ブラックバーン対アーセナル 1-1梅本洋一
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アジアカップが終わったと思ったがヨーロッパの各リーグも続々と開幕している。リーガやセリエはまだだが、ブンデスリーガに続いてプレミアリーグだ。
ルーニーの骨折にもたついているマンU、そしてバルサにアンリが移籍してしまったアーセナル。アーセナルは開幕戦の対フルアムを何とか勝ちに持ち込んで2戦眼は対ブラックバーン・ローヴァーズ。何よりも関心の中心はフォーメーション。4バックに左からクリッシー、トゥレ、ギャラス、オーセールから獲得したシニャ、セントラルにセスクとフラミニ、右にフレブ、左にウォルコット、2トップにファン・ペルシとディナモ・ザグレブから来たエドゥアルド・ダ・シウヴァ。オーセールのシニャは、すでにフランス代表にも招集されているので、バックラインは安定しているはず。ヴェンゲルもダ・シウヴァをアンリと比べる必要はないと発言している。
そしてゲームはファン・ペルシの1発で先行するが、レーマンのファンブルでドロー。もう流れるようなアーセナルの展開はない。アーリー・クロスが多いし、フレブもウォルコットもポジションチェンジしない。とりあえず持ち場を守って、新たなチームの可能性を見極めながら、熟成を待つよりないのだろう。ゲーム後にヴェンゲルも悪くない結果だと言っている。ダ・シウヴァにしてもシュートに持ち込む強引さは見られるが、ファンタスティックな選手ではない。チームは人が入れ替わることで変わっていく。だからまだまったく全貌を見せないという意味で、このチームには無限の可能性はあるとも言える。だが、同時に、その可能性の向かう先がまだまだ見えないのも事実だ。セスクとウォルコット、フレブが中盤をつくりながら、クリエイティヴィティ溢れるフットボールをするというのがヴェンゲルの狙いではあるだろうが、道はまだとても遠い。残念なことに今年のキャプテンに指名されたギャラスが怪我をしたが、まだセンデロスがいる。バックラインの安定を糧に、まずディフェンスから入っていくしかないだろう。ジリジリするようなゲームが多くなるだろうが、長い目で見るしかない。コパ・アメリカに出てコンディション不良のジウベルト──同じ条件のテベスのキレがない──も9月には帰ってくるだろうし、今年はゲームを落とさないことが主眼になるだろう。