8月末に発売されたというミシェル・シオン『映画の音楽』(みすず書房)をようやく購入。
ミシェル・シオンの『映画にとって音とは何か』という本を手にとったのは大学に入ってしばらくした頃だっただろうか。その頃は図書館にあって何度も手にしたものだが、いつの間にかなくなっていた。その後仕方がないから買おうと思ったのだけど、その頃には絶版になってしまっていて、いろんな本屋を探し回ったけど結局見つからなかった。
そのものずばり「映画にとって音とは何か」ということを詳細に論考したこの本は、私にとってそのことを初めて考えさせてくれた本である。そして今となっては結果的に手元にこの本がなかったことで、この本を読んだときの衝撃ばかりが記憶に残っているのだが、あれからだいぶ経ってようやく手にした『映画の音楽』をどきどきしながら読書中である。
今週は日仏学院にてティエリー・ジュスの『コードネームはサシャ』の上映(12日 14時30〜)もある。「映画にとって音とは何か」という問いはまだまだ続きそうだ。
中根理英