journal

« November 2009 | メイン | January 2010 »

 1  |  2  | 全部読む

December 29, 2009

『アバター』ジェームズ・キャメロン
結城秀勇

[ cinema , cinema ]

 非3D上映にて。  脊椎の損傷によって下半身不随になっているサム・ワーシントンに、上司である大佐が「任務に成功すれば足を与えよう」と言うとき、問題になっているのは大地に接するふたつの足ではなくて、その間にあるもう一本の足であることは明らかだ。車椅子に乗ったサム・ワーシントンには、アクションの欠如によるフラストレーションは感じられない。それよりもむしろ、苦み走ってなにかを思い詰めたようなワーシント...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:26 PM

ラグビー大学選手権2回戦 帝京対早稲田 31-20
梅本洋一

[ sports , sports ]

 帝京完勝のゲーム。対抗戦では両チーム、ノートライで6-3で早稲田が勝ったが、大学選手権では帝京がリヴェンジした。  かつての伝統を知るぼくらにとって、ロスタイムに入っても早稲田がトライを返し、ひょっとしたら勝利をたぐり寄せるのではないかと期待してしまったが、今年のチームには、そんなポテンシャリティはなかった。  今年の早稲田を総括する前に、まずこのゲームのおさらい。さっき帝京が完勝と書いたが、F...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:20 PM

December 24, 2009

『明日が、あなたの日々の最高の一日になりますように。なぜなら、あなたの最後のであるから』ベン・リヴァース
結城秀勇

[ cinema , cinema ]

 渋谷イメージフォーラムで行われた「Imaginary Riverside」と題された上映会で、ベン・リヴァースの作品群を初めて目にし、衝撃を受ける。ロッテルダム映画祭のタイガーアワードに2年連続ノミネート、そして同賞を受賞と、世界ではまさに評価の固まりつつある作家であるだけに、こうした機会に発見できたのはとても良かった。  彼の作品を薦めてくれた中原昌也さんも言っていたことだが、とにかく音の処理...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:17 PM

December 19, 2009

『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』ジョン・カサヴェテス
結城秀勇

[ DVD , sports ]

 7年間だ。7年間、クレイジー・ホース・ウェストは、コズモ・ヴィテリは、ミスター・ソフィスティケイションは、女たちは(たとえその面子は変わろうとも)、そこに在り続けた。同時に、まさにその日生まれ落ちた。プロデューサーに負債を返すことで。紙袋に入った分厚い札束をを手渡すことで。リムジンでドン・ペリニョンをやりながらカジノに繰り出すことで。たとえそれが新たな負債を生み出すことに過ぎないとしても、とにか...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:07 AM

December 18, 2009

『ビッチマグネット』舞城王太郎
田中竜輔

[ book , music ]

 かつて芥川賞候補作『好き好き大好き超愛してる』は、その題名だけで選考委員の東京都知事を大いにうんざりさせたそうだが、ところで都知事は何に「うんざり」したのだろう? 『好き好き大好き超愛してる』という奇抜なフレーズの響きにだろうか。 そうかもしれない、だが、たぶんそうではない。おそらく氏が「うんざり」したのはこのフレーズの構造、つまり<「好き」+「好き」+(「大」+「好き」)+(「超」+「愛してる...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:17 PM

December 16, 2009

『12枚のアルバム』中原昌也
結城秀勇

[ book , sports ]

 この本の発売記念トークイヴェント、佐々木敦との対談の中で中原昌也はこんな話をしていた。なぜパソコンなどを使えば簡単にできそうなことをアナログでやることにこだわるのか、という佐々木の問いに、中原は「つながらないものをつなげたいのであって、デジタルなものは一見それを簡単にできるようだけど、そこでははじめからつながるものしかつながらない。つながらないはずのものは結局つながらない」というようなことを答え...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:43 PM

December 10, 2009

『パンドラの匣』冨永昌敬
安田和高

[ cinema , music ]

1945年~1946年。といえば、体制が大きく変化し、日本社会が少なからず混乱していた時期であろう。ところが『パンドラの匣』は、1945年~1946年にかけての物語でありながら、そのような混乱とはほとんど無縁である。まるで戦禍を逃れるかのように、混乱した社会を避け、結核を患った主人公は山奥の療養所へと“疎開”していく。そこでは戦後のドタバタなど、どこ吹く風。時間はゆったりと流れていく。そう。これは...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:27 PM

December 8, 2009

関東大学ラグビー対抗戦 早稲田対明治 16-14
梅本洋一

[ sports ]

 いつも通り(?)の早稲田の入りの悪さをついて明治が2トライの前半。「早明戦はちがう」という例年の常套句通り、明治の気迫のタックルと「前へ」!ディフェンスというのは何よりもメンタルなものが勝る、と書くのも例年通り。だが、前半からすでにポゼッションでは早稲田。しかしボールは保持しているもののアタックがかみ合わない。SH榎本の捌きが遅い。山中と両センターの呼吸が合わない──というか、山中はいつパスをす...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:44 PM

December 6, 2009

『紀元一年が、こんなんだったら!?』ハロルド・ライミス
結城秀勇

[ DVD , sports ]

『ワルキューレ』(ブライアン・シンガー)「チェ」二部作(スティーヴン・ソダーバーグ)『ミルク』(ガス・ヴァン・サント)と、2009年の前半には「失敗した革命」についての映画とでも呼べるような作品が相次いで公開された。そして現在、トム・クルーズがあんなに必死になっても殺せなかったアドルフ・ヒトラーを、イーライ・ロスがいとも簡単に殺してしまう様を『イングロリアス・バスターズ』で目にしてしまうと、約一...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:25 PM

December 4, 2009

『したくないことはしない 植草甚一の青春』津野海太郎
梅本洋一

[ DVD , book ]

 植草甚一が大ブレイクした70年代初期から晶文社の編集者として「ワンダーランド」をはじめ植草さんの様々な著書の編集に携わった津野さんの「植草伝」。「植草さんの前半生はかならずしも幸福なものではなかった。ところが、むかし引いたマイナス札が最晩年につぎつぎにプラスにひっくりかえり、とつぜん、ハデな大逆転をとげてしまう」。「あとがき」で津野さんはこう書いている。「ハデな大逆転」の時代に植草さんを読み始め...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:37 PM

December 3, 2009

『動くな、死ね、甦れ!』ヴィターリー・カネフスキー
結城秀勇

[ cinema , cinema ]

 開催中の特集上映にはなかなか駆けつけることができず、気づけば他の2本(『ひとりで生きる』『20世紀の子供たち』)の上映は終了してしまっていたが、なにはともあれ『動くな、死ね、甦れ!』だけでも見直しておこうとユーロスペースへ。レイトショーだがほぼ満員。  かつての記憶の中では、とにかく靴にまとわりつくぬかるみがひどく心に焼き付いていた。それは見直したいまでもそうだが、まとわりつくぬかるみの質こそが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:50 PM

December 1, 2009

アーセナル対チェルシー 0-3
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 やはりチェルシーは強い。ファン・ペルシの怪我が靱帯の断裂という大きなものであることはアーセナルに大きくのしかかっている。セスクを中心に、ナスリ、アルシャヴィン、ソング、デニウソンをいう中盤は、さすがにボールがよく回り、一見、中盤をほぼ押さえているかに見えるのだが、エドゥアルドのワントップだとボールが収まらない。サニャ、トラオレの両サイドまで含めて、何度もバイタルエリアまで侵入するのだが、チェルシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:56 AM

全部読む |  1  |  2