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March 30, 2007

『ホリデイ』ナンシー・メイヤーズ
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 レディーズ・デイで1000円で見られるためか、渋東シネタワーは9割方女性客で、しかもほぼ満員。松井宏が言う通り、ちょっと薹がたってはいるが、キャメロン・ディアズとケイト・ウィンスレットの「二大女優」とジュード・ローとジャック・ブラックの共演が多くの女性たちを誘っているのだろうし、「薹がたった」ふたりの女性(アマンダとアイリスというちょっと古風なファーストネイムだ)をうまくシナリオに盛り込んでいる...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:47 AM

March 27, 2007

『カンバセーションズ』 ハンス・カノーザ
槻舘南菜子

[ cinema , cinema ]

 場所はマンハッタン。ホテルのウエディングパーティで10年ぶりに再会した男女がつかの間の一時を過ごす。ホテルの一室。タイムリミットは朝6時。新婦の兄である男(アーロン・エッカート)と新婦の友人であり、元妻(ヘレナ・ボナム=カーター)、彼女がロンドンにたつまでの数時間に交わされるカンバセーションズ。  このフィルムが特異であるのは、二つのキャメラを通して全シーン、全テークが撮影され、全編がデュアルフ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:39 AM

March 26, 2007

広瀬始親撮影写真「横浜ノスタルジア──昭和30年頃の街角」
梅本洋一

[ book , photo, theater, etc... ]

 旧横浜郵便局をリノヴェーションした横浜都市発展記念館で開催されているこの写真展を見ると、本当に困ってしまった。ぼくは、ノスタルジーはよくない、かつてあったものを懐かしむことは保守的な感性だ、と言い続けてきたし、今もそう思っている。だが、この写真展に展示されている写真を見ていると、もうどうしようもない喪失感に襲われて、それをノスタルジーだと言われてしまうと、納得せざるを得ないのだ。本当に困った。 ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:20 AM

日本対ペルー 2-0
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 イビチャ・オシムが初めて「欧州組」の高原と俊輔を呼び戻し、実質的な現在の「最強メンバー」で臨んだ親善試合。相手が若手主体のペルーであって、ペルーは「欧州組」を呼び戻していないことはまず確認しておいた方がいい。このゲームは、勝って当然のホームであり、スパーリングパートナーとしてはちょうどいいということ。  2-0という結果について書くべきことは少ない。解説のセルジオ越後が強調していたように、流れの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:16 AM

March 21, 2007

『あるスキャンダルの覚え書き』リチャード・エアー
松井宏

[ cinema , sports ]

ジュディ・デンチとケイト・ブランシェット(主演&助演女優賞ともにアカデミーにノミネート)、この「演技派」女優ふたりによる女性の間の愛と嫉妬物語たる本作には決定的に欠如しているものがあって、すなわち、ここにはベルイマンがいないということだ。つまりデンチとブランシェットのクロースアップを積み重ねながら「顔の劇場」たろうとするこのフィルムに決定的に欠けているのは、あるひとつのショット、すなわちふたりの女...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:38 PM

March 20, 2007

『ブラックブック』ポール・ヴァーホーヴェン
須藤健太郎

[ cinema , cinema ]

 何の前情報もなく映画を見に行くのは難しいと思うが、とりわけそれがある程度キャリアのある監督の場合はなおさらだろう。ナチス・ドイツ占領下のオランダが舞台だと聞けば、まさかと思いつつ、38年オランダ生まれのヴァーホーヴェンによる自分探しの旅を危惧し、「ブラックブック=黒い革製の手帳」に記された真実を巡るサスペンスだと言えば、ヒッチコックへの彼なりの返答だった『氷の微笑』が想起され、もしくは、家族を目...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:28 PM

March 18, 2007

2007年シックスネイションズ総括
梅本洋一

[ cinema , sports ]

最終日になっても優勝が決まらないシックスネイションズは確かに面白かった。結果的にはアイルランドとフランスが共に4勝1敗で並び、最終戦の対イタリア戦、対スコットランド戦に持ち去れることになった(もちろんイングランドにも可能性はあったがウェールズに大勝というのうは数字的に不可能に近いものだった)。 結果はアイルランドもフランスも頑張ったけれども、フランスは得失点差でアイルランドを上回り、フランスの優勝...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:03 PM

March 16, 2007

『ダフト・パンク エレクトロマ』ダフト・パンク
田中竜輔

[ cinema , sports ]

選ばれた舞台はカリフォルニア、黒い衣装に身を包み、光り輝くロボットの頭部を持ったダフト・パンクのふたりが「HUMAN」と書かれたナンバー・プレートを掲げた黒いフェラーリに乗りこみ、「ロボット」から「人間」になるために小さな村に向かう。しかしそれにあっという間に挫折したふたりはあてもなく砂漠を彷徨い始める、というシンプルな物語。人間とテクノロジー、この二項にまたがって自身の表現活動を行なうミュージシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:36 AM

March 15, 2007

『ラストキング・オブ・スコットランド』ケヴィン・マクドナルド
松井宏

[ cinema , cinema ]

このフィルムは『ブラッド・ダイヤモンド』と同じくアフリカを扱い、どちらも実話をもとに構成されていて、どちらにも恐ろしい軍事独裁政権があって(もちろんそれはある時期からアメリカ映画でアフリカを物語るときに欠かせぬ要素となっている)、両者の物語のあいだに時代の差はあれど(『ラストキング』は70年代、『ブラッド』は90年代後半)、けれどもっとも重要な共通点は、どちらもがアフリカを父として扱っているという...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:45 AM

March 14, 2007

神奈川県立近代美術館 鎌倉「畠山直哉展」
梅本洋一

[ cinema , photo, theater, etc... ]

 小町通を大股で歩いて近代美術館に着く。この多様に組み合わされた「白い箱」は坂倉準三の真の傑作であり、撤去されずに残ることになったことはとりあえず嬉しい。だが建物のところどころに古さや歪みが目立つ。同じ建築家の東京日仏学院が何度かのリノヴェイションを繰り返しつつ、しっかり今という時を呼吸しているのとは対照的だ。モダニズムは時を経ても生き残るべきものであり、そのためには資金と知恵が必要なのだ。  本...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:25 PM

『今宵、フィッツジェラルド劇場で』 ロバート・アルトマン
結城秀勇

[ cinema , cinema ]

 カミュは『シーシュポスの神話』の中で、本質的な問題(ときにひとを死に至らしめるかもしれない問題)について思考方法はふたつしかないと述べている。それは、ラ・パリス的な思考方法とドン・キホーテ的な思考方法だと。ドン・キホーテ的なというのは改めて述べるまでもなく、熱情的な態度である。一方、ラ・パリス的なというのは明証性だということになっているのだが、それはラ・パリスという16世紀フランスの将軍が戦死し...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:48 PM

March 13, 2007

『ダウト』ウェイン・ビーチ
須藤健太郎

[ cinema , music ]

 なんてやっかいな映画なんだろう。いわゆる「どんでん返しもの」とでも言うのか、オチを知ってしまうと見る楽しみが半減してしまう、しかし、ある程度ストーリーを説明しないことには、この面白さも伝えられない。ネタばれ覚悟で書くしかないのか、それともこのジレンマに悩み続けるべきなのか。「誰も見破れない!」というキャッチ。まるで『ユージュアル・サスペクツ』のそれだが、そうおそらく、二転三転するストーリー展開、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:08 AM

March 12, 2007

シックスネイションズ07 イングランド対フランス 26-18
梅本洋一

[ cinema , sports ]

ゲームとしてはスカパー!の解説をした箕内が言っていてように、「眠い」ゲームだった。両チームともミスが多かったし、大きく展開するラグビーが見られなかった。もちろん前半(9-12)の展開は予想できたことだったが、わずか1PGの差でフランスが逃げ切れるようには見えなかった。地域においてもポゼッションにおいてもイングランドが優勢だったし、イングランドがFWの攻撃でフェイズを重ねれば、どこかでフランスの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:29 PM

March 10, 2007

TNプローブ レクチャー・シリーズ「建築と写真の現在」第1回 多木浩二
結城秀勇

[ cinema , photo, theater, etc... ]

 今夏に行われる予定の同題の展覧会へ向けての連続レクチャーの第1回は多木浩二。写真史のはじまりから現代にかけて、写真と建築の出会いについての概論が語られる。それは「建築写真の歴史」とはまた別のものだ。  ダゲレオタイプが発明された年とされる1839年に、ダゲールはルーブル美術館を一枚の写真に写している。それはあえて彼が建築の写真を撮ろうと試みたというよりも、当時の写真の感光時間の長さから、目に入る...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:06 PM

『今宵、フィッツジェラルド劇場で』 ロバート・アルトマン
槻舘南菜子

[ cinema , cinema ]

 ここには三つの終わりがある。ラジオショー「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の放送の最終回という終わり、105分という映画の終わり、そして『今宵、フィッツジェラルド劇場で』は、ロバート・アルトマンの遺作だ。  楽屋の鏡を前にして、ヨランダ(メリル・ストリープ)と、ロンダ(リリー・トムソン)は、昔はショーに歌う犬がいたこと、実はジャクソンガールズが四人組だったこと、そして母親の死を、思い出から紡ぎ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:03 PM

March 9, 2007

チャンピオンズリーグ アーセナル対PSV
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 今年のアーセナルのチャンピオンズリーグは終了した。圧倒的にポゼッションしつつ、1点のアウェイゴールを喫し、昨日のバルサに続いて去年の決勝に残った2チームが消えた。  敗因は何なのか? ぼくは相手がPSVで、1stLegは0-1で敗れているが、今度はホームで、しかもこのスタジアムができてからアーセナルは不敗だったことだろうと思う。もし相手がバルサやミランだったら話が違ったろうし、アウェイだったから...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:19 PM

March 7, 2007

『Bug』ウィリアム・フリードキン
松井宏

[ cinema , sports ]

 70年代の監督と言われる人々は、これは「ニューシネマ」と相反すわけではなく、密室劇を撮れるおそらく最後の世代なのだろう。それはハリウッドと演劇との関係やら、一方でカーペンターに代表されるホラーというジャンルとの関係やら、あるいは『カンヴァセーション』を考えるならそこに「ニクソン以後」の政治劇も関わってくるのやもしれぬが、とにもかくにもフリードキンの新作『Bug』は密室劇なのである(ちなみに戯曲の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:25 AM

March 5, 2007

『不完全なふたり』諏訪敦彦
梅本洋一

[ cinema , music ]

 このフィルムがフランス人の俳優たちとパリで撮影されたためだろうか。普段なら諏訪敦彦のフィルムにほとんど顔を見せない「映画的な記憶」がいろいろな場所に垣間見える。  このフィルムが別離の聞きを迎えた夫婦の短い時間の出来事とその顛末を追うという意味において、まず全体としてこのフィルムが準拠するのは、ロベルト・ロッセリーニの『イタリア旅行』である。リスボンで仕事をする建築家夫婦(ブリュノ・ドデスキーニ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:58 AM

W杯スラローム第9戦 クラニスカ・ゴラ
梅本洋一

[ photo, theater, etc... , sports ]

 オーストリア国境近くのスロヴェニアのスキーリゾート、クラニスカ・ゴラのスラローム。この1戦は佐々木明にとって本当に重要な1戦だ。今シーズンはまったくふるわず、アメリカからヨーロッパに帰り、アデルバディアの7位、アデルボーデンの14位と少し浮上したと思ったら、1本目の30位にも入らなくなり、世界選手権では失敗し、第1シードからも陥落し、「腑抜けな野郎」に成り下がった佐々木明にとって、この1戦でひと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:55 AM

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