CINEMALINK 第12回は「カプリッチ特集Part 1」と題し、いまフランスでもっとも注目される先鋭的な映画レーベル「カプリッチ(Capricci)」の配給作品をお届けします! 本誌36号でインタヴューを行った、「カイエ・デュ・シネマ」誌出身の批評家にして、ストローブ=ユイレやペドロ・コスタらの作品をプロデュースしたことでも知られるティエリー・ルナス。彼が率いるカプリッチは、ジャン=クロード・ルソー、アルベルト・セーラ、ピエール・クルトンほか、現代映画の可能性を最小限のマテリアルから追求する映画作家たちのもっとも善き理解者です。今回、同レーベルの協力によって上映が実現する作品は、木下香+アラン・ドゥラ・ネグラ監督による『猫、聖職者、奴隷』。インターネット上での「セカンドライフ」に魅き込まれた人々の生を映し出すこのドキュメンタリー作品はもちろん日本初上映です! ぜひ この機会をお見逃しなく!

11/19(土)
開場 19:00/開演19:30

上映作品: 『猫、聖職者、奴隷』(監督・脚本:木下香+アラン・ドゥラ・ネグラ)
会場: UPLINK FACTORY
料金: 予約¥1,600/当日¥1,800(共に1ドリンク付き)

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木下香(きのした・かおり)&Alain Della Negra(アラン・ドゥラ・ネグラ)

パリを中心に活動。2005年の短編作品『近隣』( Neighborhood)以来、ヴァーチャルな分身、あるいはアバターといったものによって人々が保つ関係性について、問いを投げかけるような作品を制作している。

Capricci(カプリッチ)

現在、フランスでもっとも先鋭的な作品の配給・製作を手がけ、また映画についての多様な書籍を出版しているレーベルのひとつ。主な製作作品に『あなたの微笑みはどこへ隠れたの?』(ペドロ・コスタ)、『彼のアパルトマンで(De son appartement)』(07、ジャン=クロード・ルソー)、『鳥の歌』(アルベルト・セーラ)。配給作品には『ナンバー・ゼロ』(ジャン・ユスターシュ)、『ヴァンダの部屋』(00、ペドロ・コスタ)、『果てなき路』(モンテ・ヘルマン)などがある。また映画関連書籍の出版も精力的に行っており、最近ではロカルノ国際映画祭でのレトロスペクティヴに併せて、エマニュエル・ビュルドーによる長大なミネリ論、『ヴィンセント・ミネリ(VINCENTE MINNELLI)』が出版された。レーベル名はカルメロ・ベーネの1969年の同名作品から取られている。 オフィシャルサイト:http://www.capricci.fr/

『猫、聖職者、奴隷』2009年/79分/16:9/カラー(*英語、字幕なし、DVD上映)

ファーリー(毛皮に覆われたキャラクター愛好家)のマーカス、彼に眠れる動物は猫だ。現代牧師のベンジャミン、彼はヴァーチャルの教会で説教をする。クリスはオンラインゲームの世界の支配者であり、彼は自分の部屋から「奴隷」たちの性生活を管理している……。「セカンドライフ」の3つの寓話的な共同体についてのドキュメンタリー作品。

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