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December 14, 2024

『私の想う国』パトリシオ・グスマン監督インタビュー

積み重なる「歴史=ストーリー」の核

2019年、チリで「社会の爆発」と呼ばれるチリ史上最大規模の社会運動が起こった。新自由主義の実験場とされたチリで降り積もってきた人々の怒りがついに暴発した。『チリの闘い』を代表作として50年以上チリ社会を記録し続けてきたパトリシオ・グスマンはこの出来事に突き動かされ、最新作『私の想う国』を制作する。 今作の日本公開にあわせて、パリ在住のグスマン監督にオンラインでインタビューを行った。監督の体調を考...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:43 PM

September 20, 2024

『満月、世界』塚田万理奈監督インタヴュー「本物の人間たちに、書かれた物語が少しずつ負けていって、現実に近づいていったらいい」

 年齢の離れたふたりの女性の関係性の変化を描いて幕を閉じた前作『空(カラ)の味』(2016)から8年。監督の塚田万理奈は、成長する子供たちを10年がかりで16mmフィルムにおさめる長編第2作『刻』を今も撮影中だ。そのプロジェクトの折り返し地点として公開されるのが、「満月」(みつき)と「世界」という2本の短編をおさめた本作『満月、世界』(2023)だ。 『空(カラ)の味』では、子供の視点から年長の女...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:00 PM

September 13, 2024

【後編】『石がある』太田達成監督、出演・加納土インタビュー「夜と昼の間で」

 大きな水門にぶつかることで、ふたりはそれ以上先に進めなくなる。そのときはじめて、「どこに向かっているのか」がふたりの間で問題になる。行きはよいよい帰りはこわい。日が傾き近づいてくる夜と、ふたりのそれから。(前編はこちら) ーー枝一本からなにかが生まれたという話と、直後の場面で小川さんが約束の場所に行かずに川を去ろうとする場面はどこか対照的なような気がします。あのとき彼女はiPhoneを取り出しま...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:05 PM

September 6, 2024

【前編】『石がある』太田達成監督、出演・加納土インタビュー「川と岸の間で」

 「なにもない」旅先で、見知らぬ誰かに出会う。ただの石、ただの枝と呼ぶほかないものが、それでもそれだけが持つ特徴によって、無数の石や枝の中でも特別なものになる。でもだからといって、この出会いが恋や愛と呼ばれなければいけないわけじゃない。無名なものと有名なもの、川と岸、ありふれたものとスペシャルなもの、それらの境目を『石がある』は漂い続ける。  順撮りでふたりの川辺の行程をたどるように撮影されたとい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:08 PM

June 8, 2024

『左手に気をつけろ』『だれかが歌ってる』井口奈己監督インタビュー ──出会うとか、すれ違うとか、別れるとかに意味がないってことこそ奇跡──

まだ映画のことなどよく知らない、自由に映画を撮れるはずのこどもたちであっても、じっさいに制作の場に立てば、人としてちゃんとしなければいけない、ということを『こどもが映画をつくるとき』は教えてくれた。人の話を聞かなくてはいけないし、無断で撮影をしてはいけないし、そのためにタイミングを見計らって色んな人に丁寧なお願いをしなくてはいけない。映画は仲間や仲の良い人たちだけで好き勝手につくれるものではなく...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:07 PM

May 27, 2024

第77回カンヌ国際映画祭報告(4)ファブリス・アラーニョ インタビュー《後編》
槻舘南菜子

インタビュー《前編》はこちら ーージャン=リュック・ゴダールは、常に新しいテクノロジーに関心を持ってきました。たとえば、彼に強い影響を受けたフィリップ・ガレル監督は、フィルムでしか映画を撮りません。ゴダールは、自分の映画を変化させ続けること、そして、結果として映画の定義そのものを変化させました。彼のテクノロジーへの関心についてどう思いますか。 私はあなたからの影響もあるのではないかと思っています。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:02 PM

第77回カンヌ国際映画祭報告(3)ダフネ・ヘレタキス インタビュー
槻舘南菜子

カンヌ国際映画祭には、四つの短編部門が存在する。公式部門には、コンペティションと学生映画(Le Cinef)部門 、そして、併行部門である監督週間短編部門(ノンコンペティティブ)と批評家週間短編部門(コンペティション+特別上映)である。とりわけ公式部門と批評家週間部門のコンペティションにノミネートすることは、ヨーロッパを出自にするか否かに関わらず、初長編を製作するに当たっての大きな飛躍となる。なか...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:39 PM

May 20, 2024

第77回カンヌ国際映画祭報告(2)ファブリス・アラーニョ インタビュー《前編》
槻舘南菜子

ファブリス・アラーニョは、長年ジャン=リュック・ゴダールの右腕としてサポートを続け、終着点となる作品『Scnéarios』は、生前のゴダールによる詳細な指示のもと、彼の手によって完成した。自身も映画作家であり、ゴダール作品をインスタレーションという形で、別の「生」を与えることを使命としている彼の言葉を聞いた。 ーーあなたは20年来、ジャン=リュック・ゴダールと共犯関係にあり、アシスタントを務めてき...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:22 PM

May 18, 2024

第77回カンヌ国際映画祭報告(1)ミトラ・ファラハニ インタビュー

「芸術」という言葉に身を委ねて

槻舘南菜子

ジャン=リュック・ゴダールが残した最後の作品となる『Scnénarios』が、公式部門カンヌクラシックにて上映された。 『イメージの本』の危機を救い、『A Vendredi Robinson』で我々の知らないゴダールの姿を捉え、そして、彼の終着点まで寄り添った、ミトラ・ファラハニに話を聞いた。 ――監督やプロデューサーになる前に、あなたはまず第一に画家でしたね。映画制作であり、製作(特に監督)を始...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:00 AM

May 13, 2024

『悪は存在しない』大美賀均インタビュー「森を迂回して」

早急に建設されようとしているグランピング施設を巡る、地元住民と東京から来た芸能事務所の二人組との討論は、『悪は存在しない』においてもっとも魅力的な場面のひとつである。不透明な計画の粗を地元住民たちは各々の言葉、語り方で的確に詰めていく。そんな場面を見ながら、ではこの映画の監督である濱口竜介は謎多き『悪は存在しない』というプロジェクトをスタッフ、キャストにどのように説明したのだろうか、と気になった。...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:59 PM

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