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December 21, 2005

アーセナル対チェルシー 0-2
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 アーセナルのプレミアシップは終わった。それも完全に、しかもチェルシーに完膚無きまでに叩きのめされた。ファンクラブに入っているぼくのところにもヴェンゲルから手紙が来た。重要な1戦だ。頑張ると書いてあった。だが、ゲームを見てみると、プレミアシップの無敗記録を作ったアーセナルの流麗かつ完全なフットボールはもう存在していなかった。残念だが、この現実を受け入れることからしか新たな出発はない。
 もちろん言い訳はいくらでもある。アシュリー・コールの怪我、レジェスの怪我、ジウベルトの出場停止、コールのバックアップのクリッシーの怪我……。でも怪我や出場停止はリーグ戦につきもの。単なる言い訳だ。中盤を支配され、アンリにボールが渡らず、ファンペルシのゴールもオフサイドをとられる。悪循環とはこのことだろう。もともとアタッキングフットボールを指向していたから、中盤を支配され、ディフェンスに回ると苦戦するチームではあった。しかしセンターバックのセンデロスがドログバにおちょくられ、キャンベルも衰えばかりが目立ち、セスクはランパードに完封され、マケレレにボールを拾いまくられては勝機はない。
 処方箋はないのか? とりあえずこのゲームを見る限り、処方箋はない。つまり、根本的にメンバーとフットボールについての思想を一変しなければ、処方箋は見つからない。テリー、リカルド=カルバーリョの両センターバックとセンデロス、キャンベルを比べてしまう。そして、アーセナルにはマケレレがいない。ドログバとアンリを比べればアンリだろうが、アンリへのパサーがいない。後半にベルカンプが出場したときは、もう末期ガン症状。手持ちの選手を代えるだけでは何の処方箋にもならないことを示してしまった。
 前に書いたようにもうプレミアシップを捨てることだ。プレミアでは若手を鍛え、ヴェテランに時間を与えて、チャンピオンズリーグに備える。コールが復帰すれば、ピレス、コールの左、リュングベリ、ラウレンの右という常数が現れる。そしてセスク、フラミニにはもう一段のステップアップが急務だ。何よりも移籍市場でマケレレのような球拾いを見つけることだ。セスクにはハードなディフェンスは無理だ。ジウベルト、セスクのヴォランチコンビにバックアップを! そしてトゥレ、キャンベルのセンターの復帰。時間のかかる若手の登用もよいが、1ヶ月後には対レアル戦。それに勝つためには全盛時の自らを取り戻すしか処方箋がない。