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September 25, 2005

ウェストハム対アーセナル 0-0
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 中田英寿はまだまだボルトンに馴染んでいないようだ。バックラインから前線に長いパスが出る展開が多いボルトン、トップに当たっても両サイドに散らされ、ヒデはなかなか仕事ができない。でもCKもFKも任されていたし、技術的には何の問題もない。センターにどっしりと構えるよりも、オコチャが右ならヒデは左というようにタッチライン際にひらけばもっとボールが来るだろう(ボルトン対ポーツマスは1-0)。
 でも今期好調のボルトンはいいとしても、やはり、問題はアーセナルだ。これだけパスが繋がらないと、ヴィーラの穴は埋められないと言われてしまう。アンリ、ピレス、ベルカンプが故障。キャンベルが戻っているが、ベストメンバーをしばらく組めそうもない。この日の中盤は左からフレブ、ジウベルト、セスク、リュングベリ、そしてトップにレジェスとファン・ペルシ。上記のメンバーを欠いたらこれがベストだ。だが、ウェストハムの中盤からの誠実なプレスに一時ポゼッションで30%。これではアーセナルのフットボールは不可能だ。4バックの頑張りとウェストハムのシュートミスでなんとかスコアレスドローに持ち込んだ。しかし、チャンピオンズリーグとプレミアの日程がタイトになるこれから──今週はアウェイの対アヤックス戦がミッドウィークに待っている──どうなるのだろう。先日のリヴァプール対マンUの堂々としたスコアレスドローとこのゲームは大違いだ。
 このゲームの収穫はクィンシー・オウス=アビイエがトップチームで十分使える目算が立ったことだけだ。U-21世界選手権で日本の右サイドを置き去りにした実力はやはりダテではない。でも彼は自らの突破に酔っているのか、クロスやシュートのタイミングがひとつ遅い。ひとり抜いたらシュートだ。「サッカー批評」誌で田島幸三が、日本の育成システムについて、オウス=アビイエほどの選手がひとりでも見つかればいい、と語っていたが、今日のアーセナルを見る限り、彼は通用するが、彼ひとりではどうしようもないということだ。ヴェンゲルはハイバリー最後の今年に賭けると言っているが、今のままではプレミアシップはもとより(チェルシー強すぎ)、チャンピオンズリーグの一次リーグも突破できるかどうかとてもあやしい。
 どうすればいいのか? とりあえずセスク、ジウベルト、フラミニが頑張るしかない。中盤でプレッシャーに遭っても、それをすり抜けてパスをつなぐフットボールができなければ今年のアーセナルに未来はない。