目黒駅近くの雑貨屋さんで間抜け面の黒猫のわなげを見かけて、衝動買いしてしまいました。
また新宿の“ジュテ”に遊びに行くようなことがあったらさりげにそっと、トモヨサンの目を盗んで置いて行ってしまおうかな。
“ジュテ”というのはゴールデン街の飲み屋さんで、トモヨサンというのはそこのオーナーです。
私のような小娘の行くお店ではありませんが、隣で酔っ払っているおじさん達は大方若者オーライ。時々説教もされますが。
今週は一昨日、ジュテに行きました。次号“nobody”の中でトモヨサンにインタビューをさせて頂きたくて、その旨を伝えに。実現するかどうかは未だ不透明ですが「凄く面白かった時代なだけにね、あまりね、懐古はしたくない」とゆっくり言葉を紡いでいくトモヨサンをぼーっと眺めてた時、「68年の新宿」を生きていない79年生まれの小娘はそこで初めて一瞬だけの「68年・新宿」のリアリティをくんくんと、嗅いでいたような気がしてます。
都庁やパーク・ハイアット等々の高層ビルが立ち並ぶ西新宿方面に引っ越した実姉の所に寄ったり、今日もマインズタワー方面に用事があったので足を運んだり、最近は図らずも新宿とご縁が深い。こうして私の頭の中にも段々と、新宿の“地図”と“物語”が作られつつあります。山手線を降りてマインズタワーの方に行くのなら多分南口から甲州街道を歩いた方が近いんだろうけど、例え遠回りだとしても高島屋と紀伊国屋の間からJRの線路を跨いでサザンテラスへと繋ぐ白くて大きな歩道橋を歩いて行くのがいい。この橋が好き。いつも人通りが多く、「ここ」と「よそ」を行ったり来たりするたくさんの“⇔”がここにはあります。「ここ」と「よそ」には名前が付けられますが、“⇔”に名前はありません。あるのは矢印の運動だけ。それが堪らなく、いいんです。
澤田陽子