1日1秒のアニメーション作品を、2012年4月1日から365日間連続で発表してきた「WONDER 365 Animation Project」。このとてつもない壮大なプロジェクトが、このたび365秒のアニメーション作品『WONDER』として完成を迎える。水江未来の手によって1枚1枚描かれた細胞たちが、鳴り響くリズムとともに蠢きはじめたとき、我々はそこに新たなアニメーションの萌芽を目撃するにちがいない。そんな『WONDER』完成間近のさなか、インディペンデントアニメーションレーベル「CALF」からの独立、そしてアトリエ兼用の新居に越して間もない氏に、ターニング・ポイントとなるであろう現在の心境を語ってもらった。
――前回水江さんとお会いしたのは、去年の8月に行われた福岡での映画祭のことでした。あれから現在に至るまでの制作状況について振り返っていただければと思います。
水江夏にお会いした時は『WONDER』のプロジェクトを開始して半年なるかならないかぐらいでしたよね。あの頃はどう思ってたのかなあ……毎日発表するんで、アニメーションを描く締め切りに追われている感じと言うか、かなり精神的に張り詰めた状態がずっとあった気はしますね。１年間終わってみて気づいたんですけど、やってる時はそういう状態を自分で作っちゃったので、やるしかないって感じでした。今は気持ち的に解放感がありますが、「大変なチャレンジをやってきたんだなあ」というのはありますね。
水江未来(みずえみらい)
1981年、東京都生まれ。細胞や幾何学模様などをモチーフにした抽象的な作品を多数制作。世界4大アニメーション映画祭すべてにノミネート経験があり、『MODERN No.2』(11)はヴェネチア映画祭正式出品、アヌシー国際アニメーション映画祭2012音楽賞受賞。イラストレーター、デザイナーなどと活動は多岐に渡る。
『WONDER』
監督:水江未来/音楽:パスカルズ
助成:文化芸術振興費補助金
協賛:にしすがも創造舎
製作:CALF/CaRTe bLaNChe
http://wonder.calf.jp/
2013 年夏より全国順次公開予定
『WONDER』製作資金公募(クラウド・ファンディング)のご案内
水江未来監督の新作『WONDER』は、アメリカのクラウド・ファンディングサイト「キックスターター」にて製作資金を公募しております。いただいた資金は楽曲制作費や映画祭出品のための費用、35ミリプリントフィルムの作成などに充てられます。なおご支援いただいた方には、支援額に応じて水江監督のDVD未収録作品やこれまで描いてきた作品の原画をプレゼントするなど、さまざまな特典もご用意。詳しくは以下の『WONDER』公式ウェブサイトにある支援方法をご覧ください。
http://wonder.calf.jp/kickstarter
