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October 16, 2014

『やさしい人』ギヨーム・ブラック
田中竜輔

 ギヨーム・ブラックが『女っ気なし』に続けてヴァンサン・マケーニュとのタッグで手掛けた長編『やさしい人』にまずもって惹きつけられるのは、やはり前作と同じく試みられる16ミリでの撮影だ。水彩の絵の具が混ざり合ったような、さまざまな事物の「あいだ」の質感。どこからどこまでが人物でどこからどこまでが背景なのか、あるいはどこからどこまでが「私」でどこからどこまでが「あなた」なのか。何かと何かを区分するパキ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:40 PM

October 10, 2014

『ジェラシー』フィリップ・ガレル
奥平詩野

 恐らく嫉妬という感情について描いたのだろうと思って見始めていると、クローディア(アナ・ムグラリス)の嫉妬心に捕らえられて窮屈そうなぎこちない笑みがやたら印象に残るシーンが続く。彼女がルイ(ルイ・ガレル)と居ることで彼に依存的になってしまう不安と危機感、満たされ得ずに増幅していく具体的に言葉には出来ない欲求に雁字搦めになって神経が過敏になって行く様子はリアルであって痛ましい。しかしこの映画は一組の...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:47 PM

October 9, 2014

『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』サイモン・ブルック
三浦 翔

この映画はある重要な問いを含んでいる。というのは、伝説と言われる演劇人ピーター・ブルックの舞台制作メソッドが明らかにされるからではない。ピーター・ブルックが問題にするリアリティとは、如何にして生きた舞台を作り上げるかという単純なことだ。この映画では特に、役者の振る舞いが問題になる。それを映像化するということは、如何にして映像に力を与えるかという単純かつ重要な問いになっていく。 映画はピーター・ブル...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:39 AM

October 6, 2014

『ファーナス 訣別の朝』スコット・クーパー
高木佑介

『クレイジー・ハート』(2009)に続く、スコット・クーパー2本目の監督作。アメリカの片田舎の製鉄所で働く兄をクリスチャン・ベイルが、その廃れた町から逃れ出るようにイラク戦争に行く弟をケイシー・アフレックが演じている。安い賃金ながらもまっとうな仕事は祖父や父親たちの代から続くその製鉄所くらいなもので、あとは兵隊になるか博打で稼ぐか悪党になるしかないというようなスモールタウンの閉塞感がこのふたりの兄...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:21 PM

October 1, 2014

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン
常川拓也

赤い革ジャンを着て、フェイス・マスクを装着しジェット・ブーツで悠々と空を舞う、そんな『ロケッティア』を想起させるフォルムを持ったピーター・クイル(クリス・プラット)は30過ぎではあるけれど、子どもである。そもそも誰もそう呼ばないのに自らを「スター・ロード(星の支配者)」と名乗るなんて、ただの中学生男子じゃないか? 彼が子どもであることを象徴するアイテムは、死んだ母からもらったカセットテープ「Awe...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:34 PM

September 30, 2014

マティアス・ピニェイロ映画祭2014
渡辺進也

 9月28日。渋谷アップリンクにてマティアス・ピニェイロ監督特集。『みんな嘘つき』、『ロサリンダ』、『ビオラ』の各作品と監督によるアルゼンチン映画のレクチャー。  どの映画も、男女が語らい、本を朗読し、歌い、演技をする。映画の中を言葉や台詞、物音が映画の中を豊かに飛び回っている。そうした音に耳を澄ませながら、これまで知ることのなかった若き監督の作品に魅了された。  一連の映画を見ていてまず気づくの...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:42 AM

September 29, 2014

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン
結城秀勇

最近毎日これを聞いている。 Guardians Of The Galaxy: Awesome Mix, Vol. 1 [OST] - Full album 2014 正直言ってこれがサントラとしてそんなに秀逸だとも思わないし(厳密にはサントラではなく登場人物のひとりが聞いているBGMなわけだが)、作品内での一曲一曲の使い方もそんなに飛び抜けてすごいということもないと思う(例えば最近聞いた「Ain...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:12 PM

September 21, 2014

『ヘウォンの恋愛日記』/『ソニはご機嫌ななめ』ホン・サンス
隈元博樹

 『ヘウォンの恋愛日記』では、女学生のヘウォン(チョン・ウンチェ)と映画監督の大学教授(イ・ソンギュン)、そしてアメリカの大学教授を名乗るジュンウォン(キム・ウィソン)との三角関係が描かれ、『ソニはご機嫌ななめ』では女学生のソニ(チョン・ユミ)と元カレのムンス(イ・ソンギュン)、先輩のジェハク(チョン・ジェヨン)、大学教授のドンヒョン(キム・サンジュン)による四角関係が描かれる。ひとりの女性によっ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:49 PM

September 15, 2014

『渇き。』中島哲也
田中竜輔

 役所広司という俳優が、ある種の「普通ではないもの」をめぐって右往左往する姿を、私たちは幾度となく目にしてきた。たとえば正体不明の殺人鬼や、徘徊する幽霊たち、あるいは自分自身にそっくりな誰か。「普通ではないもの」とは「理解し得ないもの」とも言い換えられるだろう。そういったものどもを追いかける役所広司は、いつもきわめて具体的なものと接触し、論理的に振る舞っていた。痕跡を調査し、調査から推論し、推論に...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:11 AM

August 21, 2014

『300<スリーハンドレッド>~帝国の進撃~』ノーム・ムーロ
常川拓也

前作『300<スリーハンドレッド>』(06、以下『300』)で最も特徴的だった点はその「男根」性である。スパルタ兵は皆白人であり、戦場に女は存在しない。レオニダス王(ジェラルド・バトラー)は軍隊のように命を賭けてスパルタ兵を統率する。『300』は反時代的なマチズモの映画であった(軍隊同士の盾を持ってのぶつかり合い、押し合いはアメリカのジョックスの象徴であるフットボールのようですらある)のに対し、監...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:06 AM

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