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April 7, 2005

Champions League quarter-final 1st leg チェルシー対バイエルン・ミュンヘン 4-2
梅本洋一

[ book , sports ]

前半は両チームとのプレスの掛け合いで中盤で優位を取れない。バイエルン、チェルシーともこの戦い方でここまで勝ち上がってきたわけで、チェルシーもモウリーニョ不在であってもこの戦い方を変えることはない。両チームともフォーメーションは4-5-1。だがポゼッションは次第にチェルシーが上回るようになる。マケレレ、ランパードのセンターミッドフィールダーふたりの力が、バイエルンをずっと上回り、バイエルンは、頼みのバラックにボールが入らない。ゲレーロひとりでは、テリー、リカルド=カルヴァーリョの堅陣を崩すことは不可能だ。必然的にバイエルンのアタックは、左サイドのゼ=ロベルト中心になり、チェルシーの右サイド、グレン・ジョンソン──チェルシーのバックラインは、ここが狙い目──とマッチアップになるが、ゼ=ロベルトが優勢になると、ジョー・コールとふたりでゼ=ロベルトを押さえにかかった。均衡を破ったのはそのジョー・コールだ。
プレスの掛け合いに終始する前半だったが、バイエルンはバラックにまったくボールが入らなかった。マッカーイなどアタッカーを怪我で欠くバイエルンは、後半、中盤を厚くしてチェルシーに真っ向勝負を挑む。シュヴァインシュタイガーを右サイドに置き、左ゼ=ロベルト、中央にバラックと並べ、チェルシーとまったく同じ布陣にする。後半開始早々バラックにボールが集まり、シュヴァインシュタイガーのシュートが決まり、同点。だが、それが逆にチェルシーのモティヴェーションを上げてしまった。もしチェルシーが1-0で勝ち、アウェイで1-2で敗れてもチェルシーが準決勝に残ることになる。ホームで1-1ではアウェイで大きなハンディを負うことになるからだ。マケレレ、ランパードから長いパスが前線のドグロバに送られ始める。前半は、ほとんど消えていたドグロバがルシオ、ロベルト・コヴァチの遅い動きを翻弄し始めると、ジョー・コール、ダフの両サイド、中央のグジョンセン=ランパードが一気にラッシュをかけ、スペースのできた中央からランパードが2発たたき込み、勝負は決まった。それからドグロバが決め、ロスタイムにバイエルンにPKが与えられ(これは、バラックのタイヴだ!)てもチェルシーの優位は動かない。どの局面においてもチェルシーが勝っていた。
ミュンヘン・ホームで2-0以上で勝たなければ次のないバイエルン。アウェイで1点でもゴールすれば、チェルシーのものだろう。2点のアドヴァンテージは大きい。アウェイでのチェルシーは、おそらく守ってカウンターというパターン。バイエルンがセミファイナルに残る可能性は限りなく低い。