思い出したように新宿のCODEでDJをやっているというゲイの友達を呼びだしてみた。雑誌にには関係なく個人的な興味からではあるが。彼は一度nobodyで原稿を書いたこともあるので「今度nobody新宿特集なんだけどさ。」と振ってみたがあまり反応がない。都市を「テクスト」と「読者/登場人物」という関係ではなく「上演」と「観客/演者」という枠組みで捉え直すという、都市論について書かれた本があるのだが、演者の側はそんなことまったくお構いなしといった様子で、彼にとっては68年の新宿なんてものは全然関係なく新宿へ遊びに行くのだろう。それが普通なのであって、いまになって掘り起こす我々の方が特異であるかもしれず、例えばそれは彼がDJでかけるトランスというジャンルの音楽に自分が全然関心が持てないのと同じことかもしれないが。
結局「彼氏ができた」とかそんなどうでもいいことを話しつつ、彼の地元の町田をぶらぶら歩いていると、109が完成していた。駅周辺をすべて東急のが開発している街とのことだと、その友人に教わる。いつのまにかドン・キ・ホーテも開店していて、ある意味渋谷の様になりつつあるようで不気味だった。渋谷について、西部資本が面的に開発したと先に挙げた本で紹介されている。渋谷と町田の差異は東急か西部かといったことではないわけだが。
志賀正臣
|