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January 25, 2007

不二家伊勢佐木町店
梅本洋一

 ある晴れた午後に不二家伊勢佐木町店を見に行った。もちろん期限切れの牛乳を使用したシュークリーム事件の後のことだ。この事件で、アントニン・レーモンドのこの傑作建築の寂れぶりに拍車がかかったようだ。かつては天井の高い1階の喫茶室には中二階が設けられ……ぼくはそう『建築を読む』に書いたのだが、1階の喫茶室の前にあるシューケースは空っぽで、入り口には「お詫び」の紙が貼られ、営業中の不二家レストラン──い...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:50 PM

January 24, 2007

「シアタープロダクツの現場」@パルコミュージアム
結城秀勇

設立5周年を迎えたシアタープロダクツの展覧会が、渋谷パルコミュージアムで1月29日まで開催されている。「シアタープロダクツの現場」と題されたこの展示では、事務所やアトリエをこの会期中会場の中に設け、まさにその場で、デザインがなされ、パターンがひかれ、工場とのやりとりがあり、営業、そして打ち合わせが行われる。一枚の布から引きはがされた断片がTシャツになり売買される、そんな方法で、流通の末端にある「買...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:46 PM

September 5, 2006

柳橋、2006夏
梅本洋一

 特に理由があるわけではないが、柳橋に行ってみた。あえて理由を探せば、成瀬の『流れる』を見てから何度も撮影現場を訪れようと思ったが、単に機会がなく、最近『流れる』を見直したので、柳橋に行ったにすぎない。  神田川と隅田川が合流する地点、それが柳橋である。神田川筋には何艘もの屋形船が並び、水の綺麗になった隅田川に人気が戻ってきているのを感じる。だがかつての花街・柳橋は、その「橋」こそ存在するが、花街...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:39 AM

August 25, 2006

三信ビル、その後
梅本洋一

 先日、日比谷を歩いていたら、三信ビルがガランとしているのに気付いた。ビルのテナントはもうほとんどが引っ越し、「ニューワールド・サービス」だけがほそぼそと営業を続けていた。韓国観光協会もヌーヴェルヴァーグもその姿を消し、美しいアーケートの中央には壁が設けられ、調査のため立ち入り禁止の紙が貼られていた。いよいよ解体へと秒読みが始まっているのだろう。  ネットで調べてみると、三信ビル保存プロジェクトも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:07 AM

July 25, 2006

『2番目のキス』ファレリー兄弟
須藤健太郎

 ロブ・ライナーの新作がつい1ヶ月ほど前に封切られていたことを何人ぐらいの人が覚えているだろう。かく言う私も気付いたときはすでに公開は終わっており、あっさりそれを見逃したのだから、偉そうなことは言えない。主演のケイト・ハドソンがめちゃめちゃ可愛かったとはいえ、前作『あなたにも書ける恋愛小説』にはやはりいまいち乗れなかったので、秘かに新作を期待していたのだったが……。いまはどこかの二番館に回ってくる...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:39 PM

May 10, 2006

アーセナル対ウィガン 4-2
梅本洋一

僥倖とはこのようなことなのか。 スパーズは勝ち点1差で4位。アーセナルは5位。したがって、アーセナルの来期チャンピオンズリーグ出場は、17日に決勝でバルサに勝つか、この日に勝利を収め、スパーズが敗退するか引き分けるかしかあり得ない。しかもプレミア最終日であると同時に93年の歴史を持つハイバリー最終戦。 展開は必ずしもよくない。ウィガンのいつものパワーフットボール。手数を少なくし、ロングボールを前戦...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:26 AM

April 1, 2006

終焉への時間——『ラストデイズ』ガス・ヴァン・サント
舩橋 淳

 最初から死んでいる人間がいかに物理的な死を迎えるか、その決定的な結末までの時間を描くのがGus Van Santである。ジャームッシュの『Dead Man』もすでに死んでいる人間が身体的な死を迎える時間を描いた。ジョニー・デップのウィリアム・ブレイクは文字通り彼岸へと旅立っていった——ポエティックな世界へと。しかし、Van Santの場合、半死半生のミュージシャンがイマジナリーな領閾に浸りきった...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:31 PM

March 27, 2006

『マンダレイ』ラース・フォン・トリアー
結城秀勇

 「ドッグヴィル」を後にしたグレースは「マンダレイ」に立ち寄る。そこはローレン・バコール演ずる「ママ」の法律が支配する場所だった。グレースは村人を時代錯誤的な「ママの法律」から解放しようと試みるのだが、結局のところその試みは失敗し、自分が新たな「ママ」になることでしか「マンダレイ」と関係を持つことができなくなる。  マンダレイという街を存在させる原理が、ママの権力で繋ぎとめられた被支配者たちである...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:54 AM

March 9, 2006

「表参道ヒルズ」安藤忠雄
梅本洋一

 原宿駅前にもキディランド前にもまだ歩道橋がなかったころ、ぼくは原宿に住んでいた。東京オリンピック直後のことで、コープオリンピアに並ぶ国土計画(?)のビルの向こうには富士山が見えていた。振り返るとなだらかに明治通りに下っていく表参道がふたたび青山通りに向かって上っていく姿が眺められた。表参道の両サイドにはまだ民家もあって、鈴木くんや青柳くんなど同級生の家もあった。雪の朝は原宿駅前から車の通らない表...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:46 AM

February 24, 2006

『マイ・アーキテクト』ナサニエル・カーン
梅本洋一

 ルイス・カーンの私生児として生まれたナサニエルが、父の姿を追うドキュメンタリー。だが、このフィルムはいかにも中途半端なものとして終わっている。一度にふたつのことを実現しようとして、そのどちらにも失敗してしまったからだ。ふたつのこととは、まずルイス・カーンの建築、そしてナサニエル自らの出自。このふたつのことは実のところほとんど関係がない。カーンの建築の凄さと彼が愛した3人の女性の物語には関係がない...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:10 PM

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