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『Saraband』イングマール・ベルイマン
衣笠真二郎

[ cinema , cinema ]

教授職から引退しいまは人生の余暇を楽しんでいるひとりの老人のもとに、30年も前に別れた妻が突然姿をあらわす。ふたりは大袈裟に驚くこともなく自然に互いを受けいれあい、連絡を取ることもなかった30年間がまるで一瞬の夢であったかのように、愛にあふれる情熱的な言葉をかわしはじめる。とめどなく流れていくその対話を妨げるものは何もなく、ただ時計の針の音がゆったりと時を刻むだけである。 全部で10のパートをつく...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:27 AM

March 15, 2005

『ビヨンドtheシー〜夢見るように歌えば〜』ケヴィン・スペイシー
月永理絵

[ cinema ]

作曲家コール・ポーターの生涯を描いた『五線譜のラブレター』を見た後はコール・ポーターの歌を聞きたくなったが、同じく伝記的な映画である『ビヨンドtheシー』を見ると、ボビー・ダーリンの歌ではなく人生について知りたくなった。ではそれほどこの映画が魅力的だったかと聞かれると答えに困る。私がボビー・ダーリンの人生に興味を持ったのは、この映画が興味を惹くものを提示してくれたというよりも、ここで示されていたも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:22 AM

ラグビー:6 Nations 2005 アイルランド対フランス 19対26
梅本洋一

[ cinema , sports ]

ランズダウンロードの雰囲気は独特だ。ダブリンには行ったことがないが、この昔ながらのラグビー・スタジアムは素敵だ。風の強い快晴の空がいっぱいに広がっている。アイルランドは、ことラグビーに関しては、北アイルランドとアイルランドの合同チームが出る。だからゲーム前の「国歌斉唱」もアイルランド国歌とアイルランド・ラグビー協会の歌の2本立て。いつもちょっと長いけれど、ここで客も選手も泣く。泣きながらゲームが始...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:21 AM

March 14, 2005

『永遠のハバナ』フェルナンド・ペレス
藤井陽子

[ cinema , cinema ]

1本のフィルムが観るものにとって特別なものになるかいなかは、そのフィルムのなかに何が見えて何が見えないのか、何が聞こえて何が聞こえないのかということによるだろう。つまりそのフィルムを成り立たせる事象を映画作家がどう取捨選択したかということだ。現在のハバナで暮らす市井の人々を『永遠のハバナ』のなかに捉えようと試みたフェルナンド・ペレスのとった取捨選択は、彼らの生活の身ぶりを見せること、だが彼らにイン...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:05 PM

『現実の向こう』大澤真幸
結城秀勇

[ book , book ]

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神田三省堂と池袋ジュンク堂で行われた講演を元に作られた本書は、話し言葉(呼びかけ)のかたちで書かれており、また内容も、10年前に書かれた『虚構の時代の果て』の直接的な続編のようであり、読み進むのにさして困難はいらない。実際かなりの短時間で読み終えたのだが、それでもなぜかその平易な文章の間にひっかかり...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:53 PM

F1開幕戦オーストラリアGP
黒岩幹子

[ cinema , sports ]

土曜日の時点でほぼ結果は見えていた。それほど土曜の予選1回目における天候の変化は決定的だった。2005年のF1開幕戦は、上位チームのなかで唯一、ほぼ路面が乾いた状態で予選1回目を走った、ルノーのフィジケラが順当にポールポジションをゲット、そのまま決勝も逃げ切った。 予選を土日の2日に分けて実施、さらには2回の予選タイムの合算によってスターティング・グリッドを決定するという新ルールが、開幕戦から大き...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:51 PM

March 12, 2005

チャンピオンズリーグBEST16 2ndLEG
梅本洋一

[ cinema , sports ]

ここまで来ると、どのチームも通常のリーグ戦とはまったく異なる表情を見せる。どの選手も大金持ちで、適当に流しても生活に何の支障もないのだろうが、どのゲームも後半に入りベスト8進出がかかった時間帯になると、目の色を変えてゲームに没頭する。だからスポーツ観戦は辞められない。 チェルシー対バルサ( 4 - 2, total 5 - 4 )。ゲーム開始後20分間のチェルシーの猛攻はすさまじいものがあった。ア...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:49 AM

追悼・シモーヌ・シモン
須藤健太郎

[ cinema , cinema ]

シモーヌ・シモンが死んで何日か経つ。彼女の主な活動期間は、30年代から50年代にかけてだった。ナチスが台頭し、第二次世界大戦が起こって混乱を極める世界とは逆に、映画は古典的な爛熟期を迎えていた。ヨーロッパの映画人たちがアメリカへ亡命し、ハリウッドを活気づかせていたその時代の流れに沿うように、シモーヌ・シモンもまたフランスからハリウッドへ、そして終戦後フランスに戻り、そのキャリアを築き上げていた。し...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:47 AM

『フランシス・ザ・ミュート』マーズ・ヴォルタ
鈴木淳哉

[ music ]

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食い詰めた悪党が一発逆転をかけた銀行強盗の後、メキシコへの脱出をはかり、まんまと成功したり仲間割れしたり、といったすべての映画の上映時間を足すと、だいたい私の生きた人生と同じ位の長さになるというほどのことはないだろうが、とにかく、使い古された擦り切れ寸前のドラマではあろう。劇的な人生の話。または…全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:45 AM

March 11, 2005

ジャン=マルク・ラランヌ講演(3/6)
須藤健太郎

[ cinema , sports ]

3月6日、東京日仏学院にて『マリー・ボナパルト』の上映後に、ジャン=マルク・ラランヌによる講演が開かれた。東京日仏学院では、今月から来月にかけて、カトリーヌ・ドヌーヴの特集が組まれており、ラランヌはそのプログラム選考を務めた。講演は、数々の映画作品の抜粋を上映しながら、彼がそこにコメントを加え、補助線を引いていくものだった。 ラランヌはまず1冊の書物を紹介する。リュック・ムレの『俳優作家主義』Po...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:54 AM

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