October 15, 2021
「47KM」シリーズの9本目。この村を撮影するようになって10年になろうとするという。連作シリーズのいいところは、撮る対象(人、村)が年を経るごとに少しずつ変わっていっていくことと、作品の作り方もまた少しずつ変わっていくところにある。だから、そもそも何本目が良いと言うことはナンセンスであり、1本1本が比較対象となるものではない。 『自画像:47KMのおとぎばなし』の中で起きている、この村の大きな...
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前回の映画祭で上映された、ミコ・レベレザ監督『ノー・データ・プラン』はなんとも孤独な空気を纏った映画として記憶に留まっている。アメリカ西海岸から大陸を横断する列車に乗っている場面がほとんどなのだが、その旅の道中カメラはいつも横に流れていく窓の外を映し出し、時々その情景に対するコメントがナレーションとして重なってゆく。他の乗客と交流するわけでもなく、何ひとつ出来事らしい出来事は起こらない。後に、監...
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冒頭から次々とコラージュされていく写真やフィルム、それからテレビ映像などによるフッテージ。しかしそれらがモロッコの過去を捉えた断片であることはわかるものの、どういった基準の下に抜粋された映像なのか、あるいはコラージュによってどんな効果がもたらされるのかに最初は戸惑ってしまう。しかも本編の語り主のひとりであるアブデラジズ・トリバクは、なぜ動画ではなく静止画や声だけでしか登場しないのか。ただしそのこ...
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