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February 15, 2011

2011シックスネイションズ第2週 アイルランド対フランス 22-25
梅本洋一

[ sports ]

 久しぶりに面白いゲームを見た。最近のラグビーは、どこもスタイルが一緒になって、スキルの巧拙と身体の大きさのみの勝負になってきている。ディフェンスが進化してきて、一列に並んだディフェンスラインへのクラッシュとリサイクル(あるいは、その変形)ばかりで、ライン・ブレイクは、ミスからしか生まれない。
 そんな昨今、このゲームは、後半にフランスが見せた25フェイズをノーペナルティで重ねたディフェンスと、センターに起用されたオレリアン・ルージュリのラインブレイク──それもダーシーとオドリスコルの間──からのトライという2つの見せ場によって、デジャヴュばかりのラグビーに穴が穿たれた。
 リエヴルモンは、実験を重ねて良いチームを作りつつある。もちろんマルコネ、セルヴァ、デュソトワール、アリノルドキなどのヴェテランを固定して起用することになったことも、力を安定して発揮する理由になるだろう。もちろん超ワイドで勝負した前任者の遺産もあるけれども、彼の最大の発見はモルガン・パラとトラン=デュックというハーフ団を見出したことだろう。特にこのヴェトナム系のSOは決してハデさはないし、近年のSOが持っているキック力だけがウリではなく、実に堅実で頭が良く、ディフェンスに優れている。俺が俺が、という感じのパラと渋いトラン=デュックのコンビは本当にいい。それにこのゲームのリエヴルモンは、センターにルージュリを起用して大成功している。フランスのセンターと言えば近年はジョジオン=トライユ中心だったが、大柄のルージュリをセンターに起用したことで、彼の大きさとスピードが共に活かせている。やはりウィングはヴァンサン・クレールのような小柄でスピードのある奴の方がいいんじゃないかな。ウェールズだって、やはりシェーン・ウィリアムズでしょう。そしてルージュリのパートナーは、今のところジョジオンがベスト。トライユはどうもひ弱。FBもポワトルノーの方がフレアがある。キックはSF中心に考えればよいから、センターは堅実でディフェンスもいいジョジオンと、でかいルージュリ(このゲームではディフェンスにも行っていたね)。
 欠けているピースは6番ぐらい。フランスにはジャン=ピエール・リーヴという名キャプテンがいて6番だったけど、彼のような6番はいつもいたのに、今のチームには不在。アタック、ディフェンスとも良く、ライン参加もできる6番を発掘できれば、リエヴルモンのチームはもっと良くなる。