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June 11, 2020

『アトランティックス』マティ・ディオップ

[ cinema ]

 『アトランティックス』をいかにして語ればよいのか。冒頭のダカールの工事現場で働く男たちのシーンから一人の女が鏡に映る自分自身を見つめるラストショットに至るまで、この映画にはいくつかの筋立てやジャンルが混在している。例えば、山藤彩香が書いているようにメロドラマ的な要素を中心に語ることもできるだろうし、あるいはファンタジーとして、あるいは 刑事モノとしての要素を見つけることもできる。そういった複数の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:17 PM

『アトランティックス』マティ・ディオップ

[ cinema ]

 「結ばれるべき青年と少女がいて、しかし少女には望まぬ婚約者がおり......」というあらすじから、「ああ、少女の心が青年と婚約者のあいだで揺れるのだろうな」と類推しにかかった自分の浅はかさを恥じた。少女エイダの心は青年と婚約者のあいだとで揺れてなどおらず、想いはずっと青年に注がれていた。では、なにがどのあいだで揺れていたのかといえば、青年と少女が初夜をめぐって此岸と彼岸を揺れていたのだ。  家の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:12 PM

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