話だし、特に目新しい材料も見つからない。どうせ現実の中の幻想が侵食し始め、最後にはすべてが幻想だったというオチがつくのだろうと思っていると、どうも様子が違っている。話の随所で思わせぶりな展開を見せられ苛つきもするが、どこか潔い。 鯨という“自殺屋”には、自分が自殺させた者たちの亡霊が見えるらしい。気になるのは、亡霊の姿が現れるとき、生きてい...
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投稿者 nobodymag : 6:00 AM
August 5, 2004
「VISION QUEST vol.1 フレーム・サイズを考える」
入場の際に配付された資料には、「スタンダード・サイズ=人間、ヨーロピアン・ヴィスタ=クレジット・カード、アメリカン・ヴィスタ=ドル、シネマ・スコープ=埋葬(棺桶)」というジャン=リュック・ゴダールによるフレームサイズの対比が記されていた。それを受けての、通貨の表象のような登場人物がいかにして人間として立ち上がるかを『月の砂漠』が描いているという安井豊の発言は、まさに納得だった。はじめに私達が目にす...
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投稿者 nobodymag : 5:58 AM
アジアカップ準決勝 日本対バーレーン
このゲームも延長戦に入り、玉田のシュートで逃げ切り、PK戦を免れた。中国で行われているアジアカップでは主審のゲームメイクが悪い。遠藤の一発レッドも然り。笛を吹きすぎる。自らの存在感を誇示したいのはこのカップ戦の開催国だけですでに辟易している。スポーツと政治はちがうなどとウブなことは言わない。スポーツだって政治だ。だが、この開催地の観客を見ていると、ボーダレスな情報社会の進展から、この開催地が取り残...
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投稿者 nobodymag : 5:56 AM
August 3, 2004
『CODE46』マイケル・ウィンターボトム
舞台は近未来。上海に派遣された中年のスパイがそこでひとりの女と出会う。「CODE46」と呼ばれる法規に管理された世界ではふたりの間に芽生える感情は禁じられたものである。そんなプロットから『アルファヴィル』の系譜を考えたのかと想像していたが、見てみれば『ロスト・イン・トランスレーション』の気分なのだとわかる。 上海の雑多な町並みを通り、まるで無菌の無国籍な建物の中に入る。世界設定の時点で、ここには内...
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投稿者 nobodymag : 5:55 AM
August 1, 2004
アジアカップ 日本対ヨルダン
ベスト4が一応のノルマとされていたアジアカップ。ベスト8からベスト4への道が準々決勝と呼ばれる対戦であり、カップ戦の場合、この準々決勝が一番面白いと言われている。ここまでのゲームはリーグ戦であり、リーグ戦であるからには、引き分けても良いし、負けもまた場合によっては許容されることさえある。だが、準々決勝からは、引き分けは存在せず──つまりPK戦──、負けはそのチームにピリオドが打たれることを意味する...
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投稿者 nobodymag : 5:54 AM
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