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July 2, 2020

『小さな泊まれる出版社』真鶴出版
隈元博樹

 神奈川県足柄郡下真鶴町。2018年に県で唯一の過疎地域に指定された、人口約7300弱の小さな港町。この町にある真鶴出版を知ったのは、横浜国立大学大学院都市イノベーション学府の広報誌「YNU YEARBOOK2019-2020」に掲載された「人と地域をつなぐこと」という座談会だった。そこでは真鶴出版の川口瞬と來住友美、同出版2号店のリノベーションを担当した「トミトアーキテクチャ」(以下、トミト)の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:18 PM

July 14, 2019

中山英之展 , and then@TOTOギャラリー・間
隈元博樹

 会場の「ギャラリー・間」には、展示と上映を行うための3つの空間が存在する。3Fの展示空間には中山英之がこれまでに手がけた「2004」「O邸」「道と家」「弧と弦」「mitosaya薬草園蒸留所」「かみのいし」にまつわる参考文献やスケッチ、図面、写真、模型が縦横に広がり、台座の側面や壁面には自身の着想と考察を交えた直筆のキャプションが施されている。また外のテラスには、ベニヤ板に石の表面がプリントされ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:57 PM

March 17, 2013

東横線渋谷ターミナル駅
藤原徹平

3月16日から、副都心線と東横線が相互乗り入れし、東武東上線~副都心線~東横線~みなとみらい線が一つにつながった。これで気持ちよく泥酔すれば埼玉県・川越から東京を縦断して横浜・元町中華街まで寝過ごすことが可能になったわけだ。僕は1975年生だが記憶している限り、横浜駅はずっと昔から工事中で、つい先日駅ビルを見上げてみたら半分くらいなくなっていることに気が付いた。詳しい人に聞いてみれば全部解体して...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:08 AM

November 18, 2011

『べガス』アミール・ナデリ
増田景子

 新しい映画監督との出会いほどワクワクすることはないし、その出会えたばかりの監督の最新作の公開が近日中に控えているなんていう状況は、2011年現在の映画状況からしてみれば希有な幸福で、興奮をよぶ興奮、その歓喜をさけばずにはいられないのである。ともかく、アミール・ナデリとの出会いは衝撃であった。  恥ずかしながら私は『CUT』の監督名を見るまで、東京国際映画祭の常連で、今年の第12回東京フィルメック...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:11 PM

October 18, 2011

メタボリズムの未来都市展@森美術館
梅本洋一

 六本木ヒルズの森美術館で「メタボリズムの未来都市展」を見た。  すごく驚いた! どれも巨大で、どれもナショナルで、どの企画も幻視的(illusionnniste)で、ほとんどのものがunbuiltで──つまり、幻視的であるがゆえに「机上の空論」なのか──、同時に、ほとんどのプロジェクトが極めて真面目に考えられていて、本当に驚いた。もちろん、unbuiltではないものでは、黒川紀章の中銀カプセルタ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:49 PM

November 30, 2010

『行きずりの街』阪本順治
梅本洋一

 志水辰夫の原作を読んでいないし、水谷豊主演で一度テレビドラマ化されたようだが、それも見ていない。何となくこの映画を見た。平日の午後の横浜ブルク13という新しいシネコンはガラガラだった。  見る者に少しずつしか物語のキーを与えない編集が続く。きっと複雑な話なのだろうと思う。田舎の病院で呼吸器を付けている老婆。見守る波多野(仲村トオル)。老婆の遠縁にあたる娘を東京へ探しに行く波多野。なぜ?  確かに...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:21 AM

October 27, 2010

『刑事ベラミー』クロード・シャブロル+『ゲスト』ホセ・ルイス・ゲリン@東京国際映画祭
結城秀勇

『刑事ベラミー』クロード・シャブロル。墓地とそこに流れる口笛。カメラがゆっくりとパンし始め、それがクレーンを使ったパンに切り替わって左回りにぐるりぐるりとこうべを巡らせていくと海へ。しかし最終的にカメラが指し示すのは美しい海の姿の方ではなくて、その縁の掛けしたに落ちた丸焦げの車と、そのすぐそばに転がる丸焦げの死体である。 この事件の発端を示すショットを映した後すぐに、そこから30km離れたベラミー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:51 AM

September 13, 2010

クロード・シャブロル追悼
梅本洋一

 9月12日にクロード・シャブロルが亡くなった。リベラシオン紙は、「フランスは、自らの鏡を失った」(オリヴィエ・セギュレ)と書き、レザンロキュップティーブルのサイトも「フランスは、その最良の肖像画家を失った」と書いている。自らが属するブルジョワジーへの表裏一体になった愛着と嫌悪が彼の作品の多くには噎せ返っていたし、『美しきセルジュ』以降、70本ほどになる数多い作品で、彼が描き続けたフランスの地方の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:52 PM

August 14, 2010

『ソルト』フィリップ・ノイス
結城秀勇

 東西冷戦の落とし子として、数十年間という時間をかけてアメリカ人になりすましCIAに潜入したロシア人女スパイ。そのシンプルかつ典型的な設定にもかかわらず『ソルト』のストーリーには、どこかタガの外れた部分がある。ロシア人大統領を暗殺し、その報復に見せかけてアメリカの大統領を殺し、中東を巻き込んで世界規模の核戦争を引き起こす、などというどこの国家の利益にもならない陰謀自体がそうなのだが、それを食い止め...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:41 PM

June 15, 2010

『テト』後閑広
田中竜輔

 このフィルムが私たちに明瞭に提示してくれる最初のことは、水に濡れたパラシュートはとても重い、というごく単純な事柄である。何らかの理由でパラシュートによる降下訓練に臨まされた国家諜報員見習「テト」が、沼地に足を取られつつ着水したその場所から陸地までそれを引き摺る冒頭のシークエンスから、私たちはその大きな布の重みを見てとることができる。そんなものを実際に引き摺った経験など誰にでもあるわけはないという...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:23 AM

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