journal

« February 2014 | メイン | April 2014 »

March 14, 2014

『アメリカン・スリープオーバー』デヴィッド・ロバート・ミッチェル
高木佑介

[ cinema ]

 何か突飛なことをするには遅すぎる、でもこのまま終わってしまうのはつまらない。若さを無邪気に謳歌したいわけでも、少し背伸びして大人の気分を味わいたいわけでもない。夏の終わりの空気とともに揺らぐティーンエイジャーたちの、そんな感情。すぐに終わりが訪れることなど言われなくともわかっている、楽しくもありどこかもどかしくもあるその時間。実際にあるのかどうかもわからぬそのような一時期を迎えつつある人々のあり...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:34 PM

March 8, 2014

『パリ、ただよう花』ロウ・イエ
三浦 翔

[ cinema , cinema ]

 この映画の後半に、印象的な場面がある。中国の知識人による、インタビューの場面だ。「中国では共同で見る幻想として映画があります。そうではなく、私たちが求める本当の映画とは悪夢のことなのです」この知識人とは、いわゆるロウ・イエの生き写しであるわけだが、中国政府に5年間の制作を禁じられた彼は、いまどのようにして、「映画」を撮り続けようとしているのか、そして彼の答えにある悪夢とはいったい何のことなのだろ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:54 AM

『息を殺して』五十嵐耕平
田中竜輔

[ cinema ]

2017年の12月30日から2018年1月1日にかけてのとある清掃工場での出来事。未来と呼ぶには近過ぎて、現在と呼ぶには遠過ぎる、そのような『息を殺して』の時代設定とはいったい何なのだろう。このフィルムの登場人物たちは、どうやら自衛隊が「国防軍」と名前を変え、若い人々が戦地で命を落とすことが決して珍しい出来事でなくなった時代を生きているようだ。しかし一方で、彼らは2014年と同じような機種のスマー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:42 AM

March 4, 2014

『お気づきだっただろうか?』core of bells
徳永綸

[ cinema , theater ]

「『怪物さんと退屈くんの12ヵ月』は降霊術と極めてよく似ています。」 公演フライヤーの裏にはそう書いてあった。core of bells――バンドという形態でありながらも、映画制作、ワークショップ、お泊りキャンプ、ホルモン屋などなど活動の範囲を自由に設定する彼ら(HPプロフィール欄参照)は、今年いっぱい、毎月一回ずつ舞台に立つらしい。それがこの「怪物さんと退屈くんの12ヵ月」という企画であり、その...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:03 PM