ニュースアグリゲータ

『それでも夜は明ける』

Dravidian Drugstore - 金, 03/28/2014 - 09:41

『それでも夜は明ける』スティーヴ・マックイーン:試写逃しちゃったので、ようやく見ました。すでにアカデミーはじめ多数の大きな賞に輝き賞賛に包まれている作品なので改めて言うまでもないですが、これは確かに素晴らしかった。マックイーン作品としても完成度が図抜けて高い。

現代映画の一つの傾向として、ある極限状態の中で人間性を奪われ動物や物として扱われる人物への執拗な凝視を通じて、フィルム体験を圧倒的な強度の中に置き、観客を同様の状況内部に引きずり込むというものがあります。ペドロ・コスタや王兵が典型的ですが、マックイーンもまたそれに近い。

ハンガーストライキを描いた処女作『ハンガー』はまさにそうした作品で、ただマックイーンの場合、現代映画のエッジを保守的な物語映画の中へうまく折衷的に取り込む技術にも長けていて、それが今回の大成功へと結実したように思う。それが良いことか悪いことかは議論されるべき問題として。

(こういう議論はちゃんとすべきだと思うんだよ。)

ただ、日本タイトルの『それでも夜は明ける』は個人的に違うと思う。黒人奴隷問題を扱った作品ですが、白人による黒人の奴隷化と搾取と人間性の剥奪という問題以上に、同じ状況に置かれた筈の黒人同士さえ隔てる(カポ問題にも近似する)支配システムの残酷さこそ描いていて、

だから主人公が奴隷から解放されることが決して単純な勝利のカタルシスを観客に感じさせることがなく、それこそこの作品の主眼となっているから。

また、ポール・ダノ(最高!)らに縛り首にされそうになった主人公がそのまま苦痛に耐えつつ長い時間衆人環視(他の奴隷は手出し出来ない)の中で絶え続ける姿など、この作品で最も美しく、かつ凡庸なメロドラマからは限りなく遠い場面でしたが、あれもまた同じ主題に基づいてる。

マックイーンとしては、だから彼の作家性が最も活かされた成功作になったと思うのですけど、ただし、一つ思うのは、こうした極限状況下における人間性の剥奪=フィルム体験の強度という映画メソッドって、本質的にマージナルやマイノリティ、地方へと向かわざるを得ないんですよね。

勿論それが悪いわけじゃないですし、また、マージナルであればあるほど映画は世界的なものになるってルノワールの言葉に忠実だとも言えるんですが、でも同時に映画はやっぱり現代世界をその真ん中で描きたいって野心が一方であると思うんですよ。そこが引っかかる。

(こういう議論もちゃんとすべきだと思うんだよ。現在の日本の映画界隈って、こういう現代映画にとって最も重要な筈の議論が根こそぎ欠けてると思う。)

で、マックイーンの第二作『シェイム』はそれをやろうとしたと思うんですね。つまり、セックスアディクトという切り口を使うことで、極限状況映画メソッドを都市の映画として、ある種のメロドラマのタッチと共に発展させようとした。

必ずしも成功作だとは思いませんけど、でもその作家的野心は理解出来るし、面白いと思った。で、ジョアン・ペドロ・ロドリゲスの『ファンタズマ』は、同じラインでたぶんずっと成功した作品になってると思う。自分が公開したってこと抜きにしても、あれはきわめて重要な意義を持つ傑作です。

マックイーンとしては、今回の作品が主題的にも、自らの本来の作風と保守的なドラマ映画との噛み合わせという意味でも、あらゆる意味でうまく運んだ作品になったとは思いますが、今後どうなるかはまだ微妙ですね。ハリウッドのシステムに入っちゃうとまた難しい部分も出てくるでしょう。

ちょうど良い規模と主題の作品に恵まれ続ければ良いなあと願います。まあ、それが現代社会においては一番難しいんだけど。ともあれ、『それでも夜は明ける』は素晴らしい作品なので、未見の人は絶対に見るべき。

エドガー・G・ウルマー/B級映画の秘かな愉しみ

多様なジャンル、国、言語の低予算映画を量産。フランスのヌーヴェルヴァーグの監督やマーティン・スコセッシなどに大きな影響を与えた伝説的監督の代表作を特別上映します。

世界を相手に(と共に)闘うために #2

Dravidian Drugstore - 木, 03/27/2014 - 06:00

昨日、日本ヤバイ、文化も映画もヤバイって話書いたら、もう海外に出ないとどうしようもないってコメント幾つかもらって、それは現状としてある程度その通りだと思うし、実際、私の周りの若くて優秀な人はどんどん留学したり海外に出て行ってる。

で、可能なら是非そうすべきだと私も思いますが、ただ、本質的な部分では海外も日本も変わりないってことも考えるべきだと思う。日本特有の問題もあるけど、でもバブル期のような特殊なことは世界的にあまり期待出来ないし、それは日本に限ったことじゃないってこと。

例えば、昨日書いた『エイプ』のジョエル・ポトリカス監督だって、今や世界中の映画祭で引っ張りだこになってますけど、最初にロカルノ映画祭にエントリーした時なんて、渡航費なくて卒業した映画学校にサポート頼んだらTシャツ2枚渡されて、これ売ってお金にしなさいって言われたらしい(笑)。

シェーン・カルースの処女作『プライマー』だって製作費たった70万円だよ?バイトで稼げる額だよね。ただし、彼は完成までに数年かけていてその間ものすごいエネルギーと時間をそこに注ぎ込んでる。だからこそminiDVで編集した作品がハリウッド映画に負けず世界中で話題になった。

実際、彼はハリウッドからも熱い注目を浴びて、ソダーバーグやデヴィッド・フィンチャーのプロデュースで数十億かけたSF大作を作ろうって話でその後10年動いたんだけど、みんな君の才能はすごいって言うくせに全然財布のひもを緩めようとはしなかったって(笑)。

で、諦めた彼は自力で数百万円集めて『アップストリーム・カラー』作って、これがまた世界中で年間ベストテンにランクインするほど賞賛を集めて、彼は今回配給も全て自分でやってるから、その資金でまた次の作品を撮ろうと準備してる。

だからアメリカでもポルトガルでもフランスでも、本質的には変わらないのであって、つまりいわゆる顔のないシステムに属する蜃気楼のような1%と私たち99%の戦いがそこにある訳ですよ。その世界的な戦いの現状が何故か見えない日本って問題はあるけどね。

1%に入りたい、実際には入る手前で抜け殻になるまで搾取されて終了かもしれないけど、それでも1%に入りたいって人はそうすれば良いと思う。でも、それだけが私たち99%に許された可能性だというのではあまりにも希望がないよ。

実際、今の映画業界の人と話していても、その目線は全然若い人の方に向いていないから。もちろん、中にはまだまだ良心的な人や良質な文化はあるから侮っちゃ駄目だけど、でも本質はそうだよ。過去を向いてる。だから、そこからステップアップしてって夢を描いても現実厳しいと思う。

1%だけを目指して、憧れて、夢を抱いて、そして必然的に絶望するからこそ、私たちは孤独や疎外感を感じるし、シニカルにもなっちゃう。でも、逆に言えば同じ孤独を感じている人は世界中にいる訳であって、なにせ私たちは99%もいる訳です。圧倒的です。だから、その中で繋がれば良いわけです。

もちろん、99%の人間と繋がる必要は全然なくて(笑)、逆にそれだけ数がいるわけだから、その中で繋がるべき人を厳選して繋がれば良い。と言うことはつまり、自分もまた相手から選ばれる人間にならなければいけないってことだけどね!

こうした自覚と幾つかの必要条件さえ満たせば、私たちは素晴らしいインターネットとSNSの時代に生きてるんだってことを驚きと共に発見すると思うよ。孤独な場所で自分一人で何かやってた人が、次の瞬間には多くの人々と連帯してしまっている自分に気づく。それが今だと思う。

で、私は今そういうことの手伝いをしたいと思って、昨年からずっとひそかに動いてます。去年、ジョアン・ペドロ・ロドリゲスのレトロスペクティヴをインディペンデント映画祭として自力でやって、こうした試みが世界的にもものすごく意味のあることだって分かった。いろんな可能性が見えた。

その可能性を、だから今度は多くの人たちと共有したいと思ってる。そしてそれが、99%の私たちが1%を目指さず、芸術的野心を捨てず、そして人間性を捨てず、でもチャンと自分なりの充実感と手応えを持って生きていくことのできる道の一つになれば良いと思う。

あと、シネフィル×アンチ・シネフィルって下らない対立図式はそろそろやめようよ。シネフィルに問題あるのは事実だし、膨大に映画見なくても映画作れるのも事実だけど、でも、他人の作った素晴らしい映画知らずに自分だけは良い映画撮れる才能あるって、その根拠はどこにあるの?

それに、アーティストとか映画作家とか批評家とかってのは、そういう溌剌とした興味や好奇心を備えているべき人種じゃない?そうあって欲しいと思うし、逆に言えば、少なくとも私はそういう人にしか興味ないな。だいたい、映画に関わる人間が映画見てなくて、じゃ、誰が映画見るわけ?

もちろん、誰しも膨大な可能性の中から常に選択して生きているわけで、全てのものに関心を寄せる必要なんて一つもないけどね。

それに、国内であれ海外であれ、とりわけ国際的関係においてそうだけど、映画の世界の人間は映画の話することでお互いの場所を確認し合うし、友達になるわけ。それは国際映画祭で爪痕残すための戦略じゃなくて、あるいはそれ以上に、映画の世界で生きることの本当の意味じゃないかな?

アメリカとかポルトガルとかフランスとか中国とかで映画やってる面白い連中と友達になること目指して映画作家や批評家やる人が国内にもっと増えて欲しいと本気で思う。

世界を相手に(と共に)闘うために

Dravidian Drugstore - 木, 03/27/2014 - 06:00

80年代頃から日本の文化が世界最先端に躍り出て刺激的なものを次々に生み出したのって、その背景には海外文化が怒濤のように押し寄せてきたからってのがあって、これは戦後にドッと入ってきたアメリカ映画を浴びるように見たフランスの若いシネフィルがヌーヴェル・ヴァーグ起こしたのに近いけど、その後、不況になって今や誰もが知るように海外の新しい文化はなかなか紹介されなくなった。それでも音楽とかは言語関係ないしむしろネット時代のアクセスの容易さに助けられると思うけど、映画はやっぱ言葉の壁が大きくて国内外の情報格差がすさまじく広がってきてる。これは怖い。

しかも、映画批評家やライターでさえ国内に残った映画ビジネス内部で生きてるから海外の情報とか知らない人が殆どだし、そんなこと知らなくて良いんだ、映画は大衆と共に生まれるものなんだって保守的&反動的ロマンチシズム振り回す人ばかりって現状で、何度も書いてるけど私は大変危機感持ってる。

と言うか、若い人はもっと危機感持たないと駄目だよ。これは本当に危険な状況だよ。日本語しか出来ない人が日本の中で日本サイコーって唯我独尊に思い込んでるのって、別に排外主義者ばかりにとどまらないんだから。ほぼみんなそうなりつつある。文化やアートや映画でさえ同じってのが恐ろしい。

と言うのも、今映画も本格的にデジタル時代に入って、明らかに新しい表現や感性やスタイルが世界的に生まれつつあるのよ。それ知らずに恐竜時代のロマンチシズムで恐竜時代の映画を恐竜とは比べものにならない貧弱な肉体で生み出し続けても、それはなかなか世界相手に闘えないよ!

フィルムと共に自分はもう死んでいきますって覚悟決めた老人は良いのよ。明確な意志を持ってそうやってる偉い人もいるし、その気持ちはとってもよく分かるから。でも、それはそれであって、若い人は同じこと考えてちゃ駄目でしょ!デジタル時代の映画を生きてかなきゃいけないんだからさ!

以前、ユーロスペースの堀越さんにインタビューしたときにも、私たちは今映画史上最大の革命に直面しているって話を聞いて、これは他にも多くの人が述べているのですが、確かにものすごく大きな変化が起きているし、次々に新しい試みが生まれ、別種の可能性が模索されてると思う。

そうした変化のただ中で人はどういう態度を取りうるかって問題に関してよく言及されるのはアドルノとベンヤミンで、つまり芸術の深遠を見つめ浮薄な現在を蔑視することで、しかしまさに自らの足下で生まれつつあった映画という新しい芸術の誕生をみすみす見逃してしまったアドルノか、それとも軽薄の誹りを怖れずきらびやかな現在にとことん寄り添い、その最良の可能性を見出すことを志したベンヤミンかって選択であって、もちろんここには現在であるからこその反転や捻れもある訳で、ベンヤミン的であるためには時にアドルノ的言説に与する必要もあるように思うんだけど、でも、根本的な世界への応答の仕方として、やはりこの両者の対立図式は現在でも有効であると思うし、そこで私はもちろん基本的にはベンヤミン的でありたいと願ってる。

『エイプ』

Dravidian Drugstore - 水, 03/26/2014 - 10:05

『エイプ』ジョエル・ポトリカス:ポトリカスの処女長編であり、『コヨーテ』主演のジョシュア・バージと再び組んだ作品。続く『バザード』も同じくバージ主演で、アニマル・トリロジーと(たぶん冗談半分に)位置づけられてる。超超低予算故の疵もあるが、それ以上にその圧倒的なパワーがすごい!

ポトリカス&バージからは、カラックス&ドニ・ラヴァンやスコセッシ&デ・ニーロといった映画史上の名コンビをたやすく連想させられると思う。スコセッシからフェラーラへと続くアメリカン・インディペンデントのド本流を歩むと同時に現在のそれに対する暴力的なエイリアンでもある。

うんざりするほど退屈で肩すかしばかりの鬱屈した毎日を送るスタンダップ・コメディアンが少しずつ現在の資本主義世界が胎む暴力と狂気に犯されていくって作品で、『キング・オブ・コメディ』なんかすぐに思い出すし、ジャームッシュやクローネンバーグだったりもする。

ポトリカスは実際に一時ニューヨークでスタンダップ・コメディアンやってたらしく、その時感じた孤独と疎外感と退屈と怒りをたっぷり詰め込んだ作品になってる。「真実の映画だけを撮りたい」って彼は言ってる。同時にコミックやホラーのテイストもたっぷり。その壊れたバランス感が面白い。

週末に友人たちを集めて撮影し、お金が足りないときは家にあったビール缶を売ったりして撮影続けたらしい。で、友人の友人辿って映画見てもらう内にロカルノに呼ばれて2つの大きな賞と賞金を獲得し、それで作った第二作は先日のSXSWで大評判だったという、まさにエマージング・スター!

実際、私も彼の『コヨーテ』がメチャ良かったとTwitterに書いてた流れで友達になって、こうやって『エイプ』見せてもらっちゃった!超ラッキー!いやあ、すっごい時代になったよ!一方で私たちを隔てる壁は高く厚くなるばかりだけど、繋がるときにはこうやってあっさり繋がれたりする!

「顔のないシステムへの怒り」をポトリカスは様々なインタビューで口にしてるけど、そしてそれを前にすれば勿論孤独と疎外感ばかり私たちは感じちゃう訳だけど、でも、孤独なのは自分一人だけじゃないし、その繋がりは別に友人たちや日本国内だけにとどまる訳じゃないってことを忘れずにいたい。

『エイプ』や『バザード』が評判を呼んで世界中から買い手殺到したみたいなんだけど、ロカルノ後のインタビューでしばらくは世界中の映画祭サーキットに呼ばれて旅することを楽しみたいし、すぐに作品売るつもりはないってポトリカスは答えてる。だって、この瞬間を楽しみに生きてきた訳だからって。

いいなあ、そういうの。みんな、いや、みんなじゃなくて良いけど(笑)、インディーで映画撮ってる人とかこういう生き方目指そうよ!で、『バザード』の方はMCAが設立したオシロスコープが買ったようで、それも背景感じる本当にいい話だ!

『エイプ』予告編 https://www.youtube.com/watch?v=S3qd3kdVzKw

『オーバーシンプリフィケーション・オブ・ハー・ビューティ』

Dravidian Drugstore - 火, 03/25/2014 - 08:20

『オーバーシンプリフィケーション・オブ・ハー・ビューティ』テレンス・ナンス:こーれはすごい!何て言ったら良いんだろう?ポスト・ゴダールのダブステップ/ヒップホップ・シネマ?ポエティックなディコンストラクティヴ・ブラックムービー?好き嫌いはともかく絶対見るべき作品だよ。

超複雑な構成と語りとビジュアルスタイルとテクニックを総動員して語られる、美しい女性と行き違った僕の感情と思考の全てをポエティックで音楽的に表現した作品って感じで、超難解で超抽象的な台詞がハードカバー一冊分ほど語られるけど、同時にアルバム一枚聞いた位の軽やかさもある。

タイトルは、「彼女の美に対する過度の単純化」って意味だけど、これは原題そのままの方が格好いいからそうした。

先に予告編貼ろう。見て、今すぐ!『オーバーシンプリフィケーション・オブ・ハー・ビューティ』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=COpJwAeuWHo

ガールフレンドとのちょっとした行き違いを描いた自らの短編映画に対する過度の注釈と反省と回顧と過ぎゆく時間と、それにまつわるQ&Aセッションなどのドキュメンタリーフィルムと様々なスタイルのアニメーションを後藤明生みたく一つの鍋にぶち込んで奇形的に膨張させたような作品。

とりわけインディペンデントで映画撮ってる人には必見のアイディアの宝庫だと思うし、新しいスタイルが映画にはまだ可能なんだってことにショック受けて欲しい。ゴダール好きだけど、あのクラシック趣味は合わないって人にも。面白い作品だと言うばかりでなく、色んな映画の可能性を感じる。

(いやあ、正直言うと、こういう映画を自分でも撮りたいとずっと思ってた(笑))

ラウル・ルイスの『失われた絵画の仮説』(必見!)とかリチャード・リンクレイターの『ウェイキング・ライフ』に近いかな?あの辺りをもっとゴダール風にカットアップ&ディコンストラクトして、ヒップホップでエレクトロニックにアレンジ加えた感じ。いやあ、これは刺激的な映画!

面白い映画、良くできた映画、立派な映画も良いだろうけど、映画の未来のためには刺激的な映画がもっともっとあるべき!刺激的な映画を撮るべきだし見るべきなんだ!僕たちはもうずっと長い間映画のご立派で娯楽に満ちた退屈さにあまりにも慣れちゃってたよ。こんなんじゃいけない!

これ普通だと日本公開される見込みないよね。映画祭?イメフォ?あるいは誰かがDIYでやるか?字幕付けるの超大変そうだからなあ。私も今他の企画で手一杯だけどやりたいな。これと『アップストリーム・カラー』はやりたい!

『カラー・ホイール』

Dravidian Drugstore - 月, 03/24/2014 - 08:25

『カラー・ホイール』アレックス・ロス・ペリー:ここ数年注目を浴びる新人監督の一人で、最新作『リッスン・アップ、フィリップ』もサンダンスで大評判だったペリーの前作。『ヤング≒アダルト』に似た部分もある負け組コメディだけど、あれよりさらに辛辣で苛烈で同時に温かい。

ペリーはこれまで全て16ミリのストックフィルムで撮影しており、主人公二人による即興的な掛け合い演技を中心にしたこの作品がデジタルじゃないってのはなかなか驚き。ビジュアル的にはビンセント・ギャロとかニューシネマっぽい無造作でザックリした撮影とつなぎが特徴。

映画としては、そうね、オフビートでマンブルコアなスクリューボール・コメディって言えば良いかな。かなりオリジナルなスタイルだと思う。すっごい早口で膨大な台詞が口にされるので、正直半分くらいしか聞き取れませんが、でも同時にすっごくローテンションで今っぽいという(笑)。

アンカーウーマンを夢見るビッチな姉とギークっぽい陰鬱な弟の小旅行を描いた作品で、脚本も主人公二人を演じるペリーとカレン・アルトマン自身によって書かれている。物語的にはペリー自身がフィリップ・ロスとピンチョンに最も影響を受けたと語っていて、これは確かにロスっぽい気も。

因みに処女作『インポレックス』は明らかに『重力の虹』。素材の遠近のバランスがなかなか面白くて、楽しみな才能だと思う。辛辣であけすけだけど夢を抱えたナイーブな子供でもある主人公たちが堅実に生きるかつての同級生たちに笑いものにされるパーティ場面とか実に痛いし。

『リッスン・アップ、フィリップ』を早く見たい!こちらはジェイソン・シュワルツマン、エリザベス・モス、クリステン・リッター、ジョナサン・プライスと、豪華(インディー系)キャスト総出演。

『カラー・ホイール』予告編(フランス語字幕付き)。なかなか良い感じでしょ?
https://www.youtube.com/watch?v=AG3K3vdy_Tk

『スペクタキュラー・ナウ』

Dravidian Drugstore - 日, 03/23/2014 - 10:07

『スペクタキュラー・ナウ』ジェームズ・ポンソルト:良い!パーティ好きのチャラくてリア充だけどブサイクめな高校生のフツーの青春ものかなって感じで始まって、やれやれと思いつつ見てたら、その繊細な内面と葛藤を正面から描いた普遍的な青春映画になっていて、これは本当に良い!

ありきたりな主人公とそのガールフレンドを巡るフツーの物語を描きつつ、そしてその王道的な記号をしっかり踏まえているにも関わらず、決して凡庸な紋切り型には収まらないスペクタキュラーな作品になっていて、それはやっぱり悩める若き主人公に等身大に寄り添った繊細な描写に負うところが大きい。

大人にとって陳腐で今更な当たり前の話でも、当事者である高校生にとっては人生を左右する大きな決断になる訳で、その苦悩と混乱に主人公と共に正面から向き合おうという気持ちにさせてくれるってのは、それが良い映画であるって証拠ですよ。

ガールフレンドとの初めてのキスシーンでの長回しとか、あとラストの曖昧なニュアンスとか、全然知らない監督でしたが素晴らしい演出だと思う。役者もみんな良い。主人公二人はさほど有名じゃないですが、それだけにフツーの高校生感がすごくて、あと周りに良い役者を揃えてる。

『ショート・ターム12』で素晴らしかったブリー・ラーソンとかメアリー・エリザベス・ウィンステッド、あと母親役のジェニファー・ジェイソン・リーが本当に素晴らしかった。登場場面は多くないですが、キッチリ見せ場があって映画全体がそれで引き締まる。

脚本が『(500)日のサマー』のコンビで、それで見てみたんですが、あっちほど美男美女は出てきませんし派手なギミックもないですが、うーん、『スペクタキュラー・ナウ』の方が良いんじゃないかな。今どきでカジュアルでありきたりなのに特別なことばかりって、それってまさに青春だよなあ。

正直、こういう映画に弱いです(笑)。泣いた泣いた。大好き!

『スペクタキュラー・ナウ』予告編 https://www.youtube.com/watch?v=XDTBLSkUmYk

Preface

SomeCameRunning - 土, 06/15/2013 - 15:00
前口上  月2回の更新を目指す! という所期の目標はどこへやら。気がつけば3ヵ月が経ってしまいました。まあ、前回の更新が少しヘヴィ(フランス語教師っぽく言えば“グラーヴ”)だったもので筆がつい重くなってしまったのである……。というのは嘘とはいわなくても、七割は態のいい口実ですね。やはり単にめんどくさかっただけです。  さて、じゃあもういっそのこと、ブログやめてもいいんじゃね? というのはずっと考えてはいたのですがね。未練がましくというか、こんな弱小ブログでも、絶滅危惧種的な憐憫の情のようなもの ...

Yoichi Umemoto

SomeCameRunning - 木, 03/14/2013 - 15:00
梅本洋一先生の思い出  映画評論家であり、翻訳者であり、雑誌編集者であり、演劇評論家であり、スポーツ評論家であった梅本洋一先生は、何よりもまず教育者であった。10年以来疎遠で、呼び捨てにしてきたが、今日は久しぶりに「先生」と呼びかけてみる。  梅本先生との出会いは、わたしが東京大学の研究生になった2001年の春にさかのぼる。先生は東大に非常勤講師として来られていた(それは2003年まで続き、2004年は青山真治氏に引き継がれた)。だがわたしと梅本先生の交流は2003年秋あたりで中断してしまう。そ ...

オハッド・フィショフ「A Lecture on Architecture」

UPLINK FACTORY - 木, 06/28/2012 - 09:55
 バットシェバ舞踊団の音楽担当、美術家とのコラボレーションなどクロスオーバーな活動を展開するオハッド・フィショフの「建築について」の最新パフォーマンスを上演 音楽と建築とSFのポエティックな交差点が現出するライブ・イベント  長年バットシェバ舞踊団(イスラエル)の音楽担当として世界的振付家オハッド・ナハリンの芸術哲学の一端を担い、自らもバンドを率いて活躍、また美術家たちと世界各地の国際展のオープニングイベントを飾るなど、クロスオーバーな活動を展開するオハッド・フィショフ。  彼の最新パフォーマンスは、その名も「建築について」。テキスト、映像、その他テクノロジーを駆使して、音楽と建築とSFのポエティックな交差点を現出させるライブ・イベントです。イスラエル建築アーカイブとのコラボレーションにより、60年代から70年代のユニークな建築写真をコラージュ。自然の記憶やイマジネーションが交錯する不思議な世界は、まさにオーディオビジュアルによる瞑想の境地といえるでしょう。 パフォーマンスの後にQ&A、トークあり トークゲストあり(後日発表) ■出演:オハッド・フィショフ パフォーマンス、Q&A、トーク□日時:7月28日(土) 19:00開場/19:30開演 □料金:¥2,500 ( 1Drink付き)【メール予約できます】 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約/7月28日オハッド・フィショフ」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。 主催:イスラエル大使館 / Body Arts Laboratory 協力:UPLINK...

根本敬の映像夜間中学(2012年7月)

UPLINK FACTORY - 木, 06/28/2012 - 04:34
根本敬(撮影:水谷伸之) 特殊漫画家・根本敬さんの問わず語り=最新のイイ話に耳を傾けながら特殊映像を観、特殊音盤を聴く夕べ。本校は入学手続き一切不要、中途入学大歓迎。映像夜間中学は一夜完結型のトークイベントです。 ■出演: 根本敬 Home Page (特殊漫画家/幻の名盤解放同盟/ハッテンバプロダクション/蛭子劇画プロダクション) □日時:7月26日(木)19:30開場/20:00開演 □料金:学生¥1,799(受付で学生証をご提示下さい)     一般¥1,999(学生共に1ドリンク付/予約できます)     ※UPLINK会員は¥1,799(1ドリンク付き) 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約/7月26日『映像夜間中学』」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。 ★DVD『さむくないかい』絶賛発売中! UPLINK MARKET (PARCO CITY)...

古泉智浩監督レトロスペクティブとたのしいトークショーと歌

UPLINK FACTORY - 水, 06/27/2012 - 04:32
『桜の森の満開のジョニー』より 漫画家古泉智浩が監督した約30本にものぼる映画作品の中から、 監督本人がセレクトした傑作たちを一挙上映! 「青春★金属バット」「ライフ・イズ・デッド」等の古泉智浩が撮りためた映画を引っ提げてアップリンク・ファクトリーに初登場!ゲストに花くまゆうさく氏をお迎えし、自作についてあれやこれやと語りつくす。 今回は、ジョニー大蔵大臣×古泉智浩版「ライブテープ」ともいえる『桜の森の満開のジョニー』をプレミア初上映!ジョニー大蔵大臣さんの生ライブもあります! ■日時:7月13日(金) 18:00開場 18:30開演 ■料金:予約¥1,800 当日¥2,000 □ゲスト 花くまゆうさく(漫画家、イラストレーター) 単行本『東京ゾンビ』が佐藤佐吉監督により映画化。 柔術家、映画好きとしても非常に有名で、『人間爆発』など自主映画も製作している。 ジョニー大蔵大臣(ミュージシャン、水中、それは苦しい) バンド水中、それは苦しい、ソロでも活動。 映画『モテキ』出演。即興演奏の名手である。 古泉智浩(マンガ家) 新潟市在住。『青春★金属バット』が熊切和嘉監督、『ライフ・イズ・デッド』が菱沼康介監 督により映画化。短編集『ミルフィユ』より「人魚シリーズ」を自信で脚本化、城定秀夫監督によ りDVD作品としてリリース。2012年後藤友香氏(マンガ家、術家)と絵画展『人生謳歌』をヒロマートギャラ リーで開催。阿佐ヶ谷よるのひるねを拠点に出版業者と自主映画のワークショップを開催中。 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前(2)人数 [一度のご予約で3名様まで](3)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約 7/13古泉智浩レトロスペクティブ」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。 上映作品 ※上映作品は変更になる可能性がございます。 第一部 ささやか映画の世界 古泉智浩監督が撮りためたささやかな映画たちからご自身がセレクトした傑作選。 作品は現在選定中!!決定次第決まったものから随時アップしていきます。 『桜の森の満開のジョニー』(2012年/3分11秒/東京)  ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)が歌を背景に、男女の恋愛のもつれを描くワンカットドラマ。ピョコタン、堀道広出演。 第二部 古泉智浩監督中編作品集 古泉監督の初期衝動から古泉映画のクラシック『ゾンビの森』までさまざまな味わいの作品を上映。 『雑音★エクスプロージョン21』(2003年/26分)  ストレスで人の話し声が奇妙な雑音に聞こえるようになってなってしまった男の苦難。 『巨大戦闘メカ・ガロハロ』(2004年/19分)...

「two degrees of freedom / back and forth」(上映&ライブ・パフォーマンス:Zbigniew Karkowski & Atsuko Nojiri)

UPLINK FACTORY - 火, 06/26/2012 - 09:20
Zbigniew Karkowski & Atsuko Nojiri「float」より 地理/政治に制限されないために同じ場所への定住を拒み、世界各地を移動しながら音楽を制作/演奏し続けているポーランド人音楽家、ズビグニエフ・カルコフスキー。現在は東京を拠点の一つに位置づけ、現代音楽とノイズ・ミュージックの領域を自在に行き来している。今回のUPLINKのイベントでは、カルコウスキーがAtsuko Nojiri(日本)、ジョージ・カストロ(アルゼンチン)、Moju(スイス)、ブライアン・オレイリー(アメリカ/シンガポール)といった世界各地の映像作家たちとコラボレーションし、完成させたばかりの四つの映像作品をプレミア上映します(勿論、音楽はすべてカルコフスキーによるもの)。そして上映終了後にはAtsuko Nojiri(映像)とカルコフスキー(演奏)によるライブが行われます。「二つの自由度/往復」と題された、映像と音響に浸る初夏の夜。是非ご参加ください。 ▼上映作品 『float』(Atsuko Nojiri & Zbigniew Karkowski) 『tunneling』(Jorge Castro & Zbigniew Karkowski) 『microbend』(Moju & Zbigniew Karkowski) 『horology (for koji tano)』(Brian O'Reilly & Zbigniew Karkowski) ▼ライブ・パフォーマンス Zbigniew Karkowski & Atsuko Nojiri『number crunching』(work in...

LIKKLE MAIニューアルバムリリース記念イベント「LOVE IS THE UNIVERSE」

UPLINK FACTORY - 火, 06/26/2012 - 06:45
7月4日に待望のニューアルバム『DUB IS THE UNIVERSE』をリリースするリクルマイが渋谷アップリンクでスペシャルなイベントを開催。 当日は2人編成のアコースティック・ライブに加え、2組の女性アーティストによるDJ、ライブアクトも。さらには、彼女が影響を受けたアーティストを紹介するトークのコーナーも設け、彼女の愛にあふれた世界をより親密に感じることができる夜になるだろう。 ■出演:Likkle Mai(アコースティック・ライブ)■出演:Marina Market(DJ)■出演:asuka ando(アコースティック・ライブ)□日時:2012年7月14日(土) 18:30開場/19:00開演 □料金:予約2000円+1ドリンク/当日2500円+1ドリンク(全60席のイベントのため、ご予約をおすすめします) 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、(1)お名前(2)人数 [一度のご予約で3名様まで](3)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約 7/14リクルマイ」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。 Likkle Mai プロフィール DUBバンドDRY&HEAVYの元・女性ヴォーカル。05年更なる飛躍を求めDRY&HEAVYを脱退しソロとして始動。 06年2月1stアルバム『ROOTS CANDY』を、07年7月2nd『M W』を発表。レゲエ界のトップミュージシャンで構成されるLikkle Mai Bandと、ギタリストThe KとのアコースティックユニットLikkle Mai & The Kでの活躍は国内外に及ぶ。 09年リリースの3rdアルバム「mairation(マイレーション)」はミュージックマガジンのベストディスク2009レゲエ部門で第一位に、RIDDIM誌のSKA〜ROOTS部門でも第一位になり近年を代表するレゲエ・アルバムとなる。 2012年5月23日に配信限定でリリースのシングル「The Life Is Simple And Beautiful」は大塚製薬ポカリスエットのCM曲として現在OA中。7月4日に最新作「Dub Is The...

『ぬちがふぅ(命果報)―玉砕場からの証言―』

UPLINK FACTORY - 月, 06/25/2012 - 12:21
沖縄には、「命果報(ぬちがふぅ)、孵でぃ果報(しでぃがふぅ)」、島と共にうまれかわる「命の幸せ」ということばがある。沖縄で九死に一生を得た人たちの、命のしあわせをかみしめたことばでもある。 朝鮮人軍属と慰安婦の実相を描いた『アリランのうた―オキナワからの証言』(1991年)に続く朴壽南監督の第3作『ぬちがふぅ(命果報)―玉砕場からの証言―』が、この春、完成いたしました。太平洋戦争末期の沖縄戦における慶良間(けらま)諸島の住民が強制された「玉砕」、そして朝鮮半島から連行されてきた軍属と慰安婦たちの「玉砕」とは何か―。 太平洋戦争末期、‘鉄の暴風’にさらされ、約20万人が死亡した沖縄戦。1945年3月26日、米軍が最初に上陸をめざした慶良間諸島では日本軍が島の住民へある命令を下していた。「玉砕」、つまり集団自決命令である。渡嘉敷島では330名、座間味島178名、慶留間島(げるまじま)では島の人口の半分の命が玉砕の犠牲となった。阿嘉島では日本軍によって、スパイ容疑による住民虐殺や飢餓で多くの住民が犠牲となった。そして慶良間諸島には朝鮮半島から約1000名の若者が軍属として、21名の少女たちが「慰安婦」として連行されている。 朴壽南監督の最新作は、この「玉砕」という美名のもとに強いられた「虐殺」の悲劇の真実を、27名に及ぶ生存者の貴重な肉声で明らかにするドキュメンタリー映画です。 2006年から2008年にかけて沖縄で取材した証言の記録と、20年前(1989年-92年)に撮影し、これまで未公開だったフィルムを、編集に約4年近くかけて織物のように紡ぎ、132分の長編ドキュメンタリーになりました。 生還した人々の肉声によって明かにされる歴史の真実を、一人でも多くの人へ届けたいと願っています。 ■公式ホームページ『ぬちがふぅ(命果報)―玉砕場からの証言―』 日時:7/28(土)〜連日10:00/12:45 料金:当日一般¥1,600/学生・シニア・UPLINK会員¥1,000 【瀬戸内寂聴さんからのメッセージ】 朴壽南様 何かにつけどうしていらっしゃるかとあなたを思っていました。 90歳になり私も片目(右)は全く見えません。背骨の骨折で半年寝込みました。 それでもようやく自力で歩けるようになり三日前から車椅子から放たれましたよ。 DVDありがとうございます。 あなたの不屈の精神に感動し尊敬を更に深くします。涙なしではみられないものでした。 美しい自然と悲惨な現実が対象的で胸がつまりました。いいお仕事をなさいました。 真実はこうして必ず誰かの力によってこの世に伝えられていくのですね。 沖縄の宿命に胸がかきむしられました。涙があらゆる場面にあふれ何度も見返しました。 御苦労さまでした。ありがとう!! 世界中の人に見てほしいものです。 瀬戸内寂聴 2012年6月21日 ■監督 朴壽南(パク・スナム) プロフィール 1935年12月、三重県生まれ。横浜、川崎で育つ。一貫して民族差別問題に取り組み、在日コリアン二世の作家として、小松川事件の少年被告囚との往復書簡をまとめた「罪と死と愛と」(63)「李珍宇全書簡集」(79)で注目を集める。65年から広島を訪れ、被爆同胞に聞き取りをし、73年に証言集「朝鮮・ヒロシマ・半日本人―わたしの旅の記録」を刊行。82年に「もうひとつのヒロシマ―朝鮮人韓国人被爆者の証言」を刊行した後、87年に朝鮮人・韓国人被爆者の実態を訴える記録映画『もうひとつのヒロシマ―アリランのうた』を発表。続いて沖縄へ連行された朝鮮人軍属、慰安婦を取り上げた『アリランのうた―オキナワからの証言』(91年)を発表。両映画は全国で自主上映され反響を呼んだ。97年、沖縄・渡嘉敷に「アリラン慰霊のモニュメント」建立。2006年から沖縄戦の玉砕の真実と記憶を掘り起こす新作『ぬちがふぅ(命果報)−玉砕場からの証言―』に取り組み、2012年4月に第一部を完成させた。...

サラーム海上のエキゾ夢紀行 ─ ボリウッド超大作『ラ・ワン』公開直前スペシャル!(出演:サラーム海上)

UPLINK FACTORY - 日, 06/24/2012 - 11:00
シャールク・カーン(映画『ラ・ワン』より) 音楽ライターのサラーム海上さんが“ここではない何処か=エキゾな世界”を映像とトークで紹介する人気イベント『エキゾ夢紀行』。今回は、インド発のSF超大作『ラ・ワン』の公開直前スペシャルとして、『ラ・ワン』に主演しているボリウッドの帝王ことシャールク・カーンを特集し、曼荼羅のように無限に広がるボリウッドの世界の魅力に迫ります! ★映画『ラ・ワン』公式サイト ■出演:サラーム海上(よろずエキゾ風物ライター)Home Page □日時:7月20日(金)19:00開場/19:30開演 □料金:¥1,800(1ドリンク付き/メール予約できます) 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)住所 (4)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約/7月20日『サラーム海上のエキゾ夢紀行』」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。 サラーム海上 / Salam Unagami よろずエキゾ風物ライター、DJ、朝日カルチャーセンター講師。1967年生、群馬県高崎市出身。伝統音楽とエレクトロニック音楽の出会いをキーワードに、 中近東やインドを定期的に旅し、現地の音楽シーンをフィールドワークし続けている。活動領域はラジオやクラブのDJ、料理研究、海外ツアー企画など多岐にわたる。著書に『21世紀中東音楽ジャーナル』(アルテスパブリッシング)、『エキゾ音楽超特急 完全版』(文化放送メディアブリッジ)、『PLANET INDIA インド・エキゾ音楽紀行』(河出書房新社)など。朝日カルチャーセンター新宿にて通年講座「ワールド音楽」を開催中。NHK FM「音楽遊覧飛行 エイジアンクルーズ」のナビゲーターを務める。 「サラームの家」 http://www.chez-salam.com/...

あがた森魚 日記映画上映&LIVE!「QPOLA PICTURE LIVE SHOW 2012」#6

UPLINK FACTORY - 日, 06/24/2012 - 10:06
あがた森魚 あがた森魚月刊日記映画『Qpola Purple Haze』は、2007年から毎月制作している、あがた森魚の前月の一ヶ月を約1時間で駆け抜けるムービーです。それぞれの一ヶ月を重ね合わせながら観てみてください。上映後、あがた森魚ミニライヴあり! ★あがた森魚さんのインタビュー記事はこちらでご覧頂けます 「厚かましくも映画館でフィジカルに出会いたい」(2012年3月にwebDICEに掲載された記事です) □日時:7月30日(月)19:00開場/19:30開演 □料金:予約¥2,500/当日¥2,800/学生¥1,800(1ドリンク付き+蜜贈呈)     ※学生の方は受付にて学生証をご提示下さい。 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)住所 (4)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約/7月30日『あがた森魚「QPOLA PICTURE LIVE SHOW 2012」#6』」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。...

ジェリー・ガルシア生誕70年記念 ─ ピーター・バラカン presents「真夏の夜のグレイトフル・デッド」

UPLINK FACTORY - 水, 06/20/2012 - 11:07
60年代よりアメリカのサイケデリック・カルチャーを牽引し、後のジャム・バンドの始祖的存在であるバンド「グレイトフル・デッド」のライブ映像作品集『オール・ジ・イヤーズ・コンバイン』の日本盤が、ジェリー・ガルシアの生誕70年の節目である今夏リリースされる。これを記念して、14枚のDVD/38時間に及ぶ膨大な記録が収められたこのBOXより抜粋された映像をネタに、ピーター・バラカン氏の語りとともにグレイトフル・デッドの音楽を楽しむ一夜限りのスペシャルイベントを開催。 ★「ザ・グレイトフル・デッド・ムーヴィー」やDVDボックスなどデッドの映像に関するfacebookページ http://www.facebook.com/GratefulDeadMovies2012 ■出演:ピーター・バラカン(ブロードキャスター) □日時:7月27日(金)19:30開場/20:00開演 □料金:¥2,000(1ドリンク付き/メール予約できます) 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約/7月27日『真夏の夜のグレイトフル・デッド』」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。 ピーター・バラカン...

トーク・イベント「チーフタンズ50年を語る」(対談:パディ・モローニ × ピーター・バラカン)

UPLINK FACTORY - 水, 06/20/2012 - 06:24
日時:8月28日(火)18:30開場/19:00開演 料金:前売・当日ともに¥1,500(+1ドリンク別/メール予約できます) 予約申し込み数が定員に達しましたので、受付を終了させて頂きました。以降はイベント当日のキャンセル待ちのみのご案内となります。ご了承下さい。 ☆「ザ・チーフタンズ東京公演2012」のチケットを当日にご持参頂いた方は入場料¥500 OFF! 予約方法 このイベントへの参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)電話番号 以上の要項を明記の上、 件名を「予約/8月28日『チーフタンズ50年を語る』」として、 factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。...
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