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December 26, 2007

『宇宙の柳、たましいの下着』直枝政広
結城秀勇

 この本を手にしてから早一ヶ月、完読してから三週間以上が経とうとしているが、いまだこの本は家の本棚に並ぶことはなく、読みながら行った引っ越しの際に片づけ損ねた本やCDのはいった段ボール箱の上に置いてある。本棚にしまったと思ったらまた引きずり出してしまうので、めんどくさくなってそのままだ。それがこの本に対する不当な処遇ではないのだということを言い訳してみる。  どこかへ出かける準備をするたびについつ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:03 PM

December 22, 2007

『牡牛座—レーニンの肖像』アレクサンドル・ソクーロフ
松下健二

『モレク神』(99)『太陽』(05)と連作を成す『牡牛座—レーニンの肖像』(01)がようやく公開される。この作品が公開されるまでに実に七年の歳月が経っている。この間、僕は『エルミタージュ幻想』(02)も『ファザー、サン』(03)もそして『太陽』も見てしまっており、ソ連時代から一貫して芸術家であったこの映画作家の動向をすでに目の当たりにしていたのだが、そんななかでも『牡牛座』はまた新鮮に僕の目に映っ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:34 AM

December 21, 2007

『接吻』万田邦敏
宮一紀

 コミュニケーションとは本来的に実現不能な諒解のプロセスないしはその帰結の様態を理念として指し示す語であろう。すなわち人と人とは互いに見知らぬ空白の関係に始まるが、それは共有される言葉や時間によって填充される余白などでは些かもなく、私たちはつねに誤解をもって諒解と解釈するしかない。誤解と諒解とは対極に位置づけられると同時に限りなく近似的である。その意味で私たちはみな等しく孤独な存在である。  遠藤...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:25 PM

November 30, 2007

MICHELIN GUIDE東京 2008
梅本洋一

 すぐ売り切れになった『ミシュラン東京2008』を英語版だけれども、ようやく購入した。内容を一読(一見?)して、とても驚いた。ぼくは、ミシュランのすべてのヴァージョンを見ているわけではないが、とりあえず手元にあるMichelin Franceなどと、この『ミシュラン東京』が大きく異なっているからだ。まずレストラン部門では、『東京』では、掲載されているすべてに☆が付いていることだ。第2にそれぞれのレ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:02 PM

November 15, 2007

『酔眼のまち──ゴールデン街1968~1998』たむらまさき、青山真治
梅本洋一

 今から25年も前のことだ。テオ・アンゲロプロスの『アレクサンダー大王』の試写を銀座の東宝東和第二試写室で見てから、軽く食事をとって、ぼくは、彼女とゴールデン街に行った。伊勢丹の前から横断歩道を渡り、花園神社の脇の遊歩道を通り、ゴールデン街に入って、小路をふたつ通り、角の自販機でタバコを一箱買い、三軒ほどの先の急な階段を上がったところにジュテはあった。狭い店に入ると、あなたたちさっき見てくれていた...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:45 PM

September 20, 2007

チャンピオンズリーグ07-08GS
アーセナル対セビージャ 3-0
梅本洋一

 セビージャは本当にいいチームだ。アタックの姿勢を忘れず、常に前へ前へと前進を続ける。キープする時間がもったいないという感じで左右両サイドからどんどん人が攻め上がってくる。ゲーム開始直後こそアーセナルのパスフットボールを見てしまった感があったが、それになれてくるとアタック!  だが、問題なのはシュートが枠に飛ばないことだ。ワンタイミング外してゆっくりと枠を狙ってもいいところを、シュート・コースが開...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:40 PM

『ROCK DREAM』Boris with Merzbow
田中竜輔

 昨年11月、新大久保EARTHDOMで行なわれたBorisとMerzbowの共演がまるまる収録された2枚組ライヴアルバム。偶然その場に居合わせただけとはいえ、こういったメモリアルな作品がリリースされることは単純に嬉しい。しかしそんな個人的な感覚はともあれ、この作品の真価は、ライヴとライヴ・アルバムというものがまったく別の領域に属したものなのだという事実を、改めて認識させてくれるということにこそあ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:35 AM

August 23, 2007

日本対カメルーン 2-0
U-22 日本対ヴェトナム 1-0
梅本洋一

 本気のリヴァプール対チェルシー戦を見た後だったせいもあるが、今夜見た代表戦2ゲームはどうしようもなく眠い。酷暑のせいばかりではないだろう。単純にパススピードが相当に遅いのだ。リヴァプールならば中盤でショートパスが交換されジェラードから40メートルほどのパスが一気にサイドに展開されたり、チェルシーならばミケルがディアゴナルなミドルパスが繋がれたりする。ところが、この2ゲームを見ていると、「ハイ、お...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:34 AM

August 21, 2007

ブラックバーン対アーセナル 1-1
梅本洋一

 アジアカップが終わったと思ったがヨーロッパの各リーグも続々と開幕している。リーガやセリエはまだだが、ブンデスリーガに続いてプレミアリーグだ。  ルーニーの骨折にもたついているマンU、そしてバルサにアンリが移籍してしまったアーセナル。アーセナルは開幕戦の対フルアムを何とか勝ちに持ち込んで2戦眼は対ブラックバーン・ローヴァーズ。何よりも関心の中心はフォーメーション。4バックに左からクリッシー、トゥレ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:56 PM

August 17, 2007

『レディ・チャタレー』パスカル・フェラン
梅本洋一

 D・H・ロレンスのこの小説を巡るスキャンダルについて語ることは、単に時代が変わったのだ、と言うことに過ぎない。「生きる」ことには身体がつきまとい、ふたつの身体が重なり合うことが「恋愛」に欠かせないとしたら、このフィルムは、「森番」パーキンと「チャタレー夫人」のふたつの身体をどのように解放するのかが眼目になるだろう。戦争で半身不随になった夫、彼は、移動する際に手動の車いすを嫌い、広大な領地を車で走...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:53 AM

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