日本対ホンジュラス 5-4梅本洋一
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相変わらずアレックスのサイドが突破される。コンフェデのブラジル戦と同じように加地が遅れてしまう。そしてヒデまでも凡ミスで失点。高原の久しぶりのゴールが決まっても前半で1-3。この夜、日本海を通過しつつあった台風のように大荒れのゲーム。覚えているだけでアレックスのサイドは3回も突破されている。伸二は怪我だが、前の6人を欧州組で固めた日本代表は、このチームが結成された当時の黄金の中盤。伸二の代わりに中田浩二が入っただけ。ヴォランチとディフェンスラインの間が空きすぎ、そこに何度も侵入を許してしまう。後半開始早々に俊輔のFKを柳沢が決め(この日、柳沢はいつもの彼ではなく、めずらしく積極的だった)、最終的には、俊輔のPK、柳沢のミドル、小笠原のシュートで逆転勝利。後半の20分過ぎからホンジュラスの運動量が目に見えて落ちていってから一気に攻めた結果だろう。
相手がどんなチームであれ、5点とれば、アタックは合格。問題は何よりも4失点だ。ヒデの凡ミスはコーチングすれば十分に防げたろう。重要課題は、アレックスのディフェンス。このくらいにデジャヴュが続くと、「情実人事」などと書いても仕方あるまい。村井? No。中盤にこれだけ人がひしめいている代表のことだ。中田浩二を左サイドで使ったらどうだろう。チェルシーのギャラスのように。それに中盤にさえボールが収まれば、ポンポンとどこにでもパスが出るのだから──その意味で俊輔は成長した!──、バックラインはそれほど積極的にならなくてもいいのではないだろうか。中田浩二を左サイドで使えれば、福西や伸二も同時にピッチに立てる。いくら何でもアレックスと心中はない。後半、小笠原が入り(稲本の代わり)、ヒデがヴォランチに下がると、ゲームが落ち着き始めた。ヒデが左サイドをケアし始めたからだ。そして何よりも、ディフェンスラインは下がらない覚悟を決めることだ。宮本のラインコントロールは、2002年の反省からか、ラインを下げすぎる。
だが、しかし、まだまだ人材はいる。ルマンの松井大輔、そしてマジョルカの大久保嘉人。松井は1対1にもずいぶん強くなったし、彼の創造力は魅力だ。対ウクライナ戦が楽しみだ。シェフチェンコにどうやって対抗するのだろう。