アルノー・デプレシャンからのメッセージ

3月17日の朝、アルノーから日本の皆さんへのメッセージを受け取る。以下に訳させて頂きます。

「地震が起きたその日、日本の皆さんが瓦礫の下敷きになってはいまいか、と恐怖におびえていました。友人のみなさん、建物の下になどいないでしょうか?
翌日、津波が押し寄せ、あなた方やご家族の皆さんが波にさらわれてしまうのではないかと恐れていました。友人のみなさん、あなた方は海から離れたところに住んでいるでしょうか?
今晩、福島第一原発から出ている煙を見て、放射線があなた方の身に危険を及ぼすのではないかと不安でいます。そして何千人という方々が被災地で食べ物もなく、寒さに震えていることに心を痛めました。
フランスの新聞では、日本の皆さんが日常を取り戻し始めていると報道しています。でも、私は、まだ茫然自失したままでいます。
10本、20本、いや100本以上の日本映画作品が頭の中に次々と浮かんできます。それらの作品を見て驚き、感動したその思いによって、あなた方と心をひとつにし、ともにいることができます

今朝、私は再び、日本の皆さんのことを心配に思いながら目を覚ましました。自分の人生にとって、あなた方、日本がいかに大切な存在であるのか、気づかされました。あなた方は、私を、私の作品を受け入れてくれた。今、私はそのあなた方に伝えられるのにふさわしい言葉をみつけられずにいます」。

 何度も、何度も書き直し、途方にくれながらも、とにかくまずこの言葉を、と送ってくれました。
ありがとう、アルノー、あなたの作品もどんなに私たちを励まし、勇気づけてくれてきたか。
新作を心から楽しみにしています。