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March 18, 2005

『ハワード・ヒューズ』ジョン・キーツ
渡辺進也

[ book , sports ]

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このノンフィクションは70年代にすでに邦訳されていたが近ごろ文庫化された。今月末に公開される映画『アビエーター』に合わせての出版なのだろう。だが、たとえ映画のことがなかったとしてもハワード・ヒューズ自体がとても興味深い人物であり、その関心は人々の間で長く共有され続けるのだと思う。実際、彼についての本、彼についての映画はこれまでいくつも存在している。この本に書かれているのは、もちろんハワード・ヒュ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:50 AM

『カナリア』塩田明彦
田中竜輔

[ cinema , cinema ]

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ひとりの少年が児童相談所を脱走した。その経緯は文字と朗読によって説明される。その少年の第一の名は「光一」であり、映画のファーストショットは彼が上空を掻き乱すヘリコプターを見上げている様子に与えられる。それまでの一切の説明は彼に与えられたものであることも判明するだろう。彼はそこから当然のように出発する。その場所から程遠くない場所にある廃校に潜り込むと、そこには彼の武器となる1本のドライバーと、歩みを...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:52 AM

『アジア最終予選』大住良之
梅本洋一

[ book , music ]

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かつて「サッカーマガジン」の編集長を務めたこの著者の書物を本欄でも1冊紹介したことがある。また「日経新聞」のWeb版での大住のコラムも毎回楽しみに講読している。来週の対イラン戦を控えてタイムリーな1冊が出版された。だが、この書物は、今回のアジア予選の展望ではない。ドーハ、ジョホールバルと、アジア予選でもなければ絶対にどこにあるか分からないだろう地名をクライマックスに、93年、97年の代表を追い、そ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:44 AM

『LEFT ALONE』井土紀州
中村修吾

[ cinema , cinema ]

『LEFT ALONE』を見ながら、わたしはヴィム・ヴェンダースの『まわり道』を思い出していた。『まわり道』は前作『都会のアリス』に続いてリュディガー・フォグラーを起用して撮られた、ヴェンダースの長編第4作だ。ゲーテの教養小説『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』を翻案して脚本を書いたペーター・ハントケは次のように述べている。「主人公は、彼(ヴィルヘルム)ではなく、他の人たちです」。ハントケの発言...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:26 AM