journal

« April 2014 | メイン | July 2014 »

May 21, 2014

『吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館』@LAST BAUS
渡辺進也

[ book , cinema ]

 この本の後ろの方に「バウスシアター年間上映年表1984〜2014」という80頁の資料があって、バウシアターのオープンしてからのすべての上映作品が掲載されている。ぼんやりとこの資料を見ていると、僕が最初にバウスに行ったのは2001年5月の〈「降霊」劇場初公開記念・黒沢清監督特集〉が最初らしい。『地獄の警備員』とか『ワタナベ』とか見たなあと思う。  吉祥寺の近くに住んだことなどないから、僕がバウスシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:44 PM

May 17, 2014

『ソウル・パワー』ジェフリー・レヴィ=ヒント@LAST BAUS
中村修七

[ cinema , sports ]

1974年にザイール(現・コンゴ民主共和国)の首都キンシャサで、モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世界ヘビー級王者決定戦が行われるのに先駆け、“ブラック・ウッドストック”とも呼ばれる音楽祭が、3日間に渡って開催された。 音楽祭に出演したのは、ソウル・グループのザ・スピナーズ、“ソウルの帝王”ジェイムズ・ブラウン、“ブルーズの神様”B.B.キング、“サルサの女王”セリア・クルースとファニア・オー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:52 PM

May 10, 2014

『ニール・ヤング/ジャーニーズ』ジョナサン・デミ@LAST BAUS
田中竜輔

[ cinema , sports ]

自らの故郷トロント州オメミーを2011年の世界ツアーのファイナルに選んだニール・ヤング。このフィルムで私たちはギターを持ったその人の姿より先に、コンサート会場マッセイ・ホールへと、自らハンドルを握って車を走らせようとするニール・ヤングの横顔を見る。ニール・ヤングに(あるいは彼の車をマッセイ・ホールまで別の車で先導する実の兄に)導れるトロントの短い旅。車を運転しながらこの片田舎での思い出を語り続ける...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:56 AM

May 8, 2014

『ザ・シャウト/さまよえる幻響』イェジー・スコリモフスキ@LAST BAUS
隈元博樹

[ cinema ]

 穴のあいた缶詰をひっかく、グラスの淵を指でこする、タバコに火をつける……。あらゆる音源をダイナミックマイクで録音し、その振動音を電気信号に変えてミキシングするアンソニー(ジョン・ハート)に対し、クロスリー(アラン・ベイツ)がポツリと挑発する。「君の音は空疎だな」。どこか自信さえうかがえるその一言に、笑みを浮かべるのも無理はない。彼にはこの世の生物を一瞬にして殺めるための「叫び」があるのだから。 ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:56 PM

『プラットホーム』ジャ・ジャンクー@LAST BAUS
結城秀勇

[ cinema ]

『プラットホーム』はシネスコの映画だと、長らく勝手に思い込んでいたのだが、実際にはヴィスタサイズだった。あの、石造りの狭い室内を光が零れる開口部方向にカメラを向けて撮る、初期ジャ・ジャンクースタイルを決定的に特徴づける美しいショット群と初めて出会ったのはこの作品だったが、その小さな家から一歩足を踏み出せば、巨大な山々や霞む地平線などの広大な中国の大地がどこまでも広がっている、そんな印象を持っていた...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:36 AM

May 3, 2014

『アメイジングスパイダーマン2』マーク・ウェブ
結城秀勇

[ cinema ]

スパイダーマンが他のマーヴェルヒーローやDCヒーローよりもスペクタクル的な理由として、彼が重力や慣性といった物理法則に拘束されているから、そしてそれを利用して運動のダイナミズムを生み出すからだというのは言を待たないだろう。その運動の快感はおそらく、球技において走り回るプレイヤーを置き去りにしつつ一瞬でゲーム全体の状況を一変させるボールの動きを見つめることに似ているのではないか。スタンドの向こうに消...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:33 PM