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March 27, 2006

『マンダレイ』ラース・フォン・トリアー
結城秀勇

[ architecture , cinema ]

 「ドッグヴィル」を後にしたグレースは「マンダレイ」に立ち寄る。そこはローレン・バコール演ずる「ママ」の法律が支配する場所だった。グレースは村人を時代錯誤的な「ママの法律」から解放しようと試みるのだが、結局のところその試みは失敗し、自分が新たな「ママ」になることでしか「マンダレイ」と関係を持つことができなくなる。  マンダレイという街を存在させる原理が、ママの権力で繋ぎとめられた被支配者たちである...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:54 AM

『グッドナイト&グッドラック』ジョージ・クルーニー
須藤健太郎

[ cinema , sports ]

 前作『コンフェッション』でもアメリカ政府という巨大な組織との葛藤がテレビという新興のメディアを舞台に描かれていた。そこにはキャスターの父を持ち、一時は自身もそれを志したというクルーニーの個人的な憧憬が投影されているのだろうが、前作におけるチャーリー・カウフマンによる脚本のその複雑さとはまったく逆に、クルーニーは『グッドナイト&グッドラック』では単純なストーリーと単純な構造を獲得している。ほとんど...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:22 AM

『哀れなボルヴィーザー』ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
須藤健太郎

[ cinema , sports ]

 いま公開されいる封切り作にも見たいのはいっぱいあるのだけど、アテネにファンスビンダーを見に行く。すると、すごい行列。暇なときにブログなど見ていて思うが、毎日のように封切り作にもこうした特集上映にも駆けつけるための時間とお金と気力はいったいどこから湧いてくるのだろう。まだまだ先は長い。なんとか工面しつつ、テンションを保たないとやっていけない。  それにしてもこの『哀れなボルヴィーザー』の主人公は、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:21 AM