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June 1, 2009

『久生十蘭短篇選』川崎賢子 編
高木佑介

 1920~30年代についての特集を組んだ「nobody」誌最新号の編集中にも、たびたびその名前が挙がった久生十蘭。といっても気軽に著作を探してみてもどうも在庫切れやら絶版ばかりが目につくし、とはいえ去年から国書刊行会より出版されている少々高価な全集(全11巻になるという)にも手が出せず、さてどうしたものかと考えていた矢先に岩波文庫より短篇集が5月に出たので、これ幸いと購入。定価860円。  本書...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:15 AM

May 23, 2009

『夏時間の庭』オリヴィエ・アサイヤス
梅本洋一

 満員の銀座テアトルシネマの上映後、銀座の舗道に出ると、背後からこんな会話が聞こえてきた。「あのオルセー美術館のレストランのシーンを見てたら、オルセーに行ったときのことを思い出したわ」「そうね。2年前だったわね」かなりの年長の婦人たちがそんな会話を交わしながら、銀座を歩いていた。  だが、とりあえずオリヴィエ・アサイヤスのフィルムで、映画館が満員になったことは良いことだ。このフィルムにはオルセーが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:07 AM

May 4, 2009

エル・クラシコ09 レアル・マドリー対バルセロナ 2-6
梅本洋一

 信じられないものを見てしまった。先週のチャンピオンズリーグ準決勝1st Legからわずか数日。バルサはぜったい疲れているはずで、ここでレアルに負けてもリーガの1位は揺らがないのだから、おまけにベルナベウ。さらにチェルシー戦でマルケス負傷。誰でもがレアル有利と思うだろう。ぼくもそう。  だが、そんな予想は、レアルがイグアインのヘッドで先制してから数分後に打ち砕かれた。それからは、バルサのゴールショ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:14 AM

April 23, 2009

「広告批評」336号(最終号)
宮一紀

 雑誌「広告批評」が30年という長い歴史に幕を下ろした。広告の世界にあまり関心がなくとも、その企画がときとして対象に寄り添いすぎていると感じることはあっても、コンセプトの部分で基本的にブレることのない誌面に概ね好感を持っていた。A5サイズで590円という気楽な価格設定もよかった。  休刊の理由は部数減や経営難ではないという。そこには同誌が主な批評の対象としたマス広告が時代とともに大きくかたちを変え...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:11 AM

プレミアリーグ リヴァプール対アーセナル 4-4
梅本洋一

 とにかくこのゲームのことは書き残しておきたい。今シーズンのプレミア・ベスト・ゲームだろう。もちろんチャンピオンズリーグのチェルシー対リヴァプールの4-4もあった。そして、このゲームの直前にあったFAカップ準決勝でアーセナルは2-1でチェルシーに敗れている。いろいろな意味で両チームとも負けられないゲームということになる。こうした場合、スコアレスドローとか、PKで勝敗が決まるケースがとても多い。だが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:06 AM

April 22, 2009

『パンドラの匣』冨永昌敬
結城秀勇

 なにかとんでもないことが起こっているかもしれないと気付いたのは映画が始まり舞台がメインの「健康道場」へと移りタイトルが映るまでの少々長めの時間が経った後でだったから、いささか遅きに失していたのかもしれない。  それまではと言えば、人や物、そして音がフレームの中に見事に収まっていることに見とれていた。『シャーリーの好色人生と転落人生』のあの貫禄を見れば、当然至極のこととも思えるこの事実になぜ気を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:17 PM

April 1, 2009

F1オーストラリアGP
黒岩幹子

09年F1開幕戦における“新興チーム”ブラウンGPの完全制覇(予選1,2番手、決勝1,2位)は、このチームが今季型マシンBGP001をシェイクダウンして以降のテスト走行のタイムを踏まえれば、驚くべき出来事ではなかった。彼らのマシンは誰の目から見ても間違いなく速い。にも関わらず、当然のこととして納得されないのは、その速さが予兆として表れていなかったから(彼らのマシンのシェイクダウンはわずか1カ月前で...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:54 AM

March 19, 2009

『シャーリーの好色人生と転落人生』佐藤央&冨永昌敬
宮一紀

 昨年夏の終わりに初めて仙台を訪れたときのこと。仙台メディアテークをしばらくうろついた後、仙台在住の友人・今野くんに連れられて近くの〈マゼラン〉という古書店に赴いた。映画や音楽、そして文芸方面で充実したラインアップを揃える小さな店内の一角はカフェ・スペースになっていて、そこで常連さんとおぼしき女性がひとりコーヒーを飲んでいた。  秋口の仙台で、時間は午後で、外は小雨が降っていて、店の軒先に猫が寝て...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:06 AM

March 18, 2009

『サッカー批評』42号「LOVE or MONEY」
渡辺進也

 雑誌には週刊誌、月刊誌、季刊誌とあるけれども、僕にとっての季刊誌といえば現在も、もう何年も前から『サッカー批評』である。個人的にも大好きな名前が執筆陣に並び、ネットやスタジアムでは知ることができないサッカーの話に溢れ、往年のサッカーファンをも唸らせるインタヴューが並ぶ。サッカーだけで140ページが組まれる読み物。今年も『サッカー批評』が出る度に新たな季節が巡ってきたことを知ることになった。  最...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:53 PM

March 16, 2009

シックスネイションズ2009 イングランド対フランス 34-10
梅本洋一

 キックオフから60秒でフランス・ラインのギャップを突いて、クエトーがトライ。拮抗したゲームになるというぼくらの予想が見事なまでに外れた。前半はイングランドのトライ・ショー。なんと5トライをあげ、29-0。フランスはこの時点でタオルだ。  レキップ紙を読んでみると、リエヴルモンを初め、キャプテンのナレ、SHのパラ、この日SOに入ったトラン=デュックも、一様に開始1分にトライ奪われ浮き足立ち、自分の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:27 PM

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