関東大学ラグビー対抗戦 早稲田対明治 71-7梅本洋一
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新記録の点差になった早明戦。早稲田は11トライを奪った。開始早々、順目にオーヴァーラップが出来ているのにセンターがパンとキックをしてしまったシーンがあった。人数のオーヴァーラップができていたのは見逃すのは、まだまだ勝負を知らない子どもだ。あれがなければ、明治を完封できたかも知れない。
それ以上、この今年の早明戦について書くことはない。それほど強くないと思っていた早稲田のFWも明治にはしっかり対応できた。対応できたが圧倒したわけではない。早慶戦に次いで早明戦でも圧勝の早稲田。この現実は、やや哀しいものがある。本来目標としてきた関東学院が大麻汚染で自滅。大学選手権でも、どこが出てきても気を抜かなければ早稲田が圧勝するだろう。こういうゲームの連続は面白いものではない。慶應や明治が情けないとも言えるが、問題は別にあるような気がする。
故宿澤広明の肝いりで「トップリーグ」が始まってから数シーズン経っている。外国人選手の加入などでどこもレヴェルが上がり、個々人のスキルが上がっていることが疑いがない。「社会人ラグビー」と呼称された時代、日本選手権とは、大学選手権優勝校と社会人ラグビー優勝チームの間で争われた。早稲田も明治も優勝したことがある。今の大学チームから考えると隔世の念がある。大東大が大学選手権を勝った時代から大学チームが社会人チームに差をつけられる時代が始まった。神戸製鋼の7連覇の時代を思い出せば、どんな大学チームが当たっても神戸を破る可能性は少なかった。だが、清宮時代の早稲田を思い出せば、「トップリーグ」のチームを破ってトップ4まで登り詰めたこともある。去年も九州電力に33-36という僅差で敗れた。早稲田が、「トップリーグ」に参加すれば、このチームの力はもっと上がるだろう。大学生は学業があるとはいえ、練習にはほぼフルタイムで参加しているし、監督の中竹もフルタイムで教えているはずだ。同じ選手が4年間しかいないというハンディはあるが、早稲田が「トップリーグ」に参加すれば、フットボールで言えばアヤックスのように有望選手を送り出す場になるかもしれない。それが大学として面白くなければ、大学院の制度をフル活用し、博士号を取るまで大学に残し選手の資格を与えればいい。
40-0の早慶戦や71-7の早明戦は時間の無駄だ。それに青学戦や日体大戦も要らない。早稲田対神戸製鋼、早稲田対NECなどのカードが見られる方が、ファンを増やすだろうし、たとえ大敗しても早稲田の選手たちにやりがいがあるのではないか。チームスタッフたちは、絶対劣勢なチームがいかに戦うかを思考するはずだ。それが結果的にジャパンを強くするのは言うまでもない。