« previous | メイン | next »

May 19, 2006

チャンピオンズ・リーグ決勝 バルセロナ対アーセナル 2-1
梅本洋一

[ sports , sports ]

 オークションで信じがたい値段がついたという決勝。スタード・ドゥ・フランスは満員。
 立ち上がりは、気合いの入ったアンリのカウンターがさえ渡り、いきなりバルデスにショッツ・オンを2本お見舞い。ウィガン戦に勝ってから10日あまり。コンディションの良さがうかがえる。だが、問題の前半19分。エトオの足をレーマンの手が引っかけ、レーマンは一発レッド。ピレスを下げ、アルムニア投入。他に選択肢はなかろう。
 レーマンのレッドがアーセナルの選択肢を制限する。もう守ってカウンターしかない。幸い前半にアンリのFKにキャンベルがドンピシャ・ヘッドで1点! アーセナルのディフェンスの意識は一気に高まる。
 1-0で前半が終えると、サンドゥニは豪雨。もちろんライカールトも必要な手を次々に打っていく。まずエジミウソン・アウト、イニエスタ・イン──ファンボメル・アウトかと思ったが、前半で腰を打ったエジミウソンを代えた。これで中盤でボールが持てる。次第にバルサのポゼッションが高くなる。アーセナルが中盤でボールを拾えず、ひたすらディフェンス。なにせ900分以上失点していない。アタックはフレブ、アンリ、ユングベリの3人任せ。それでも必ずシュートで終わる。61分、ラーカルトは業を煮やしてファンボメルを下げ、ラーション・イン。4トップ!ロナウジーニョ、エトオ、ラーション、ジュリ! アーセナルは、ジウベルトをディフェンス・ライン近くまで下げ、専守防衛、まるで自衛隊。ユングベリもフレブもディフェンスでも活躍する。アンリがまるでボランチのようだ。アーセナルのヴァイタル・エリアで微視的なフットボールが展開する。ラーションの投入は効果的だった。小さいフィールドでラーションがターゲットになり、ボールが散る。ラーション→エトオで同点。だが、オレゲルがマークされ、ユングベリにボールを奪われ始めると、オレゲル・アウト、ベレッチ・イン。マルケスとプジョルを残してフルアタックをかけるバルサ。キャンベル、トゥレの必至のクリア。だが、ボールはアンリに繋がらなくなっている。自衛隊アーセナルは、セスク・アウト、フラミニ・イン。エブエは必死でエトオを押さえる。だが、ラーションが左に開くと人手不足。当然だ。ひとり足りないのだから。ラーションが開き、空いたスペースにベレッチが走り込む。フラミニの足が僅かに届かない。バルサ勝ち越し。アーセナル・ディフェンスもギヴアップ。バルサ相手に10人では勝てない。
 フランス代表を落選したジュリが泣いている。今年のチャンピオンズ・リーグでロナウジーニョ──ジュリで何度勝ったことか。バルサはチャンピオンにふさわしい。でもできれば最後まで11対11のゲームを見たかった。アーセナルの今シーズンは終わった。ぼくらもワールドカップ・モードにギアを入れ直そう。Et la vie continue!