journal

« October 2024 | メイン

November 12, 2024

『HAPPYEND』空音央

[ cinema ]

 今年の9月、イタリアで開催されたヴェネツィア国際映画祭において本作『HAPPYEND』のワールドプレミア上映が行われた。上映後には監督である空音央がパレスチナの伝統的なスカーフ「ケフィエ」と連帯を示すワッペンをつけて登壇したことが話題になっており、私も気に留めていた作品の一つであった。  衆議院議員選挙の投開票日、選挙権を持っていない私はSNSで開票速報についての話題が飛び交うのを横目に、本作を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:37 PM

November 10, 2024

『灼熱の体の記憶』アントネラ・スダサッシ・フルニス

[ cinema ]

 『灼熱の体の記憶』は、コスタリカに住む60~70代の女性たちが、自らの人生を振り返り、また今の自分を見つめながら、自らの性とどう向き合ってきたか、何に苛まれ、何を欲してきたのかを語る作品だ。しかし、彼女たちは匿名を希望したために、映像自体は少女期、若年期、老年期(現在)など時期に分けて俳優が演じており、複数人の女性たちによるヴォイスオーヴァーが背後に流れる構成になっている。すなわち、ストーリーは...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:48 AM

November 1, 2024

『SUPER HAPPY FOREVER』五十嵐耕平

[ cinema ]

 クラブ帰り、小腹を満たすためにコンビニで買って食べたカップラーメンがおいしいと思えるだけで、「永遠にずっとめちゃくちゃ幸せ」なはずなのに、そんな「当たり前のこと」を「SUPER HAPPY FOREVER」とか英語に翻訳(=交換)して、余剰価値を発生させているのがムカつく。だから、その余剰で生まれた金色の指輪を佐野は映画のフレームとフレームのあいだに捨ててしまったのだろう。  佐野は古着屋のまえ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:31 PM

『ボーガンクロック』ベン・リヴァース

[ cinema ]

 夜道でトレーラーハウスを引いてきた自動車が止まり、運転していた男は、なにかものを探してでもいるかのように鼻歌を歌いながら後ろのトレーラーハウスへ入っていく。しばし懐中電灯の光が動いているのが見えるが、彼がなにをしていたのかは誰にもわからない。そのまま眠りについたのだろうか。その男=ジェイク・ウィリアムズこそがこの映画の主たる登場人物である。そして観客は、彼が鳥肉をさばき調理し、山を散策し、ひと休...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:21 AM

November 2024

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

November 2024