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September 2, 2005

ナビスコカップ準決勝第1戦 浦和レッズvsジェフ千葉
渡辺進也

[ cinema , sports ]

 ホーム&アウェイで行われるナビスコカップ準決勝の第1戦。2戦終わった段階で得点の多いほうが決勝進出となる。まずは浦和のホームで。駒場スタジアムは浦和のサポーターで真っ赤に染まる。実際に観客の9割以上が浦和のサポーターだったのではないだろうか。試合開始前から浦和の応援の声しか聞こえない。浦和の応援が続いているなか、始まった試合はいとも簡単に先制点が決まる。千葉の最初のチャンス、左サイドで得たFKを巻が体で押し込んでゴール。浦和の選手はハンドだと抗議するが判定は覆らない。浦和にとっては不運な得点であったかもしれない。後から考えてみればこのゴールが試合の流れを決定付け、そしてこの後90分近くの千葉の戦い方を明らかにしているのではないか。試合全体を通してボールポゼッションもシュートの数(浦和の16本に対し千葉の4本)も、そしてもしかしたら観客を沸かせるプレーの数も浦和の方が上回っていた。しかし、結果は1-3で千葉の勝ちであり、内容的にもそれは完勝といってもいいかもしれない。つまり終始千葉の流れで試合が行われていたということだ。
開始直後のゴールの後、レッズがボールをまわす時間が長くなる。プレーの行われているエリアもほぼ千葉のゴール近くが続く。何本もサイドからクロスが上がり、何本もペナルティーエリア外からミドルシュートがうたれる。しかし、得点の入る気配はない。守備に回った千葉はゴール前の人数も足りていれば、浦和の選手ひとりひとりのマークもはずさない。そして、隙あらばとインターセプトを狙っている。そうこうするうちに前半17分あっさりと千葉のカウンターが決まる。左サイドをワンツーで抜け出した坂本のクロスを巻が頭で決めて0-2。おそらくこれが千葉の2本目のシュートだったのではないか。そして、浦和の得点が決まったのは前半終了間際、千葉のゴール前クリアボールの跳ね返りを長谷部、ポンテと頭でつないでゴール。1-2。ここで前半終了。
浦和は後半開始から、前半終了間際に途中出場の田中達也が積極的にドリブルでしかける。切り返してシュート、そして右サイドを突破。千葉のDFはファールでしかとめられない。怪我が心配されていたが田中はきれきれだった。だが浦和はチャンスを作るが得点は入らない。そしてまた千葉のカウンターが決まる。中盤から左サイドに出たパスに坂本が抜け出し、中央でフリーの佐藤にパス、さらに佐藤がその外側逆サイドから上がってきたポペスクにラストパス。ポペスクはゴール左隅に流し込んだ。1-3。この後も展開はほぼ同じ。浦和は一方的に攻めるが攻撃のスピードが上がらず、ゴール前に人数を集めてカウンター狙いの千葉から得点できない。後半終了間際、右サイドを抜けた田中からのクロスを中央でフリーだった長谷部がボレーシュートをうつもGKの正面だった。終盤千葉は前線の選手を入れ替え前線からプレスをしかける。最後までディフェンスの集中が途切れなかった。
千葉のほうが個人の能力で優れていたとは思わない。ひとつのプレーに対し常に複数の人数でプレーし続けていたという方が正しいだろう。サイドを突破するときも個人ではなくコンビネーションを用い、カウンターに少なくとも5人は参加する。そして、フィールドプレイヤー誰もが攻守両方のプレーを意識する。相手にボールを持たせてカウンターという形であったがこの試合ほぼ千葉の思惑通りに試合が続いたのではないか。
第二戦は10月5日に市原で行われる。もしそこを突破できたとすれば浦和は3年連続の決勝進出となる。そして千葉は初めてのタイトルに王手をかけることになる。