Soi48インタヴュー
知らない場所に行って、友達を作って、レコードを探す
Soi48(宇都木景一[左]&高木紳介[右])
「旅するタイ・イサーン音楽ディスクガイド TRIP TO ISAN」は、モーラム、ルークトゥンなどタイの東北部イサーン地方の音楽を中心に、膨大な情報量と濃密さが溢れたディスクガイドだ。Em recordsからタイ音楽をリリースし、『バンコクナイツ』では劇中に流れる音楽を監修したSoi48のふたりが、アーティストたちのインタビュー、膨大な数のレコード盤の紹介によってイサーン音楽を解き明かしている。『バンコクナイツ』を見てイサーン音楽に興味を持った人も、モーラムの語りやケーンの音色に熱狂した人も、さらにイサーン音楽にのめり込むこと間違いなし。
なぜイサーンなのか?そこにはSoi48が長い時間をかけて発見したこの地方の音楽の魅力や、旅する中で知り得たイサーンの人々たちが持つ貴高さがあった。書を持って、旅に出よう。
イサーンへの旅
——「旅するタイ・イサーン音楽ディスクガイド TRIP TO ISAN」(以下、「TRIP TO ISAN」)の表紙には「ISAN」の文字が大きく書かれています。モーラムなどイサーンの音楽に、おふたりはどのようなところから興味を持たれたのでしょうか。
宇都木:モーラムというのは基本ミニマル・ミュージックなんですね。ビートはぶっちゃけどうでもいいんです。ヒップホップと一緒で声なんですね。それをラムと言うんですけど。抑揚をつけて語る芸能というのがモーラムなので。抑揚をつけるためにはビートってミニマルじゃないといけないじゃないですか。僕らはもともとテクノが好きだったのでそのミニマルさが直球でガッと来たんです。
高木:だから、ダンス・ミュージックだったんですね。僕も最初の頃はモーラムとして聴いてないです。テクノとして聴いてました。