1本目は、コンペティション部門でジョン•ヒルコート『Lowless』。アメリカ映画なだけあって、1時間前で恐ろしいほど長蛇の列。作品は、禁酒法時代に密造酒で荒稼ぎする兄弟の話。実話に基づいているそうだが、何とも薄っぺらい登場人物と分かりやすい展開…また外した。
続けてsalle bazinに、ホン・サンスのプレス上映に向かう。
なぜか尺が一時間半なのに、公式上映は一度のみで、プレス上映は、小さな劇場Bazanでの上映だ。嫌な予感がしたので一時間以上前に並んだにも関わらず、五分前まで白、ピンクのパスのジャーナリストを優先的が入場し、結局それだけで満員。相変わらずムカつく!もうバザンでのプレス上映には行かない。しかも、通常ある公式上映当日の朝のプレス上映もホン・サンスはない。ある視点部門のロウ・イエもそうだったけれど、アジア映画は、フランス映画、アメリカ映画と比較すると上映回数が少なく、プレス上映の劇場の規模も小さい。ありえない……。
2本目は入れる上映を探して、どうにかsalle soixantièmeに駆け込む。コンペ外上映でドキュメンタリー作品、Sébastien Lifshitz『Les invisibles』。
セクシュアリティの歴史を、ニュース映像と2つの世界大戦の時代に生まれた人々にインタヴューで綴っていく。非常に誠実に撮られた印象はあるものの、美しい映像と老人たちの甘い思い出話に終始していまっていて、彼らの歴史がもうすでに終わってしまったものとしか感じられない。
3本目は、昨日入れなかった、ブラントン•クローネンバーグ『Antiviral』。近未来を舞台にしたサスペンス? 最低!並んだ甲斐なし。ユスターシュの息子も、ジャック•ベッケルの息子の映画もダメだけど、やっぱりクローネンバーグもダメだった……。たぶんフランスでは公開されないだろうし、レアものを見たと思って何とか気を落ち着かせる。
4本目は、カンヌクラシックでGregg Barson『Method to The madness Of jerry lewis』をSalle Bunuelで。今年のカンヌクラシック部門には、セルジオ•レオーネ『Once upon a time in america』、木下恵介『楢山節考』、ロマン•ポランスキー『テス』、ヒッチコック『The ring』などなど大スクリーンで見直したい作品はあるが、どうしても優先順位が下がってしまう。
ジェリー・ルイス出演作品の抜粋が満載だったのでゲラゲラ笑ったが作品としては普通の出来だった。今日も負けたような気がする……。
夜はKofic(韓国版ユニジャパン)のパーティーに行く。ホン・サンスに会えるのを楽しみにしていたけれど、到着当日のためさすがの彼もダウンして早々にホテルに帰ってしまったようだった。残念……。