コンフェデレーションカップ 日本対ギリシア 1-0梅本洋一
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それにしても今日のギリシアはいったい何だ? 昨年の同時期にユーロを制した同じチームとは思えない。選手にあまり変動はないので、オットー・レーハーゲルがやる気をなくしたのか、選手がやる気をなくしたのか。その辺のところは判らない。暑さ? 去年のポルトガルも暑かった。日程? 去年も同じはずだ。対ブラジル戦完敗? それはあるかもしれない。だが、アドリアーノ、ロビーニョの個人技にやられたわけでチーム全体が崩れたしまったわけではない。その証拠に、ブラジルは、良く整備され戦術的な統一が図られたメキシコに敗れている。
このゲーム、がら空きの中盤はまるでヴァケーションのようだ。バックラインからパスを受けたヒデが、福西が簡単に前を向く。彼らからパスが出ると、加治は嬉々として右のラインを疾駆する。必ずシュートで終われる。長身を集めたギリシアFWへロングボールが供給されても、宮本と田中が簡単に体を寄せて跳ね返す。ギリシアFWはまるで木偶の坊だ。この日、採用された4バックで何の心配もない。強いて言えば、もう3メートルほどラインを前にとると、川口がキャッチするのがもっと楽になったろう。ギリシアは、フランスの中盤を寸断し、ポルトガルの華麗さを消した昨年のチームからおよそ50%は能力が落ちている。日本の健闘よりもギリシアの不甲斐なさの原因が知りたい、そんなゲームだ。
日本の弱点は、俊輔とアレックスで構成する左サイドだが、ギリシアはアレックスの後ろをつこうとしないばかりか、両サイドのアタックなどほとんどなく、心配されたアレックスのディフェンスもボロを見せない。日本代表の選手たちもスペースさえあればこの程度のことは十分にできる。問題は、前半、柳沢と玉田が外しまくったこと。どんな場合であっても2-0程度で前半を終えるべきだった。ジーコになってから、インドのようによほどの格下でなければ、大量点を奪えない。後半の20分に大黒を投入し、やっと1点取り、逃げ切った。
それでもジーコの選手交代には疑問が残る。まず玉田と大黒の交代をもう10分早くすべきだ。大黒の最近の好調さをもっと活用すべきだ。そして小笠原から遠藤への交代は、ヒデを前に出すためとばかり思ったが、そのまま右サイドに遠藤が入ったのには驚いた。バテバテのギリシアを徹底的にアタックするためには、ヒデを2列目に上げる方が効果的だったろう。でも結果オーライ。少なくとも言えることは、誰を出してもスペースさえあれば勝てるという単純な事実だ。
さてブラジル戦。ボックス型の中盤で、ガチンコ勝負に出るのか? 3-5-2あるいは3-6-1にして、リスクマネジメントを先行させるのか? それこそ去年のユーロのギリシアのように、相手の中盤を徹底して潰すしか勝ち目はない。僕のシステムと先発を書いておこう。単に遊びだけど……。
川口、加治、田中、宮本、三浦、稲本、福西、中田浩二、俊輔、ヒデ、大黒。4-3-2-1。加治と三浦に期待。そんなことジーコがするはずないけどね。