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October 17, 2005

『マルグリット、あるがままの彼女』ドミニク・オーブレイ
須藤健太郎

 ドミニク・オーブレイは、マルグリット・デュラスの友人であり、『バクステル、ヴェラ・バクステル』『トラック』『船舶ナイト号』などデュラスの映画の編集者として彼女を支えていた。このフィルムは、そんな彼女によるデュラスのドキュメンタリーである。彼女の幼年時代の写真から撮影された当時のインタヴュー映像まで、作家、映画監督としてだけではないデュラスという人の様々な表情が捉えられている。親しくしていた哲学者...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:16 AM

October 14, 2005

『前川国男──賊軍の将』宮内嘉久、『吉阪隆正とル・コルビュジエ』倉方俊輔
梅本洋一

 小学生の頃、ぼくは神奈川県立音楽堂へ鰐淵晴子のヴァイオリンを聞きに行った。ぼくが行きたかったわけではなく、母親が息子の「情操教育」によいと勝手に判断して、小学校のクラスで団体販売していたチケットを買ったのだと思う。そこで、後に女優になる天才ヴァイオリニストが何を演奏したかはまったく覚えていない。ぼくが覚えているのは、桜木町から少し歩いた場所にある坂道を上り、その中腹にある駐車場から音楽堂に入ると...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:49 AM

October 1, 2005

『黒い時計の旅』スティーヴ・エリクソン
月永理絵

 90年にベネッセ(福武書店)から刊行されたスティーヴ・エリクソンの『黒い時計の旅』が、今年8月に白水社から再刊された。エリクソンの小説を読むのはこれが初めてだ。冒頭には、ヒトラーとその姪であるゲリという少女との関係について書かれた簡潔な文章が付されている。この嘘か真実かわからない関係から、壮大な物語が始まる。 『黒い時計の旅』は、もうひとつの20世紀の物語である。第二次世界大戦でドイツが負けず...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:21 AM

September 18, 2005

『初代総料理長サリー・ワイル』神山典士
梅本洋一

 大学時代、祖父から日本のフランス料理にはふたつの系統があり、それは帝国ホテル系とホテル・ニューグランド系だと聞かされたことがある。祖父は、生粋の浜ッ子だったから、ホテル・ニューグランドへの愛着を込めてそう語っていたのだと思っていた。だが、それ以後、実際にフランス料理を食し、フランス料理についての書物を書いたり読んだりするにつけ、ホテル・ニューグランドとその初代総料理長サリー・ワイルの力の大きさを...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:47 AM

September 8, 2005

『ある夜、クラブで』クリスチャン・ガイイ(野崎歓訳)
梅本洋一

 本当に久しぶりでフランス語の小説を翻訳で読んだ。この小説を読んだのは、野崎歓の『五感で味わうフランス小説』に紹介されていたからだ。こんなストーリーだ。「かつては聴衆の胸を熱くする刺激的な演奏で鳴らしたジャズピアニストが、いまでは工場の温度調節を管理するエンジニアとして地道に暮らしている。ジャズや夜の世界の魅惑から遠く離れて。ところがある晩、ひょんなことから、地方の町のジャズクラブに案内される。こ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:42 PM

August 31, 2005

「昭和住宅メモリー」X-Knowledge Home No.5
梅本洋一

 そうだ! そういうことだったんだ! いつも意欲的な特集を組むX-Knowledge Homeの「昭和住宅メモリー」を眺めていて、思わず「ユリイカ」だった。つまり、今、なくなりつつある風景を惜しんでいるぼくらは、単にノスタルジーに浸っているわけではないんだ。丸の内が変わり、三信ビルが取り壊されようとしていて、国際文化会館が取り壊されてしまい、六本木ヒルズに嫌な感じがしているぼくらの風景のルーツは、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:55 AM

August 27, 2005

「死の谷'95」青山真治(「群像」7月号)
梅本洋一

 確かに10年前、思いもよらぬことが続発した。阪神大震災、地下鉄サリン事件。ぼくらは、それから10年、ぼくらは、それらのことなどなかったかのように生きている。阪神大震災では知人と呼べる人が何人か犠牲になり、地下鉄サリン事件の朝、犠牲者が出た中野坂上駅前を運転していて、ぼくは救急車を何台も見た。それから何時間も何日もテレビにかじりついてことの顛末を(見えもしないのに)見つめていた。  青山真治は、「...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:42 PM

August 16, 2005

『白州次郎、占領を背負った男』北康利
梅本洋一

 今日は日本が太平洋戦争に敗れた日だ。「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び……」という玉音放送の日だ。  最近──ここ10年ぐらいのことだろうか──、戦前をヨーロッパで過ごした人たちに興味を持っている。フランス文学で言えば、久生十蘭、獅子文六──東大系ではない傍系の人たち。イギリス留学組では、白州次郎、そして大倉喜七郎……。こうした時代をヨーロッパで過ごすことは、今に比べれば本当に例外で、皆、育ち...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:23 AM

August 9, 2005

『現代建築のパースペクティブ──日本のポスト・ポストモダンを見て歩く』五十嵐太郎
梅本洋一

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 ポストモダン以降の現代建築の解説書としてはとても適切にまとめられている。誰よりも多くの建築を実際に見て歩いている五十嵐太郎の姿勢は、本書の元になった多くの雑誌や彼のサイトで読むことができる。好奇心にあふれた姿勢と、適切な解説は評価できる。だが、ここ最近の五十嵐のキーワードである、村上隆から想を得た「スーパー・フラット」の全面肯定は、たとえ、その言葉が現在の都市の特徴を極めて十全に表現しているにし...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:35 AM

July 23, 2005

『死神の精度』伊坂幸太郎
結城秀勇

『死神の精度』は、2003年の年末から今年の4月に渡る長いスパンで書かれた連作短編である。 「死神」を主人公として、本格推理風、やくざもの風、恋愛小説風、といった1話ごとに違ったジャンルの形式を利用した物語が展開される。ただ、ジャンルの形式を使って、といっても、形式化を押し進めてそれが破綻を来す地点まで行く、というような試みではもちろんない。「風」というのはあくまでプロットの段階でのことである...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:51 AM

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