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September 10, 2009

日本代表オランダ遠征総括 オランダ対日本 3-0/ガーナ対日本 3-4
梅本洋一

[ sports , sports ]

 この2ゲームは対照的な結果だった。オランダに完敗。そしてガーナに逆転勝ち。結果はその通りだが、問題はほぼ同じ。
 センターバックが1対1に負けていること。サイドバックのディフェンス力が低いこと。中盤でボールが回るときは勝負になること。ガーナ戦の前半までは、オランダ戦と同様、シュート恐怖症にかかっていたが、1点入ってからは自信を持ってシュートが打てるようになったこと。
 岡田は今までやり方でよいと言っている。オランダ戦では憲剛を下げて、本田圭介を入れてからがらっとリズムが変わり、中盤でボールが回らなくなった。そこへスナイデルらに走り込まれ、ディフェンダーとの1対1に持ち込まれることになった。これは、明らかに岡田の采配ミス。今のところ本田圭介はトップ以外の場所で使えない。彼は確かにシュート力があるけれども、ポジションも良くないし、ドゥリブルも大したことがない。それなら無理に使う必要はない。遠藤、俊輔、長谷部、稲本──とくにガーナ戦の稲本は貫禄というか、欧州のクラブチームを渡り歩いた老獪さがあった──はさすが。彼らを軸にする以外、このチームに勝機はない。憲剛はまだプレイに波があるが、それでもこのゲームで点を決めたときの顔は良かった。何かを掴んだのかも知れない。後半はガーナの中盤がエシアンひとりになったとはいえ、遠藤と稲本が支える中盤は、とても安定していた。
 つまり前と後ろが問題。まず後ろは、センターバックの人材が固まっている限り、スピードはそれほどなくても良いので、もう少し安定感のあるサイドバックのリクルートが不可欠。左は長友に任せているようだが、4-2-3-1の3を強化すれば、スピードよりもポジションの適切な人材が必要。右は、内田も駒野も代表レヴェルでは難しい。加地が懐かしくなる。今野の安定感はオシムならずとも欲しくなる。特に俊輔が3の右にいるなら、今野でいいのではないか。
 そして前。高原の復帰か森本の成長がない限り、信頼に足る人材がいない。ガーナ戦の後半の玉田は良かったがジーコ時代は常にあの程度はできていた。フェルナンド・トーレスまでは望むべくもないが、デンマーク対ポルトガル戦を見ていると、アーセナルでは実に頼りないベントナーだって立派なセンターFWに見えてくる。そう単なるFWではなく、センターFWが欲しい。4-2-3-1と通すなら、その1に当てはまるピースはやはりセンターFW。2列目がかなり良いので、ボールが収まる人材はいないのか? もしいないのなら、98年W杯のフランスのように、センターFWを諦めて、6人の中盤がスクランブルで行けばいい。遠藤左、俊輔右で、その後ろに稲本と長谷部、トップの位置に憲剛と伸治だっていいのではないか。少なくとも今より点が入りそうな気がする。岡田はもう少しポジションについて頭を柔らかくすることだ。(偉そうに!という声が聞こえてきそう。)