09-10ヨーロッパ・ジャンプ週間梅本洋一
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今年度のジャンプ週間はオーストリー週間だった。開幕のオーベストドルフでアンドレアス・コフラーが勝つと、ガルミッシュ4位、インスブルック4位、ビショフスホーフェン5位とそのまま走って、4ヒルズで優勝。ガルミッシュとインスブルックではシュリーレンツァウアーが連勝し、最終戦のビショフスホーフェンでは久しぶりにモルゲンシュテルンが勝ち、ポディウムのいちばん上にはいつもオーストリー選手!昨年度の覇者ロイツルだって好調だったから、コフラー、シュリーリー、ロイツル、モルギーで4ヒルズを争っているようなもの。もちろん2位に入ったのは、今シーズン復活してきたアホネン!彼の健闘は賞賛に値する。W杯の今シーズンのスタンディングではアマンがリードしているけれども、彼にしてもビショフスホーフェンの1本目で最長不倒を出したのを除けば完全に蚊帳の外。
ドイツ、フィンランド、ノルウェイ、そしてマリッシュを擁するポーランドなど、まるで関係ない展開。ヨーロッパ・ジャンプ週間ではなく、オーストリー・ジャンプ週間といってもいい。もし4ヒルズで団体戦をやれば、オーストリーの圧勝ということになる。アホネンとアマンを除けばオーストリーの4人で優勝争いをしているんだから、他のチームはたまったものではない。
かつて最強だったのは、98-99シーズンのジャパン・チームだったと思う。長野オリンピック後の最初のシーズンの4ヒルズのジャパン・チームは圧巻だった。葛西2位、宮平3位、船木5位、吉岡6位、原田8位。ここでもジャパン・チーム内の争いの様相。でも優勝はアホネンだった。そして4位にシュミット。だから今シーズンも2位に入ったアホネンは本当にすごい。
では今年のジャパン・チームはどうだったのか?葛西11位、伊東13位はまっとうな順位だと思うし、このふたりは安定している。特に伊東は今シーズンエンゲルベルク3連戦で1度3位に入った。だが、このふたりに続く選手がいない。4ヒルズに限れば、竹内拓42位、栃本51位、そして湯本に至っては61位。順位だけを考えても、彼ら3人は通常なら2本目に進めない。ジャンプは、ヴァンクーヴァー・オリンピックで団体銅を狙っているそうだ。でもどうやって?昨夜のビショフスホーフェンでの最長不倒はアマンとモルギーの136メートルだったが、久しぶりに本戦に残った湯本は1本目に94メートル。50位という最下位の成績も当然だろうが、49位のフィンランドの選手さえ108.5メートル飛んでいる。湯本の名誉のために彼が予選で飛んだ距離が122メートルだったことを付け加えておくが、本戦で失敗ジャンプをした選手の最低の距離まで、湯本の場合あと14,5メートル必要なことも事実だ。