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November 30, 2022

《第4回 映画批評月間:フランス映画の現在をめぐって》「異邦人であること」ジャン=マルク・ラランヌによるデルフィーヌ・セリッグについての講演 中編

[ cinema ]

構築される女性性、あるいは女性としての闘争   フランソワ・トリュフォーの『夜霧の恋人たち』の抜粋に移ります。その中ではジャン=ピエール・レオーが靴屋の若い店員を演じていて、彼はその店主の妻に狂おしいまでに恋をすることになります。そしてある日、彼女は魔法のように出現して、彼の部屋を訪れるのです。 抜粋4 : 『夜霧の恋人たち』  このシーンで、フランソワ・トリュフォーはデルフィーヌ・セリッグに登場...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:28 AM

November 28, 2022

FIFAワールドカップ2022 日本対コスタリカ 0−1

[ sports ]

 コスタリカは少しサウジアラビアと似たような状況で、最終ラインを低く設定していないのに、前線から激しくボールを狩りに来るわけでもない、引くのかプレッシャーをかけるのか、中途半端な陣形である。だから、日本が後ろからパスを繋いでゲームを作ることは容易だったし、難しい相手というわけではなかった。ローテーションをして主力を温存したことが槍玉に挙がっているが、このコスタリカ相手ならば、森保が選んだメンバーで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:19 AM

November 24, 2022

FIFAワールドカップ2022 日本対ドイツ 2−1

[ sports ]

 前日に、2対1でサウジアラビアがアルゼンチンを下したことは奇跡と呼ばれているらしいが、決してサウジアラビアが良いチームだったとは思わない。前線の選手たちは前からボールを狩りにいかず、引き下がり、にもかかわらず後方はハイラインを組み、フィールドの後ろよりで歪に収縮してしまったサウジアラビア。対して、中盤が全体を繋げるポジションに適切に立てず、前方と後方に分断されてしまったアルゼンチンとでは、どちら...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:07 AM

November 23, 2022

《第4回 映画批評月間:フランス映画の現在をめぐって》「異邦人であること」ジャン=マルク・ラランヌによるデルフィーヌ・セリッグについての講演 前編

[ cinema ]

今回で4度目を迎えた「映画批評月間」の開催に際して、10月、フランスのカルチャー雑誌『レ・ザンロキュプティーブル』の編集長ジャン=マルク・ラランヌ氏が来日し、デルフィーヌ・セリッグについてのレクチャーが行われた。今年はすでにシャンタル・アケルマンの特集上映でスクリーン越しにセリッグの姿を見る機会に恵まれたが、今回の特集にも多くの人が集まったのを目の当たりにし、改めて、この女優が生きた時代から時を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:58 PM

November 22, 2022

『語る建築家』チョン・ジェウン

[ cinema ]

 建築家チョン・ギヨンが語る映画なのだから、このタイトルにはなんの不思議もないのかもしれない。ただ、彼と同年代で仲の良い建築家が、彼の言葉はおもしろいけど彼の建築には首を傾げることがあると言うとき(「彼は絵が下手だから、"お前は話だけしてればいいんだ"と言ってやったんだ」)、このタイトルは、建築家という建物をつくったりする人がその資格の下でなにかを語るというよりも、「建築家 」という言葉が持つ意味...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:19 AM

November 11, 2022

『アムステルダム』デヴィッド・O・ラッセル

[ cinema ]

全編を通じて、ローアングルから登場人物を仰角で捉えたショットが印象的である。ものの本によると、ローアングルには被写体を力強く、尊大に見せる効果があるというが、定説めいたものは一旦脇に置き、虚心坦懐に画面に視線を注いでみる。すると、重要なアクションが、ことごとく登場人物の目線より下、厳密に言うと"腰の高さ"で行われていることに気が付く。  主人公のバート(クリスチャン・ベール)が、第一次大戦の戦友に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:47 AM

November 10, 2022

ジャン=リュック・ゴダール追悼 ケント・ジョーンズ

[ cinema ]

9月13日に逝去したジャン=リュック・ゴダール監督に哀悼の意を捧げ、ある批評家の文章を掲載する。その名はケント・ジョーンズ。批評家としてキャリアをスタートさせ、ニューヨークのリンカーン・センターやフィルム・フォーラムで映画プログラマーとして活躍。90年代にはマーティン・スコセッシのアシスタントを務め、2012年にはアルノー・デプレシャン『ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』の脚本家を務めるなど、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:20 PM

November 8, 2022

《ドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形 in 東京2022》『沈黙の情景』ミコ・レベレザ&カロリーナ・フシリエル

[ cinema ]

 海の中、あるいはその表面において、うねりを映しだす画面はひどく揺れている。われわれは高速で過ぎ去っていく波のなかへとかき混ぜられていく。岩礁へと上陸すると、カメラはその動きを静止させ、日差しを受けるその岩肌をとらえる。そこには、ゆるやかに触角のようなものをのばす、不思議な影が映りこんでいる。  アカプルコに由来する架空の地、メキシコの太平洋沖カパルコにある島に建てられながら、打ち棄てられたままと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:23 PM

November 7, 2022

《第23回東京フィルメックス》『すべては大丈夫』リティ・パン

[ cinema ]

 広がる砂丘。突如、砂を切り裂いて、地中からオベリスクのような四角柱がせり上がってくる。それが、微速度撮影でとらえられた植物の発芽の光景のようですらあるのは、実際の砂漠に比べて、ひとつひとつの砂の粒が大きく、ミニチュアを撮影したものだとわかるためだ。やがて、村々があらわれ、素朴な表情を持った人間やイノシシ、猿といった動物たちの人形が姿をあらわす。そしてそこに、まるで人類の野蛮と汚辱にまみれた歴史を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:45 PM

November 5, 2022

《第23回東京フィルメックス》『ソウルに帰る』ダヴィ・シュー

[ cinema ]

 韓国歌謡が冒頭のクレジットとともに小さく響き渡り、やがてヘッドフォンを付けた面長でボブカットの女性が映し出される。彼女は目の前にいる誰かに気付き、慌ててヘッドフォンを外す。その女性テナはソウルのゲストハウスで働いていて、今は客に応対しなくてはならない。英語で話すアジア系の女性客が、テナが聴いていたのはどんな音楽なのかと問うと、テナはヘッドフォンをその女性に渡す。女性がヘッドフォンを付けた途端、先...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:08 PM

November 3, 2022

《第35回東京国際映画祭》『タバコは咳の原因になる』カンタン・デュピュー

[ cinema ]

 『タバコは咳の原因になる』は、ニコチン、メタノールなどとタバコの成分で呼ばれる5人のメンバーで構成された「タバコ戦隊」が、有害物質をビーム光線でお見舞いし、ごつごつねちょねちょした怪人を倒すチープなアクションシーンで幕を開けるが、そこに現れるのは一人の少年である。草むらにいる少年は、双眼鏡を借りるため車に乗った父親を呼び寄せ、彼らのことを問われるとこう口走る。 「タバコ戦隊は世界一かっこいい」 ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:32 AM

《第35回東京国際映画祭》『イルマ・ヴェップ』(2022)オリヴィエ・アサイヤス

[ cinema ]

 1996年の『イルマ・ヴェップ』(以降、旧『イルマ・ヴェップ』と記載する)をHBOの連続ドラマシリーズとしてリメイクしたこの新しい『イルマ・ヴェップ』(以降、新『イルマ・ヴェップ』と記載する)は八つの章立てから構成されている。ドラマシリーズとしての全体尺も413分と膨大になり、オリジナルの99分と比較すればその違いは明らかだ。しかしそもそも、この作品のコアとなっているもう一つの映画、1915年か...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:32 AM

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