journal

« May 2014 | メイン | August 2014 »

July 28, 2014

『収容病棟』ワン・ビン
渡辺進也

[ cinema , cinema ]

 『収容病棟』に出てくる人々は昼だろうが夜だろうが通路をうろうろして、何の抑揚もない生活というか四六時中ほとんど変わらない生活をしているように思える。彼らがいるのは刑務所のように閉じ込められて外に出ることはできない場所で、しかも彼らは自分たちがその中にいる理由もよくわかっていない。彼らは病気だから収容されているということになっているが、収容されている理由も家族に迷惑をかけているとか、政治的な行動を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:09 PM

July 16, 2014

『エンリコ四世』マルコ・ベロッキオ
渡辺進也

[ cinema , cinema ]

 アストル・ピアソラの、うねってるというか弾けてるというか、スクリーン上で何ひとつ起こっていなくとも何か意味があるようにしか聞こえない、一言でいうとラテン風のドラクエみたいな音楽が流れている。その音楽をバックに車が林の中を進んでいく。  車に乗っているのは運転手の他に、精神科医風の男、後部座席には妙齢の女性とその彼女の愛人風な男。精神科医風の男は若い男が仮装した姿の写真を見ていて、その理由を質問し...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:45 AM

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ダグ・リーマン
渡辺進也

[ cinema , sports ]

 2008年ぐらいに『ジャンパー』という映画があって、これは主人公が時空を飛び越える能力を持っていて、敵からその能力を使って逃げ切るというものだった。この映画で主に展開されるのは、(実際にはあったのかもしれないが)敵との戦闘シーンではなくて、ひたすら主人公が逃げるというものであって、その能力の発揮の仕方がハードルのように跳ぶと東京からエジプトというように瞬間移動するということもあり、ハードル競技を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:39 AM

July 3, 2014

『X‑MEN: フューチャー&パスト』ブライアン・シンガー
結城秀勇

[ cinema , sports ]

「X‑MEN」シリーズが結局あまり好きになれないのは、プロフェッサーXが「導く」ところのミュータントと人間の共生が、つまるところミュータントだけの自律した世界(エグゼビア・スクール)をつくることに他ならないからだ。外部から隔絶した環境で、カッコつきの「マイノリティ」として認めてもらうこと。そこが本当にブライアン・シンガーの鼻持ちならないところで、かつて『スーパーマン・リターンズ』について書いたよう...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:27 PM